2017年8月4日金曜日

大津祭の曳山「源氏山」のミニチュア彦根仏壇の七職の技術を用いて3年かけて完成

 彦根仏壇事業協同組合は21日、大津祭の曳山「源氏山」のミニチュアを製作すると発表。彦根仏壇の七職の技術を用いて3年かけて完成させる予定だ。
 仏壇の需要が減少している中、同組合では仏壇の技術を生かした異業種での取り組みを模索しており、今年5月からは甲冑作りを開始した。並行する形で2年前から長浜や大津など県内や岐阜県高山市などで山車(だし)や曳山の修理について調査していたところ、曳山などのミニチュアの需要があることに着目。そのうち大津祭の曳山でデータ化した図面が残っていた源氏山のミニチュアを試作することになった。
 源氏山は別名、紫式部山とも言われ、紫式部や石山寺にちなんだ装飾となっている。享保3年(1718)に制作され、石山寺で源氏物語が書かれたという故事が曳山の由来。上層部は近江八景を精巧な彫刻で仕上げており、唐破風の下には波に踊る龍が刻まれている。天井には四季草花図と呼ばれる図が写生風に描かれており、その後方の銘に元治元年(1864)作と書かれていることから、江戸末期に修理されていることがわかる。
 同組合が製作するミニチュアは高さ約145㌢×幅約73㌢×長さ約132㌢で、実物の4分の1の大きさ。経費は3年間で約1000万円を見込んでおり、経産省の伝統的工芸品産業支援補助金を活用する。補助金以外の自己資金分の支援をインターネット上で募るクラウドファンディングを今月12日から実施しているほか、彦根や大津の滋賀銀行の各支店などにチラシを置いて支援を呼びかけている。
 今年度はクラウドファンディングが終了する9月10日以降に木地と宮殿部分を始め、来年3月に木地のみの試作品を公開。来年度は漆塗りと彫刻、錺(かざり)金具、平成31年度は漆塗り、錺金具、金箔押し、彩色(蒔絵)、組み立てを行い完成させる予定。
 同組合の宮川孝昭理事長(72)は「彦根仏壇業界は転機を迎えており、曳山のミニチュア作りは彦根仏壇の新しい一つの大きなチャンス。彦根仏壇の存亡に関わるほか、後継者の育成にもつながると思います」と話している。
クラウドファンディング
 彦根仏壇事業協同組合は5000円から10万円までのコースでクラウドファンディングを実施。支援者にはオリジナルキーホルダー、大津祭まち歩きツアー、工芸体験、文庫箱、飾り皿など金額に応じた限定品を進呈する。問い合わせは「FAAVO滋賀」のホームページ内か同組合☎(24)4022。

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