2018年3月17日土曜日

江戸時代に彦根藩下の高宮宿で流通していた「極めて貴重」な高宮布の産着、愛荘町の近江上布伝統産業会館で公開へ

 江戸時代に彦根藩下の高宮宿で流通していた「高宮布」が、愛荘町の近江上布伝統産業会館一帯で17、18日にあるイベントで公開される。同会館が2月28日に発表した。彦根の歴史民俗に詳しい市教委の小林隆さんは「高宮布を使った服が残っていることを初めて知った。極めて貴重だ」と話している。
 高宮布は江戸時代、越後緬、奈良晒、薩摩上布と並び近世4大麻布の一つで、唯一、大麻(おおあさ)を原料にし、現在の愛荘町や東近江市などで生産され、高宮宿で販売されていた。近江上布は室町時代から作られており、小林さんによると、当時から高宮布と呼ばれ、その後、近江上布と名称が変わったという。
 展示されるのは、近世麻布研究所(東京都)の吉田真一郎所長(70)が所有する江戸時代後期の高宮布の産着。井伊家とみられる印も押されており、吉田所長によると印がある高宮布の衣服を約40着所有しているという。今回は産着を含め数点を展示する。
 また同会館を運営する滋賀県麻織物工業協同組合は、近江上布の一種の生平(きびら)を生産しており、新たな生産者の織人(おりびと)を育てている。織人の中から高宮布の復元とそれを使った織物を作りたいとの声があがったことから、伝統工芸士の南和美さん(61)と立石文代さん(69)ら9人が昨年10月から製作。
 栃木産の大麻を原料に使用し、南さんが布から不純物を除去するための晒(さら)しを、立石さんが織りを担当した。吉田所長の高宮布の産着を参考に、江戸時代と同じ製法を採用。わら灰と貝灰など自然素材が入った灰汁(あく)に布を入れて干す工程を3回×17日間繰り返す「晒仕上げ」という技法で、約5カ月かけて縦85㌢×横75㌢の産着を完成させた。
 17、18日のイベントでは吉田所長所有の高宮布の産着、伝統工芸士らによる復元品のほか、同組合が昨年度からブランド展開している苧麻(ちょま)と呼ばれる糸を使った生地「Aishoasaco(アイショウアサコ)」と、今年度デビューした麻世妙(まよたえ)という糸で仕上げた「Aishoasamalu(アイショウアサマル)の新作も展示する。ほかに飲食や雑貨など2日間で計19店が出店するマルシェ、ミニバッグ作り、手ぬぐいの草木染め、機織り体験、吉田さん講演会(18日午後1時半)なども。入館無料。午前10時~午後5時。問い合わせは同会館☎(42)3246。

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