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2010年1月3日日曜日

「靖国神社と戦後教育」 多賀大社・中野幸彦宮司×滋賀彦根新聞・押谷盛利会長

 滋賀彦根新聞は、多賀大社の中野幸彦宮司と本紙の押谷盛利会長との新春対談を行った。対談では、日本の伝統や文化が崩壊されている現代の世に警鐘を鳴らしながら、その解決策のヒントが取り上げられた。
多賀大社とは?
 押谷 この地に多賀大社が出来たいわれは
 中野 古事記の中で「伊邪那岐大神は淡海の多賀にまします」と記されています。地元の民話の中では、杉坂山(多賀)の尾根にそびえる三本杉に伊邪那岐大神がご降臨になり、栗栖の地に調宮神社を作り、その後、芹川を下って多賀の里を開き、冬になると調宮神社に戻るという話があります。古事記が出来たのは約1300年前の大和朝廷時代。こんな片田舎に伊邪那岐大神が祀られていることがなぜ大和朝廷に伝わったのか。この土地が信仰を集める場で、よほど文化度の高い地だったといえます
 押谷 近江は日本の国づくりの中では無視できない。鳥居本に原神社があるが、あそこは丁寧にお祭りをされ、村人がこぞってお参りしています。私たちの子どもの時分を思い出します
 中野 地域の人が信仰する中心が氏神。そこでの祭りが地域住民の絆になってきましたが、それがだんだん面倒だ、非科学的だといってやらなくなっています
 押谷 湖北に行くと、オコナイがあります。村人が一帯となって、お互い健康や発展を祈り合う。あれが日本の良いところです
 中野 日本人が存続するなら、そういったものを続けないとならない
 押谷 社会教育の原点があるように思います
 中野 私は、家では子どもや孫に、ご飯を食べる前や学校に行く前に神棚を拝むようにさせています
 押谷 子どもの時分から続けさせると、神様は大事にしなあかん、親を大事にしなあかん、仲良くしなければならないと自然にわかってくるものです
 中野 お互いの絆が深まり、年寄りの言うことを若い者が聞くという縦の関係がきっちりできます
 押谷 そういうことを考えると神社の役割は大きい
 中野 おろそかにできない事は多い。神社にお出で頂いた方には色んな形で、お話をし、お伝えしなければならないことは務めだと思っています
 押谷 整備されていて、年間の利用者も多くなったのでしょうね
 中野 一昨年に40年ぶりに社殿を整備、一新して皆さんに喜んで頂いています
靖国神社と戦後教育
 押谷 最近の日本を見て残念に思うのは、靖国神社の問題。靖国神社は国のために命を捧げた方の霊を祀っているが、最近の総理大臣は一部の外国から批判されるからか、参拝することに引け目を感じています。そういう事が国民にどんな影響を与えるか。日本の国体そのもの、伝統、歴史を否定したうえで政治をしているのが戦後強まっているようだ。それが現代の悪しき風潮や犯罪の根源にもなっていると思います
 中野 日本の国がGHQの占領政策から独立した昭和27年の時に、戻すべき事は元に戻さなければならなかった。だから、その当時の政治の責任は大きい。左翼思想が蔓延し、革新と保守の中で、憲法改正や教育など、もう一度戻しておかなければならなかった問題を戻さなかった。それを60年間やってきた政治の責任は免れない。またそれを国民が良しとしてきたこともあり、国全体の責任でもあると思います
 押谷 戦後政治は、社会主義政策を唱える革新(社会)党と自由民主党との馴れ合いできた。経済が発展すれば良いという考えに重点を置き、心の問題を置いてけぼりにした。1番困ったことは教育勅語を廃止し、道徳教育を無視したこと。それが日本の国民をおかしくした原因。
 中野 近江聖人の中江藤樹についての資料館(高島市)の見学から帰ってきて、滋賀県出身の子に中江藤樹を知っているかと聞いたら「知らん」と言った。私は唖然とした記憶があります
 押谷 中江藤樹は近江聖人で親孝行の鏡。教えないと分からないでしょう
 中野 意図的に一部思想の中で教えられなかったのが、そのまま良しとしてきた今日の結果がこういう事態を招いています
 押谷 左翼の連中にしてみれば、神社なんてなくなってしまえと思っているのだろうが、やはり国民の神社に対する憧れや尊敬の気持ちは、心の中に残っています
 中野 それは理屈ではない。毎日、皆さんをお迎えしていますが、1人1人思いがあって、鳥居をくぐられる。その思いを十分にかなえる事が我々の務めであり、職員にも強く言っています
 押谷 国民は、家を建てたり、七五三、結婚の時にも、神様にお祓いをしてもらう。理屈ではない
 中野 色んな事を自然にやっている事は、古事記に記載されている教えが今に生きているといえます。古代の方たちの考えが文章として残されたのは大変、貴重。それが生活の基盤になっています
 押谷 天照大神様が岩谷に隠れて、いったん世の中が真っ暗になったという話があるが、本当に分かりやすくて、ロマンチック
 中野 民主主義は戦後、米国からもたらされたと誤解している方が多いが、民主主義は日本の原点だという事が古事記を読めばわかります。天照大神様が岩谷に隠れられた時、ほかの神々は会議をして、そして意見を集約した上で宴をした。それが私は民主主義の原点で、今日の日本にも続いています
 押谷 古事記は非常に日本人の奥ゆかしさが出ています
 中野 日本は征服の思想ではない。非常に穏やかな考え方をしています
(続きは本紙紙面正月号で)

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