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2018年5月29日火曜日

生ぬるい体制を打破せよ

 22日の百条委員会が行われるまで、庁舎耐震化を巡る裏合意の問題は沈静化へ向かいつつあったが、前副市長の川嶋氏の発言、そして24日の施工業者との契約解除という発表によって市政の混迷はまだまだ続く。
 今年1月24日の市の発表では「川嶋氏が裏合意を指示し、都市建設部の職員がそれに従った」との内容だった。翌日の新聞各紙も「川嶋副市長の独自の判断と指示で」「業者との合意を知りながら黙認していた」などと川嶋主導説に基づいて報じていた。
 だが、小生は関係者への取材と、10年以上前から川嶋氏の行政手腕を知っていたこともあり、当時の市の発表内容をまったく信用せず、直後のコラムでは「川嶋氏は本当に裏合意の全容を把握していたのか」と疑問を投げかけた。
 市の発表から現在までの4カ月間、裏合意を主導した「悪人」にまつり上げられていたのだから、川嶋氏は忸怩たる思いだったであろう。百条委で川嶋氏はこの裏合意の問題に対し「頭から離れることはなかった」と述べ、さらに「腑に落ちない」「非常に違和感がある」「作為的」などの言葉からは、怒りの思いさえも垣間見える。
 川嶋氏の発言が事実ならば、いったい「悪人」は誰なのか。市長は再度の事実確認を否定しているが、市民は真相を知りたがっており、事実確認を再度するべきである。
森友加計・日大アメフト部との類似性
 さて、この裏合意の問題は公務員が市民や議会を騙したという点において、重大な罪があるのだが、国会では森友、加計問題で官僚による公文書の隠蔽や改ざんなど当初の公表内容との相違を露呈させている。
 最近では日大アメフト部の問題で、選手と監督・コーチの発表内容の食い違いや、個人(学生)より組織(大学全体)を保身する体質が明らかになっており、日大の組織体制を疑問視する声まであがっている。
 この森友、加計と日大アメフト部の問題は、彦根市の今の組織に当てはめることができる。▽市職員が当初の計画を議会の了承を得ずに勝手に決めた▽川嶋氏に責任を押しつけて問題を終わらせようとした―などの点は、国民を侮る官僚組織と自己保身的な大学体質と極めて似ている。
 小生は官僚組織や日大、そして彦根市のこの旧態依然とした体制を打破するには、外部による改革しかないと考える。特に国や市における改革の担い手は政治家でしかなく、その力量不足が露呈しているのならば、その政治家を変えるしかない。
 彦根市の裏合意の問題はただ単に庁舎の耐震化が停滞しているだけでなく、根源となる市の組織体制が生ぬるい悪循環に陥っていると市民は気づく必要がある。【山田貴之】

2018年5月28日月曜日

庁舎耐震 裏合意の関与を川嶋前副市長が否定、市の公表と食い違い

 彦根市役所の庁舎耐震化を巡る市と施工業者との裏合意の真相を究明する市議会の調査特別委員会(百条委員会)が22日、彦根勤労福祉会館であり、前副市長の川嶋恒紹氏ら3人を証人尋問した。これまで市は「川嶋氏が裏合意を主導した」と主張してきたが、川嶋氏は百条委で「作為的」などの言葉を用いながら自身の主導説を否定した。
 22日の百条委では、昨年5月17日に行われた2回の入札と、随意契約の相手を決める見積合わせ、一部工事の取り止めや別途工事、仕様変更など9億4200万円分の裏合意を決めた5月19日の市内部の協議と翌20日の岐建との交渉内容が焦点になった。
山本前部長「施行令違反認識」
 施工業者の岐建滋賀支店との交渉にあたっていた市都市建設部の前部長・山本茂春氏=写真上=は、市の予定価格(29億3900万円)と応札価格(38億7700万円)で9億3800万円の開きがあった点について「それでも契約はできるものと考えていた」と強調。
 5月19日の市内部での協議については「私と、川嶋氏、企画振興部長、総務部長が話し合って、一部工事の取り止めなどを決めた」と主張。だが、今年2月議会で企画振興部長と総務部長は裏合意に関与していない趣旨の発言をし、大久保貴市長も「関わったのは川嶋前副市長と都市建設部長」と答えている。また仕様の変更が地方自治法施行令違反にあたるとの認識について山本氏は「その可能性はあると認識していた」と答えた。
岐建支店長「市から再三口止め」
 岐建滋賀支店長の小菅政広氏は、予定価格と応札額との差額に対して「できっこないとお断りしたが、(市側は)何が何でも合意しなければいけない感じでお願いしてきた。その流れに乗った」と、市側が強く要請してきた様子を明かした。
 裏合意に対しては「裏契約ではなく、正式に契約したという認識だった」とし、地方自治法施行令違反にあたるとの認識についても「知っていたら、そのような契約はしなかった」と、いずれも否定した。
 市との交渉の印象については「なぜ、こんなに急いでいるのか。スケジュールが込んでいると認識した」「市側から公表するなと再三言われたので、まだ市内部で調整がついていないと思った」と答えた。
川嶋氏「作為的、あ然、違和感」
 前副市長の川嶋氏=写真下=はまず「本件工事により、議員や市民にご迷惑をおかけし、市政の信頼を揺るがしたことを深くお詫び申し上げる」と謝罪。
 これまでの市の発表では、川嶋氏が岐建と裏合意をするよう主導していたとの内容だったが、これに対し川嶋氏は「(裏合意から判明するまでの)経過報告書を見た時はあ然とした。私が(裏合意を)発案した書き方になっており、作為的に作られている印象で腑に落ちない。あらかじめストーリーが描かれて、その流れから外れないよう作られたと疑念を抱いている」と指摘。
 その上で「仕様を変更するが、契約そのものは変わらないと報告を受けていたため、最終的に了承したのは事実。今から思えば矛盾する話だった」と釈明し、5月19日の市内部の協議で出されたという裏合意の内容が記された資料についても「その時には資料はなかった。(都市建設部長以外の)2人の部長もいたのに、非常に違和感がある」と述べた。地方自治法施行令違反の認識については「5月の時点では認識していなかった」と答え、法令違反を把握したのは11月から12月にかけた頃だとした。
 最後に川嶋氏は、裏合意の問題が公になってから現在までの心境として「日々、頭から離れることはなく、その原因について色んな思いを巡らせている」と吐露。その一部として「市が設定した価格と落札額がなぜあれだけずれていたのか」「仮庁舎を借りている会社(平和堂)との契約期限を守らなければという思いが常にあった」と説明。
 副市長を辞任した原因と背景については、大久保市長が裏合意に関わった職員を先に処分をしようとしていたため「職員を先に処分するのは自分自身として許せなかった。市長の主体性をはっきりさせるため私を解職するよう求めたが、最終的には辞表を書くよう言われた」と解説した。
市長「再度の事実確認否定」
 庁舎耐震化を巡る裏合意の真相を究明する百条委員会は23日も彦根勤労福祉会館で開かれ、大久保市長が証人尋問された。
 裏合意の問題が起こった原因について、市長は「担当職員は予定価格と落札額の金額の開きについて何とかなると思っていた。結果的にその判断に無理があった。各部署がコンプライアンス(法令遵守)を重視していたら、このような事態にはならなかった」と述べた。
 市職員からの報告については、「金額の開きの説明はあったが、(裏合意の)報告はなかった」とこれまで通りの主張を繰り返した。
 裏合意を川嶋氏が主導したとする市の発表を同氏が否定している点に関して、市長は委員会後の記者陣の質問に「市職員が出したてんまつ書をまとめて発表している。個々で受け取り方に違いが出たのだろう。事実確認は一定のめどが立っており、改めて報告書を作ることはしない」と、川嶋氏の主導説を改めない考えを示した。

彦根市、庁舎耐震工事の施工業者・岐建滋賀支店との契約を解除へ

 彦根市は24日、市役所本庁舎の耐震工事の施工業者・岐建滋賀支店と、設計業者の水原建築設計事務所との契約を今後、解除し、今月20日に工事をストップしたと発表。契約解除の理由については「一定の区切りがついたため」としているが、今後は入札を再度行う必要があるなど、先行きは不透明だ。
 市によると、当初の計画通りの工事のうち既存建物の1、2、4階への制震ブレースを設置する工事は終了。全体の30%ほどが完了しているため「一定の区切り」として、岐建などと契約解除の方向で調整する。
 岐建には予定費用の31億6980万円(税込み)のうち約12億円を支払い済みだが、岐建がすでに材料を購入しているため上積みされる可能性もある。また一部工事の取り止めや別途工事など「裏合意」の9億4200万円分の工事は予定費用に含まれていないため、新たな設計費などを含め10億円以上の負担増になることも予想される。
 市は水原建築設計と7月頃に、岐建と9月頃をめどに契約解除の正式な合意を図る考え。岐建とは精算問題を中心に民事調停などで調整する。以降は予算化を経て入札時期が11月頃になる予定だが、裏合意分の金額が予算に組み込まれた場合は議会の反発は必至だ。
 市議からは「裏合意分が予算化された場合、賛成できるはずがない」「次の入札で岐建が落札したなら、絶対に賛成できないため、岐建を外すべきだ」との声がすでにあがっている。大久保貴市長は会見で「重い責任があると把握しており、時期を見ながら市議会に提案していきたい」と述べた。
完成1年の遅れ
 庁舎耐震化の増築分の工事現場から汚染土壌が確認された問題で、市は24日、追加の調査が必要になったため、耐震工事の完了時期が当初予定の来年3月から1年間遅れると発表した。
 庁舎には元々、印刷局彦根工場が建っていて、市の調査でガソリンなどが貯蔵されていたことがわかり、市は追加調査が必要と判断。6月から7月にかけて土壌調査、9月までに汚染土壌の対応と補正予算の議会上程、10月から年内に汚染土壌を除去していく計画。
 庁舎耐震工事の完了が遅れることで、アルプラザ彦根内の仮庁舎の使用期限が延伸されることなるため、市は今後、平和堂と調整していく。

2018年5月27日日曜日

今年度のひこねお城大使 泊幸希さんと北川穂花さんに決定

 今年度のひこねお城大使が、学生の泊幸希さん(22)と学生の北川穂花さん(20)に決定した。25日に大久保市長へ表敬訪問し、29日午後3時半~彦根商議所での選任式に出席する。今年度は女性6人の応募があり、4月21日の選考会を経て2人を選んだ。泊さんは「一人でも多くの方に彦根を知っていただけるきっかけを提供できるよう努めます」、北川さんは「彦根のことを身近に感じてもらえるような地域にしていきます」と話していた。

2018年5月23日水曜日

伊藤仏壇、自然の中で埋葬される樹木葬 県北部で初めて開園19日から現地説明会

 彦根市芹川町の伊藤仏壇は、植物に囲まれた自然の中で埋葬される「樹木葬」を、県北部の民間企業として初めて開園。19日から27日までの土日に現地説明会を開く。
 核家族化や地方の人口減少により、墓を世話する跡継ぎが不足し、埋葬の形式も多様化している。樹木葬は木や草花、芝生を墓標にし、骨壺や布袋に遺骨を入れて「自然に還る」埋葬方式。墓の管理を霊園が代わりにする「永代供養」を行うほか、宗教的な儀式を自由にできるなど社会的少数派にも適している。東京、大阪、名古屋の都市部を中心に、滋賀県内では大津などに樹木葬の霊園がある。
 仏壇需要の厳しい中で、伊藤仏壇は樹木葬に着目し、近江八幡市の霊園のうち約100平方㍍を借り、「樹木葬霊園やわらぎ苑」として開園する。園の周囲には季節に合わせた花や樹木を配置していく。1人分から、夫婦や親子など2人分、家族全員分までの広さを用意し、まず1期目として58基分の埋葬を受け付ける。
 伊藤晃・代表取締役は「森林浴をすると気持ち良くなる人が多いと思いますが、そのように自然の中で安らかに眠ることができるのが樹木葬の魅力です」と話している。
 現地説明会は午前10時~午後5時。問い合わせは伊藤仏壇本社☎0749(22)1056か近江八幡店へ。

2018年5月21日月曜日

木村水産 琵琶湖の魚や近江牛使った10種類の惣菜シリーズ近江 朝おかず発売

 彦根市後三条町の木村水産は、琵琶湖の魚や近江牛など県産食材を使った10種類の惣菜シリーズ「近江 朝おかず」の販売を今月から開始。「朝食の一品として県内外の人に食べてほしい」としている。
 同社は「あゆの店きむら」でつくだ煮やふなずしなどを販売しているが、子育てが一段落つき、食への意識が高まる50歳代以降の夫婦をターゲットにした惣菜作りを新たに進めた。琵琶湖でとれる魚や滋賀の特産品、これまであまり加工されなかった魚介類を使って、まずは10種類を販売し、今後増やしていく予定。
 商品のラインナップは、ひとくちあゆ昆布巻き、えびまめ、金ごまあゆ、赤こんにゃく、しいたけ旨煮、黒まめ煮、たてぼし貝やわらか煮、琵琶ます焼漬、ふな南蛮、近江牛ごぼうしぐれ煮。いずれも食卓にそのままでも出せるよう、容器を食べきりサイズにしている。加熱処理しているため、開封まで常温でも60日間の保存が可能だという。
 1個400~600円。最初は専用のホームページ「近江 朝おかず」でのみの販売だが、反響をみながら直営店や卸店でも販売していく。ネットでは送料無料の6個、8個、12個のセット販売が基本だが、初回限定の4個セットもある。注文はホームページか電話、ファクスで。
 同社の木村有作専務(41)は「滋賀が全国一位の長寿県になった理由に食文化があげられており、琵琶湖や山の食材を豊富に使った商品を全国の人に味わってほしい」と話している。問い合わせは木村水産☎0120(30)9021。

2018年5月19日土曜日

稲村神社で鎮座1350年記念祭

 彦根市稲里町の稲村神社で20日、鎮座1350年記念祭が営まれる。当日は周辺9町による太鼓登山や子ども神輿(みこし)の奉納、二胡奏者の演奏などで祭神が鎮座して1350年を祝う。
 稲村神社の祭神は伊邪那美命(イザナミノミコト)。天智天皇6年(667)に常陸(ひたちの)国(現・茨城県)の稲村神社の分霊を祀ったのが始まりとされる。稲村大明神と呼ばれていたが、明治9年(1876)に稲村神社と改称。同41年には周辺の村にあった20の小宮が合祀され、毎年5月には小宮祭が営まれている。
 拝殿や本殿は、祭神が鎮座した当時からあったと伝えられている2つの巨大な岩(通称・夫婦岩)前にあったが、昭和32年に本殿の裏地が整備され、翌年に約50㍍下がった場所に移築。本殿は平成27年4月に改修された。
 毎年4月にある春季例大祭では、五穀豊穣を祈願し周辺9町の大太鼓が渡御する太鼓登山があり、下石寺町に残る古文書に天保11年(1840)時の太鼓登山に関する文書が残っていることから、江戸時代末期には行われていたとされる。
 鎮座1350年記念祭に向けて、氏子らが実行委員会(田村哲男委員長)を組織。当日は午前10時頃~上石寺町と稲里町の太鼓2基と他町の子ども神輿7基が林道を登って奉納するほか、神殿では午前10時半~鎮座1350年祭と小宮祭が営まれる。祭典後の午前11時40分~は二胡奏者の安岡由紀子さんによる演奏会がある。
 稲村神社の北村浩之宮司は「氏子の皆さんの協力を得ながら鎮座1350年を盛大にお祝いする祭りにしていきたい」と話していた。一般の見学自由。太鼓登山時のみ駐車制限あり。

2018年5月16日水曜日

四番町スクエアのクレープ茶房&雑貨if地域の憩いの場として人気、運営は精神障害者の支援団体NPO法人サタデーピア

 彦根市本町の四番町スクエアに今春オープンした店「クレープ茶房&雑貨if」が、地域の憩いの場として人気だ。運営する精神障害者の支援団体NPO法人サタデーピア(本部・西今町)では「気軽に立ち寄って」と来店を呼びかけている。
 サタデーピアは平成11年に設立。2年後に共同作業所の「夢工房if」を立ち上げ、カフェ運営や雑貨作りなど精神障害者の就労移行支援事業を展開してきた。
 湖東湖北の20歳代~50歳代の精神障害者約30人が利用しており、サタデーピアでは利用者たちにさらに働く場を提供しようと、四番町スクエア内の「カフェテラス菩提樹」に接した建物1階の約36平方㍍を改装し3月21日に新店舗をオープンした。
 新店舗では、バナナチョコやいちごソース、小豆入りのクレープを中心に、チーズケーキ、ガトーショコラ、パウンドケーキ、ハンバーグサンド、コーヒー、紅茶、オレンジジュースを低価格で提供。ほかに、精神障害者が作ったクッキーやサブレ、トートバッグ、ミニポーチ、コースター、ブローチなど約30種類の菓子や雑貨を販売している。
 サタデーピアの上ノ山真佐子理事長は「散歩の途中でもいいので、市民の皆さんに気軽に寄ってもらえる店にしていきたい」と話している。現在は職員が勤務しているが、今後は精神障害者が店員として働く予定。
 開店日時は木曜~日曜・祝日の午前11時~午後5時。問い合わせは同店☎090(2702)2981。

三成しょうゆプリンと日本酒「万千代」販売

 石田三成と井伊直政にちなんだ「三成しょうゆプリン」と日本酒「万千代」の販売が4月29日から彦根市内で始まった。
 飲食店の「近江や」(本町)と「餃子省」(後三条)が考案。三成しょうゆプリンは、以前にプリンの移動販売をしていた餃子省店主の岩崎誠さん(56)が、原町の原宮喜本店のしょう油「石田三成」をキャラメルの代わりに使って作った。観光客が手に持って歩きながら食べられるようにジュレ状にした。110㌘375円。近江やで販売している。
 日本酒の万千代は、醸造会社の多賀の酒「大老」のラベルを変える形で開発。昨年の大河ドラマ「おんな城主直虎」で直政役を務めた俳優の菅田将暉さんが、京町の千代神社を訪れたこともあり、商品名に直政の幼名を採用した。720㍉㌘で2484円。銀座町のワインセラーヤマガタヤで販売している。
 近江や店主の若林政宏さん(56)は「受け継がれてきた先人の思いと、今を生きる職人の技と夢が詰まった商品だと思います」と話している。

彦根城京橋口サイクルステーションオープン、二人乗りのタンデム自転車の貸し出しも

 彦根市本町の京橋口駐車場に自転車をレンタルする「彦根城京橋口サイクルステーション」が4月28日にオープン。4月から二人乗りのタンデム自転車の走行が県内の一般公道で可能になったため、同ステーションでも貸し出しを始めた。
 1市4町の湖東定住自立圏の観光客向けのレンタサイクル「めぐりんこ」を促進するため、市は平成24年4月の彦根駅前を皮切りにサービスを展開。その後、犬上、愛荘の各市町と協力し、貸し出し拠点を広めてきた。
 京橋口駐車場では、休憩所の一部分を貸し出しスペースに改装。昨年9月30日から10月27日まで貸し出し実験を行い、好評だったことから「めぐりんこ」の10カ所目としてオープン。
 この日はひこにゃんが登場し、タンデム自転車の隣に立ってPRしていた。タンデム自転車1台のほか、電動アシスト車5台、クロスバイク10台ほどを用意する。タンデム自転車以外の自転車は2日以上のレンタルができる。営業時間は午前10時~午後6時。水曜定休。オープンを記念し自転車をレンタルした先着100人にオリジナルキーホルダーを進呈。

2018年5月14日月曜日

小菅葉子さんそめ花展 滋賀県護国神社で

 彦根市野田山町の小菅葉子さん(65)のそめ花展が8日から、滋賀県護国神社(尾末町)で開かれている。
 そめ花は、木綿などの白い布を花びらや葉の形に切り、染料で染めてワイヤーを付けて裏貼りし、それぞれのパーツを組み立てて完成させる。
 小菅さんは生け花をしていたが、30年以上前にそめ花に出会い、現在では自宅や市内の公民館で教室を開いている。個展は4年前に彦根ビューホテルで開催して以来2回目で、護国神社ではチューリップやバラ、ボタン、ふきのとう、わらびなどのそめ花100点以上を展示している。
 小菅さんは「そめ花は本物の花とは違い、アート的な要素がありおもしろい。咲き誇った美しいそめ花の世界を見てほしい」と来場を呼びかけている。入場無料。開館は21日までの午前10時~午後5時。小菅さんも在廊している。

2018年5月11日金曜日

河瀬駅前交番警官殺害事件、滋賀県警と彦根市の認識にずれ 容疑者確保の情報伝達で

 先月の河瀬駅前交番で警官が殺害された事件で、容疑者の身柄確保の伝達が遅れたとして大久保貴市長が連絡体制の改善を求めたことに、県警は2日、「市への報告は行っていた」と反論する見解を発表。意見の相違に対して、市は滋賀彦根新聞の取材に彦根署から連絡があったことを認めた上で、今後の情報提供の仕方について県警と話し合う考えを示した。
 事件は4月11日午後7月47分頃に発生。市によると、同10時35分に彦根署から市へ「学校関係の出校停止をお願いするかもしれない」との電話があった。その後、市は市民向けにメール配信する原稿の送付を彦根署に依頼し、同11時25分に彦根署からファクスが届き、10分後に市民向けにメール配信。市のホームページにも事件の報告文をアップした。
 翌12日午前1時48分にNHKが犯人の身柄が確保されたと報じたが、市の先月25日の定例会見では、彦根署や県警に情報提供するように依頼したが、「連絡がなかった」としていた。
 市長は午前0時20分に退庁し、彦根署に立ち寄った後の同5時40分に再登庁。同5時42分に逮捕の報道が流れたが、市が県警に確認したところ「身柄は確保したが、逮捕の報告は受けていない」との回答だったといい、市が文章を作成して同5時53分に身柄が確保されたとする2回目のメールを配信した。県警から身柄を確保したとする情報を得るまで約4時間の空白があった点に、市長は先月の会見で「誠に遺憾。緊急時に警察と連絡できる態勢の整備などを県警本部長に改善を申し入れたい」と発言していた。
 一方で県警によると、市から彦根署に12日午前1時51分と同2時20分に問い合わせがあり、当直の署員が「身柄は確保したが、逮捕には至っていないので注意喚起の態勢解除はできない」と回答。同2時52分にも当直の署員が同様の内容を市に伝えたという。
 県警側との相違について、市の担当者は12日午前1時51分やそれ以降に彦根署から身柄確保の情報があったと、市長の発言内容を一部修正。「市長にも再登庁時に彦根署から報告があった旨を伝えたが、混乱されていたのだろう」と釈明した上で「今回の事件のように広域になった時でも情報提供してもらえるよう、県警には申し入れというか、要望、お願いをしていきたい」と話していた。
※(解説)=容疑者確保の情報が県警から約4時間なかったとした先月25日の市長会見に対し、県警は3回連絡したと反論。市も彦根署から連絡を受けていたことを認め、市長発言を修正した。
 市長会見の翌日の新聞紙面は「県警へ態勢改善の申し入れ」など、まるで市長の「功績」かのような報じ方だったが、その「功績」は真実でなかったことが判明。新聞報道を見た県警の職員からは疑問の声もあがったという。
 ここで不思議なのが、県警が容疑者確保の情報を市に伝えたと言っているにもかかわらず、なぜ市は当初あいまいな発表をしたのかだ。
 市役所本庁舎の耐震化を巡る裏合意の問題といい、今回もまた、市長と市職員との意思疎通がうまくいっていない憂慮すべき事案である。  (山田)

2018年5月7日月曜日

滋賀県内の市町別と15歳未満の人口、2045年の推計値を集計

 滋賀彦根新聞は国立社会保障・人口問題研究所(社人研)がさきごろ公表したデータなどを参考に、今年4月1日時点の滋賀県内の市町別と15歳未満の人口、2045年の推計値を集計。彦根市は人口11万3468人から5・7%減の10万7057人に、犬上3町はいずれも二桁台の減少率だった。15歳未満の子どもの人数も軒並み減少していくことがわかった。
 同研究所によると、滋賀県全体の人口は141万0014人から2045年には10・4%減の126万2924人になると推計。草津、守山、栗東、愛荘の3市1町のみで増加するものの、彦根や犬上など10市5町で減少する。そのうち甲良町は6686人から39・8%減の4028人に、多賀町は7230人から36・0%減の4625人と、県下でワースト1、2の減少率となるという。甲良町では不妊治療にかかる費用や小中学校の給食費の助成などで人口の維持を図る考え。
 今年4月1日時点と2045年の15歳未満の子どもの数は、滋賀県内が19万7715人から20・0%減の15万8223人になると予想。そのうち彦根市は1万5638人から17・4%減の1万2923人になると推計しており、また社人研によると、市の出生率は2015年の1・53から5年後に1・50となり、35年以降は1・48で推移するとしている。
 この出生数の減少に対し、市は平成28年3月に策定した「市まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、結婚・出産・子育ての方面で経済的・身体的・精神的負担などを緩和して出生率の向上を図ると明記。目標の出生率として、2020年に1・69、35年に1・91、55年に2・13にすると掲げている。

彦根市民体育センターの解体反対へ獅山向洋市議らが住民投票条例の制定を求める署名活動

 滋賀国体の主会場整備に伴って7月から解体される彦根市民体育センターの解体反対に向けて、獅山向洋市議らが住民投票条例の制定を求める署名活動を4月26日から始めた。
 滋賀県は県立彦根総合運動場周辺を整備するのに合わせて、彦根市民体育センターの解体を決定しており、約4億円を予算化。解体に伴って、市はひこね燦ぱれすを解体し、南彦根駅前に約64億円をかけて新しい市民体育センターを建設して平成34年度中にオープンする予定。国体に合わせて金亀公園も約24億円をかけて再整備する。
 住民投票条例の制定を請求したのは獅山市議のほか、辻真理子、山内善男、山田多津子、奥野嘉己、北川元気の各市議で、政治団体「彦根市民体育センターを守る会」を立ち上げた。
 請求理由について、6人は同日の会見で、▽市の財政調整基金が平成27年度末の50億円から今年度末に2億円になる見込み▽巨費を投じて市民体育センターを新築し、国体の協力と称して金亀公園を整備する―ことなどをあげている。
 会見で代表の獅山市議は「2週間の滋賀国体のために彦根市民体育センターと燦ぱれすを失い、何十億円もの税金を無駄に浪費しようとしている。解体に反対し、再開の意思を表明するために署名活動を始めた」と話していた。
 条例制定に必要な署名人は有権者総数の50分の1以上となっている。市の3月1日時点の有権者数は9万1496人のため、1800人以上が必要。規定の署名人数が集まれば、大久保貴市長に条例制定を求めることができる。「守る会」は1万人を目標にしている。事務局を銀座町に設けた。問い合わせは北川市議☎080(1415)3821。

2018年5月2日水曜日

矢的竜さん 三成最後の賭け 発刊

 彦根市古沢町の作家・矢的(やまと)竜さん(70)=本名・山本利雄さん=が、戦国武将の石田三成の生き様を描いた本「三成最後の賭け」を発刊した。
 矢的さんは京都府京丹波町出身。滋賀大学経済学部を昭和45年に卒業し、民間会社や江戸川区役所などの勤務を経て、平成13年に退職した後、文筆活動に入り、中近世文学大賞優秀賞、九州さが大衆文学賞佳作などを受賞。平成23年に小説「折り紙大名」で作家デビュー。平成24年5月に彦根市に移住した。
 7作目となる今回の作品は、関ヶ原の合戦後、山中に身を隠すなどあまり良く描かれていない三成のイメージを払しょくしようと、従来の説とは違った見方で約1年間かけて書き上げた。
 本では、豊臣秀吉の良き家臣になりたいと願う三成が、気の合う小西行長と共に朝鮮と明への侵攻(唐入り)の阻止に向けて奔走。秀吉が唐入りに固執する背景には徳川家康への苦手意識のほか、外征による疲弊で豊臣政権の瓦解を狙う謀略があるという家康黒幕説に基づいて論じている。
 三成らの努力が報われず、朝鮮への侵攻(文禄の役)が始まったが、朝鮮王朝の平和ボケや堕落ぶりも表面化。2度目の慶長の役後、秀吉が亡くなったことから、三成は兵を撤収。その後、家康率いる東軍との戦いに敗れ、戦場を離脱して身を隠した。武士らしく切腹しなかった理由として、本では「家康というずる賢い男が、太閤の地位と財産を盗み取るために朝鮮の民を大量殺戮に追い込んだ」とし、家康黒幕説を後世に伝えるために身を隠したと展開している。
 矢的さんは「おごりともうろくから誤った命令をする上司にどのように対応するべきか、また絶対権力者がいる無法国家の侵攻を防ぐ方法は何か。いずれも現代に通じる問題であり、この本を通して何かヒントになれば」と話している。
 出版は新潮社。1冊1836円。252ページ。全国の主な書店で販売している。

2018年5月1日火曜日

出生数の増へ彦根市が結婚を機に移住する夫婦に引っ越し費用を補助

 子どもの出生数の増加を目的に、彦根市は結婚を機に市へ移住する夫婦を対象に、引っ越し費用を補助する制度を今年度から開始。5月から募集を始める。
 市企画課によると、市の人口は今年4月1日時点で11万2537人だが、2040年には10万2943人に減少すると予想。市の出生数は2020年に1・50、35年以降に1・48と推移すると予測されており、市は35年までに1・94、55年に2・13を目標に総合戦略を立てて進めている。
 新たに設けた制度の対象者は、夫婦ともに婚姻日に34歳以下、世帯所得が340万円以下の新婚世帯、犬上郡・愛荘・米原・長浜を除く自治体からの移住者、過去1年間に彦根または前記の市町に居住していない、就学や転勤など一時的な居住でないなどの条件がある。
 補助の対象経費は、住宅を取得する場合が引っ越し費用、賃貸の場合が引っ越し費用や敷金、礼金、仲介手数料。補助限度額は1世帯あたり30万円。市企画課は「少子化対策の一環として、結婚を機に彦根に住んでもらうために補助制度を設けた。出生数の増につながれば」としている。問い合わせは企画課☎(30)6101。

彦根翔西館高校に滋賀県内で唯一のなぎなた部が結成

 彦根翔西館高校(芹川町)に滋賀県内で唯一のなぎなた部が結成。2、3年生7人が4月から活動している。
 彦根市なぎなた連盟は6年後の滋賀国体で、なぎなたの競技会場が彦根市内となるため、その普及と競技力強化を目的に部活動の設置を以前から希望していた。同連盟に所属する高校教員の若林良さん(26)=東近江市=が2年前に翔西館高に赴任し、小学5年生からなぎなたを習っている北村みのりさん(16)=大藪町=が入学したこともあり、昨年4月に翔西館高内になぎなた同好会を設立。今年4月に同好会から部に昇格し、北村さんが主将を務めている。
 部員は2年生6人、3年生1人。若林さんが顧問、同連盟の北村由美子さん(44)=大藪町=が外部指導員となって、火曜から金曜に翔西館高の武道場隣の屋外スペースや旧彦根西高の武道場で練習し、土曜日に中央中学校で彦根市なぎなた連盟と合同練習をしている。
 県内では唯一の部だが、近畿や全国では他校に及ばないことから、主将の北村さんは「まだまだ練習量が少ない。体力の向上のほか、試合の数の少なさも課題。部になったのだから、結果を残したい」と意気込みを語った。8月には近畿大会があるため、2年生の大野藍里さん(16)=安土町=は「何とか全国大会に出場できるよう、練習に励みたい」と話していた。