2017年12月16日土曜日

築城410年祭から何を得たか

 ある市外の住民「彦根はさまざまなイベントを企画して素晴らしい。我がまちも見習うべきだ」。ある彦根市民「彦根城築城410年祭と同様のイベントを近隣他市が催していたとしても、どれほどの市民が訪れたであろうか」
 ◆小生が耳にした市外住民の声は「隣の芝生が青く見える」とのことわざ通りの感想である。一方の市民の意見は大多数の市民が抱いている率直な思いであろう。小生はいずれも誤りではないと確信しており、築城410年祭推進委員会の小出英樹会長も閉幕式のあいさつで「結果としてできたことと、できなかったことがたくさんあった」と話していた
 ◆「できたこと」とは近年では最多の来場者だった航空自衛隊のブルーインパルスの飛行であり、「できなかったこと」とは(あえてその名を上げないが)斬新過ぎるイベント等を指すのであろう。とどのつまり、「できたこと」と「できなかったこと」の差異は観光客が訪れた点よりも、いかに彦根市民や近隣市町の住民がイベント会場に足を運んだかである
 ◆イベントを企画する際、「市民参加型」を勧める意見が頻繁に聞かれるが、小生は築城410年祭を含めたこれまでのイベントから、ここでいう市民参加型とは、市民が企画に携わるという視点よりも、市民がいかに客として会場に足を運ぶかを重視するべきだと考える。彦根の市民性という観点からも後者の視点に重きを置くのが賢明だ
 ◆小出会長は閉幕式で「築城410年祭で彦根全体にノウハウが身についた」とも語っていたが、その「ノウハウ」を生かすためには、彦根という独特の市民性や、まちの風情に合わしながら、という条件付きが必要になる。【山田貴之】

ひこにゃんと市章をあしらった2種類のマンホールカード作成

 彦根市は、ひこにゃんと市章をあしらった2種類の「マンホールカード」を作成。9日から四番町ダイニングなどで無料配布する。
 マンホールカードは下水道の価値を伝えるため、国や地方公共団体、民間企業などで組織された団体「下水道広報プラットホーム」(GKP)が考案。平成28年4月1日に28自治体で30種類の発行を始めた。全国的にマンホールカードを集めるファンがおり、6弾目となる今回は土日の配布が可能な彦根を含む64自治体が66種類を作成。これにより計252自治体の293種類となる。
 彦根のマンホールカードは、市の花のハナショウブを背景に飛び跳ねるひこにゃんと、回りに橘の花を配した中に市章を金亀の形にあしらった2種類。いずれも実際に市内で使っているマンホールの縮小版(縦8・8㌢×横6・3㌢)で、裏面にはデザインの由来や印刷されている花の説明がされており、QRカードを読み取るとひこにゃんファンクラブや彦根市のサイトにつながる。
 2000枚ずつ作成したが、なくなり次第増刷予定。配布日時はひこにゃんバージョンが四番町ダイニングで午前10時~午後6時、市章のが市下水道建設課か土日のみアルプラザ彦根仮庁舎の宿直室。1人1枚。配布時にアンケートも。

2017年12月14日木曜日

彦根城天守の修復に貢献 新成人のつどい実行委員会メンバーが募金活動

 台風21号の影響で外壁がはがれ落ちた彦根城天守の修復に貢献しようと、来年の「新成人のつどい」の実行委員会メンバーが10日、彦根城博物館前で募金活動をした。
 実行委は新成人として社会に貢献する活動をしようと企画。この日は、実行委員7人のうち男性3人が井伊の赤備えの甲冑姿、女性4人が井伊直虎の衣装を身に着けて、募金箱を手に約3時間、博物館前や表門橋前で観光客らに支援を呼び掛けた。ひこにゃんも博物館前で一緒に募金を手伝い、この日だけで6万8031円集まった。
 実行委員長の山田美和さん(20)=中藪2丁目=は「彦根城は彦根市民の誇り。私たちでできることは何かを考え、修復につながればと思い募金活動を企画しました」と話していた。
 募金箱は来年1月5日までに市教委などの窓口に設置されている。

2017年12月12日火曜日

奉仕活動をするインターアクトクラブ彦根総合高校で結成

 地域での奉仕活動をする「インターアクトクラブ」(IAC)が彦根総合高校の生徒たちで結成。彦根南ロータリークラブ(RC)の呼びかけで実現し、2日に同校で創立総会が開かれた。
 IACは12歳から18歳までの青少年の奉仕団体で、地域に役立つボランティアや海外研修など国際理解の活動をする。全世界では2万2252団体あり、滋賀県内では光泉中・高校と近江八幡のヴォーリズ学園の2団体ある。
 彦根総合高IACは1、2年生37人で結成し、芹川など地域の清掃活動や発展途上国での海外研修などをしていく。彦根南RCのメンバーは指導にあたる。
 創立総会には彦根総合高IACのメンバーや教員、彦根南RCの会員ら計約120人が出席。彦根南RCの高木淳一会長が「同世代と交流を深め、楽しく活動しながら地域に役立つボランティアに参加し、世界についても学んで頂きます」とあいさつ。彦根総合高IACの初代会長で2年生の藤田さらさん(17)と高木会長らが結成書類に調印し、バッジや旗、備品が贈られた。
 彦根総合高を運営する松風学園の松本隆理事長は「私も彦根南RCのメンバーだが、メンバーとのつながりがあるからこそこの学校がある。彦根南RCの最後の仕事として一生懸命務めたい」と述べ、橋本修校長は「生徒たちには他人の役に立つことに喜びを感じ、真の生きがいを発見してほしい。IACの活動から自分の可能性を広げることもできるだろう」とあいさつした。
 彦根総合高IAC会長の藤田さんは「自分の人間形成に役立つと思って結成した。奉仕の精神を持って、色んな社会貢献の活動をしたい」と抱負を語った。

2017年12月8日金曜日

歳末特別警戒パトロールの出動式 彦根出身のJリーガー・岩崎悠人選手=京都サンガFC=が一日警察署長

 歳末特別警戒パトロールの出動式が1日、彦根署の駐車場であり、彦根出身のJリーガー・岩崎悠人選手(19)=京都サンガFC=が一日警察署長として参加した。
 県警は年末年始に金融機関やコンビニなどを狙った強盗事件、飲酒による暴力や交通事故が多発することを懸念し、毎年、12月1日から警察活動を強化している。
 彦根署での出動式には署員や彦根・犬上の首長ら約50人が参加。熊谷浩一署長が「犯罪と交通事故の抑止に向けて総力を結集して警戒にあたりたい。市民の皆さんが笑顔で新年を迎えられるように努めたい」と訓示。来賓を代表し大久保貴市長は「共々に健やかな新年を迎えることができるよう、歳末警戒の任務が遂行されることを心から祈念している」とあいさつした。
 「一日警察署長」のタスキをかけた岩崎選手は「体調に気をつけながらパトロールしてください」と激励。熊谷署長や大久保市長らと一緒に署員の服装や車両の点検をし、彦根署長にサッカーボールをキックして渡した後、出動していく車両を見送った。

彦根バッティングセンター今月30日に閉店

 彦根バッティングセンター(地蔵町)=写真=が今月30日に閉店することがわかった。市内唯一で、室内練習やフットサルができるトレーニングフィールドもあっただけに利用者からは残念がる声があがっている。
 同センターは平成22年9月に彦根相互トラックが隣接する約3300平方㍍の敷地を整備してオープン。球速が異なる軟式6打席、硬式2打席のコーナーがあるほか、奥の人工芝のフットサルコートでは野球の室内練習場としても利用されている。
 ただ同社によると、利用客は平日の夜か土日・祝日が大半で、平日の昼間の利用が少なかったという。佐竹穂(みのる)代表取締役会長(70)は「経営上、採算が合わない事業は撤退して、新しい取り組みをせざるを得ない」と話していた。閉店後は自動車の整備工場になる予定。
 同センターは彦根東高校野球部も練習場として活用しており、同部の松林基之部長は「部員が使っているバッティングセンターが無くなるのは残念だが、仕方ない。代わりをどこにするかはまだ決めていない」と話していた。
 同センターでは閉鎖する前日の29日午後1時~彦根バッティングセンター杯フットボール大会を開催。8チームを募集している。参加費は1チーム8000円。問い合わせは同センター☎(26)7595。

2017年12月5日火曜日

彦根市の情報を手軽に入手できるアプリ・ひこまち作成

 彦根市はスマートフォンなどで市の情報を手軽に入手できるためのアプリ「ひこまち」を作成し、1日からリリースを開始した。県内では初の試みだという。
 アプリには「ごみ」「防災」「防犯」「子育て」「観光」「広報ひこね」などの項目があり、アップストアやグーグルプレイから無料でダウンロードできる。
 「ごみ」の場合、住んでいる地域を登録すると、約500種類のごみの分別がわかる辞典の閲覧や各種ごみの収集日の確認ができるほか、ごみ出しの日に通知を受け取ることができる。「観光」では市内で開催されるイベント情報が把握でき、「子育て」では母親同士が交流できるイベント・場所などを掲示する。
 「防災」に関してはハザードマップなどに限られており、Jアラートや地震・台風などの情報サイトとの連動はされていないが、市の担当者は「今後は防災面を中心に担当課と調整しながら、機能の拡充を図りたい」としている。アプリの構築費は38万8800円。

2017年12月2日土曜日

井伊直政はなぜ徳川筆頭家臣になれたのか 歴史研究家の野田浩子さん本に

 彦根藩初代藩主の井伊直政はなぜ、徳川家康の筆頭家臣にまで上り詰めることができたのか―。彦根城博物館の学芸員として22年間、直政をはじめ井伊家を研究してきた歴史研究家の野田浩子さん(47)=佐和町=がこのほど、直政の生涯をまとめた本「井伊直政 家康筆頭家臣への軌跡」を発刊。記者発表では小説などで創作された人物像ではない、真の直政像について学術的な視点から解説した。
 直政は15歳で家康に仕えたが、背景には養母の井伊直虎や浜松・龍潭寺の南渓和尚らが出仕させようと考え、家康が鷹狩りに出た際に直政に声をかけて家臣にしたとされている。その説に対し、野田さんは江戸時代前期に大名らが幕府に提出した古文書をまとめた「譜牒(ふちょう)余録」から、近藤康用ら井伊谷三人衆や小野但馬など7人が井伊家の政務を担っていたという記述を新たに確認。彦根城博物館所蔵の「侍中(さむらいじゅう)由緒帳」なども参考に、井伊家の重臣たちが下準備をして直政を家康に出仕させ、出仕以降も直政を支えたことがわかったという。
 また直政は「井伊の赤備え」で知られるように、軍事面での活躍により徳川四天王に上り詰めたとされる。これに対し、野田さんは直政が家康に評価された点として▽井伊家は西遠江の領主で、元々は徳川家よりも名門で、直政はその当主という立場で徳川家に入った▽北条氏との和議交渉の使者を務めたほか、人質だった大政所(豊臣秀吉の母)を警護して気に入られた―という「家柄と交渉能力」を提示。この2点を踏まえて、「家康は直政を徳川家を代表する『外交官』にし、大名との親密な関係を築かせて、後の関ヶ原合戦での勝利に導いた」と説明した。
 本は、幼少期から家康への出仕・家康直轄軍の井伊隊の創出までの「戦国武将への飛躍」、大政所の警護・北条を屈服させた小田原の陣・箕輪城主の「豊臣政権下での直政」、秀吉没後の危うい政局・家康の名代を務めた関ヶ原合戦・戦後処理・佐和山城主の「八面六臂の活躍をみせた関ヶ原合戦」の3部で構成。
 野田さんは「これまでは小説や逸話で創作の世界に基づいて語られることが多かったが、確実な史料に基づいて、なぜ徳川家の筆頭家老になったのかなど、直政像についてこの本で答えを出せたと思う」と話していた。
 本は戎光祥出版(東京都千代田区)の中世武士選書第39巻として刊行。1冊2700円。234ページ。
 ※【野田浩子】京都市出身。平成7年、立命館大学大学院文学研究科博士課程前期修了後、彦根城博物館学芸員となり、今年3月まで務めた。現在はフリーの歴史研究家として彦根の歴史を研究しており、執筆や講演活動をしている。

2017年11月28日火曜日

彦根市社協がフードバンクひこね設立

 彦根市社協は、流通できなくなった食材を回収して生活困窮者などの支援団体に寄付する組織「フードバンクひこね」を設立。食材を保管するスペースを設けた彦根市総合地方卸売市場(安食中町)で23日にキックオフイベントを行った。
 食材が廃棄される「食品ロス」の削減や、市内の「子ども食堂」の実施団体などからの設立を求める声に応える形でフードバンクを結成。農家や小売業者、卸売業者などから規格外や印字ミスで流通できなくなった米や日持ちのする野菜、賞味期限1カ月以上の加工食品を、子ども食堂や高齢者サロン、生活困窮者への支援活動などを実施している団体・個人に提供する。
 市社協は市総合地方卸売市場内に約20平方㍍の特設スペースを設けており、農家などから回収した食材を保管。市外の周辺市町からの回収も受け付ける。
 市社協地域福祉課の森恵生課長(39)は「子ども食堂をはじめ支援の輪は確実に広がっている一方、生活困窮者もたくさんいる。『困った時は、おたがいさん』を合い言葉にした地域をつくっていきたい」と話している。
 市社協は食材を提供できる農家などのほか、回収や運搬、管理などのボランティアも募集。問い合わせは市社協☎(22)2821。

2017年11月24日金曜日

「国宝五城案」も並行協議を

 西村教授の講演は彦根城の世界遺産登録を進める上で、「国宝五城案」を再び俎上(そじょう)に載せる転換点にもなり得る極めて画期的な内容であった◆西村教授の講演後の質疑応答で、現市政で世界遺産を担当する山根裕子副市長は国宝五城案などシリアルノミネーションに対して慎重な意見を述べていた。しかし西村教授は日本イコモス国内委員会委員長を務め、ICOMOS副会長を歴任した世界遺産の第一人者である。そのような権威のある方の提案を差し置くことができようか◆元々、国宝案は獅山向洋市議の市長時代に持ち上がり、「彦根城と城下町」と並行して議論されてきたが、大久保貴市長(山根副市長就任)以降、国宝案は無くなったという経緯がある◆しかし今回、西村教授は「国主導による国宝五城案」を提案し、更に講演の中で「文化庁は申請があれば考えるとの意向を示している」という趣旨の発言もしていた◆彦根城が世界遺産の暫定リストに記載された平成4年以降、遅々と進まぬ今般。そして世界遺産登録への数々のハードル。現行の「彦根城と関連の歴史建造物」で遅々と進まぬ中で、西村教授は一石を投じたと言え、再び「国宝五城案」を加えて並行して協議を進めてもよかろう。(山田貴之)

イコモス国内委員会委員長の西村幸夫・東京大学大学院教授が彦根商工会議所で講演

 世界遺産登録の審査などをしているICOMOSU(イコモス)の国内委員会委員長を務める西村幸夫・東京大学大学院教授が13日夜、「世界遺産登録の傾向と対策」をテーマに彦根商工会議所で講演。彦根城の世界遺産登録について、国(文化庁)主導による国宝五城での登録を勧めた。
 世界遺産の新しい傾向として、西村教授は▽審査の厳格化▽政治化▽都市開発とのせめぎ合い▽シリアルノミネーション(複数群での登録)の増大▽文化の多様性への傾斜―などを紹介。インドで1999年に世界遺産になった「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」が6年後以降にほかの鉄道と一緒に「インドの山岳鉄道群」として登録された事例を取り上げた。
 彦根城の世界遺産登録に向けては「天守、城郭、城下町のどこまでを対象にするか」「単体かシリアルノミネーションか」「比較研究をどのように進めるか」「姫路城との関係をどうとらえるか」などの課題を列挙。日本の城(天守)の特徴として「軍事施設で大規模な木造建築だった」と説明した上で「日本の城の特徴は世界にはなく、文化の多様性の面から考えると日本型はユニーク」「日本の城は大砲が撃ち込まれたら一発で終わり。大砲が普及する頃に平和になり、大規模な木造建築は戦争がなかったことの証明にもなり、世界的に見ておもしろい」と述べた。
 さらに、西村教授はすでに世界遺産に登録されている姫路城に「国が主体となって鈴を付けては」との表現を使いながら「国益を考えれば国宝五城が良い」と提案。「姫路城と、すでに準備が整っている彦根城を軸に、証明できる仲間を入れれば良い」と語った。
 世界遺産登録を審査する組織の国内トップが国宝五城案を提案したことで、今後は獅山向洋市政時代に上がっていた同案が再浮上する可能性がある。西村教授の講演は彦根商議所による彦根ヒストリア講座の第6講として開講され、市民約50人が受講した。

2017年11月22日水曜日

昭和5年時の平塚分四郎・彦根町長や彦根高等商業学校の矢野貫城校長らの座談会記事紹介、「寄付多く彦根へ誘致」の記述も

 昭和5年(1930)時の平塚分四郎・彦根町長や、滋賀大学の前身・彦根高等商業学校の矢野貫城(つらき)校長らの座談会の様子などをまとめた当時の新聞記事の展示が、滋賀大学総合研究棟で始まった。
 滋賀大大学院経済学研究科3年の今井綾乃さん(29)=愛知県一宮市=が、昭和3年(1928)から同12年の大阪朝日新聞と大阪毎日新聞の彦根高商に関する記事を取り上げながら、彦根高商の歴史について研究。その記事を年代ごとに3期に分けて紹介しており、8月1日~10月27日には昭和4年12月までの記事を展示した。
 2期目は昭和8年までの記事のうち彦根高商に関する「お金」に焦点を絞った記事6点などを展示。そのうち昭和5年6月26日付けの大阪毎日新聞滋賀版の平塚町長と矢野校長らによる「彦根町 発展座談会」の記事では、百貨店が彦根に進出していることに対し、平塚町長が「土地の資本家が集まって進出してくる百貨店に対抗することが理屈にかなっている」と述べたり、矢野校長が「彦根は自然的に美しい城と湖を持ち町の風紀が非常によい所ですから、(中略)教育都市として最適当」と語ったりしている。
 また「座談会」記事には、彦根高商を設立する際、大津と競争したものの、多くの寄付があったため彦根に建てられた経緯がわかる内容も紹介。実際に昭和8年11月1日付けの大阪毎日新聞には、彦根高商を彦根に誘致するために寄付をした安居喜八や石橋彦三郎、伊藤忠兵衛ら当時の有力者の名前が記されている。展示コーナーでは有力者以外に寄付をした彦根の住民たちの氏名が掲載された近江実業新報(彦根市立図書館蔵)のコピーや彦根高商の刊行物も掲示している。
 ほかの記事では彦根高商が学生の学資を援助したり、就職先を確保したりしていた様子も紹介しており、昭和初期の深刻な経済状況が彦根にも及んでいることがわかる。2期目の開館は来年1月26日までの平日午前9時~午後5時。今井さんのギャラリートークが22日、12月6日、20日、来年1月20日、24日の午後0時10分~ある。入場無料。

2017年11月21日火曜日

村山たかの行灯完成披露で、井伊直弼や長野主膳、村山たか扮した市民たち袋町練り歩く

 彦根市の袋町で11日夜、彦根藩十三代当主・井伊直弼や側近の長野主膳、村山たからに扮した市民たちが、店舗を練り歩くイベントが行われた。
 滋賀県社交飲食業生活衛生同業組合が安心で安全な飲食店の袋町をPRしようと、村山たかを描いた高さ33㌢×15㌢四方の行灯(あんどん)=写真=を製作し、袋町を中心にした組合加盟店56店に設置。
 行灯の完成とお披露目を記念し、俳優のいわすとおるさんが主膳役、歌手の堀絵依子さん=大藪町=がたか役、市民団体・ひこねを盛り上げ隊小江戸実感劇団代表の藤堂正一さんが直弼役を務め、ほかの団員9人も時代衣装を着て参加。
 一行は大安駐車場を午後9時に出発し、提灯(ちょうちん)を手に太鼓をたたきながら練り歩き、行灯が設置されている袋町内の12店を訪問。各店では堀さんが持ち歌の「たか女」を歌っていた。
 同組合は「観光客らに彦根の歴史を知ってもらい、また県下最大の歓楽街の袋町が安心、安全に利用頂けることも広めていきたい」としている。

2017年11月18日土曜日

彦根ロータリークラブが県立盲学校で希望の光110プロジェクト開催、パラリンピックに水泳競技で3大会連続出場している木村敬一選手が講演

 彦根ロータリークラブは10日、来年5月に創立110周年を迎える県立盲学校(彦根市西今町)で支援事業「希望の光110プロジェクト」を開催。盲学校小学部出身でパラリンピックに水泳競技で3大会連続出場している木村敬一選手(27)=栗東市出身=の講演会などを開いた。
 木村さんは「パラリンピックから学んだもの」をテーマに講演。幼少期から体を動かすのが好きで「6歳の時に補助輪を外して自転車が乗れたが、ぶつかったり、転んだりしてけがが多かったため、盲学校在学中の小学4年の時にプールの中なら安全との母親のすすめで水泳を習い始めた」と振り返った。
 盲学校から進学した筑波大学附属盲学校では、水泳部に所属して実力を伸ばし18歳以下の世界大会に出場。「その時にこのままでは外国人に勝てないと実感し、パラリンピック出場という目標を立てた」と述べた。高校3年の時に北京のパラリンピックに出場したが、「出場した時点で満足してしまい、パラリンピックでメダルを獲得したいと思うようになり、大学への進学を決めた」と説明。
 日本大学に進学し、2012年のロンドンパラリンピックでは100㍍平泳ぎで銀メダルを獲得したが、木村さんは「人間は欲深くて、世界一(金メダル)がほしいと思うようになった」と解説。東京ガスに入社後は1日5食にするなど肉体改造に努めたといい「ごはんを食べるのは苦しかったが、体はどんどん大きくなり、外国人に負けない体を作り上げることができた」と語った。
 昨年のリオデジャネイロのパラリンピックでは5種目に出場し、50㍍自由形と100㍍バタフライで銀メダルを獲得するなど活躍。振り返っての感想としては「金メダルを獲れなかったので悔しい気持ちがあるが、戦いきったことは大きな自信になった」「何かを時には思いっきりやることが大切で、それは自分を守ってくれる大きな自信に変わってくる。この自信をたてにしながらこれからの人生も歩んでいきたい」と、在校生たちにアドバイスした。
 講演後、木村さんは本紙などの取材に「県立盲学校での教育は視覚障害者として自立できるための内容であり、本当に良かった」と感謝していた。
 この日のイベントには盲学校の生徒、保護者、城南小6年生、彦根RC会員ら計約300人が参加。木村さんの講演後には、関西盲導犬協会への支援金贈呈、盲学校音楽部の演奏、井伊亮子さんら彦根エコーオーケストラによる三重奏、庭へのハナミズキの植樹があった。

2017年11月17日金曜日

井伊直政公顕彰式 彦根駅前広場の銅像前に石碑建立

 彦根藩初代藩主を称える「井伊直政公顕彰式」が3日、彦根駅前広場の銅像前であり、彦根商工会議所青年部が設立した石碑の除幕式も開かれた。
 青年部は昭和62年に創立5周年を記念し、直政の銅像を建立。以降、城まつりパレードの行事の一環として顕彰式を開いている。
 今年は創立35周年を記念し、「彦根藩初代藩主 井伊直政公之像」と書かれた高さ1・6㍍×36㌢四方の石碑を銅像横に建立した。
 式で青年部の嶋津幸一郎会長は「銅像建立から30年が経ったが、誰の像かわからない観光客もいるようだ。彦根の玄関口を訪れる多くの観光客に知ってもらうことができればと思い、石碑を設けました」と話した。彦根商工会議所の小出英樹会頭のあいさつ、彦根鉄砲隊の演武の後には、もちの振る舞いや彦根古城太鼓の演奏もあった。

2017年11月15日水曜日

永楽屋の若手職人3人の技 宝華展で披露へ、後継者不足支援の補助金活用

 彦根仏壇の職人の後継者不足を支援するため、彦根市は仏壇製造の就労者を雇っている事業者に補助金を交付する制度(※彦根仏壇職人等後継者育成事業補助金)を実施している。そのうち永楽屋には彦根工場(甲良町)でこの制度を活用した若手の職人3人が働いており、同工場で18日から開催する「秋の宝華展」で3人の技を公開する。
 永楽屋で勤務している若手職人は、金箔押しが担当の中川茉美(まみ)さん(19)=西今町、彫刻と修復を担う中路祥子さん(25)=西今町、金箔押しと組立の小林孝之さん(31)=南川瀬町。
 中川さんは佐和山小3年生の時に授業の中で金箔押しを体験しており「すごく難しくて、職人の方の技を見て興味を持った」と職人を目指した動機を説明。「職人によって技が違っており、正解はないとわかった。色んな職人のやり方を取り入れてやりやすい方法を見つけるのが大切。これからも技術を身につけていきたい」と語った。
 中路さんは京都伝統工芸大学校の3、4年生の時に、永楽屋彦根工場で行われた宝華展で彫刻の実演のアルバイトしたのを機に関心を持ち、卒業後に同社に入社。「自分の彫りの技をもっと磨いて、価値を認められるようになって、将来は彫り師として生計が立てられるようになりたい」と意気込みを話していた。
 小林さんは親戚が彦根仏壇の製造に就いていたこともあり、30歳の時に入社。組立などをしていく中で「仏壇の構造がどのようなものか、どのような技が使われているかがわかってきた。(製造の中で)失敗することはあるが、その失敗をどのように生かしていくかは自分の心持ち次第だと思っている」と話していた。
 宝華展では中川さんが金箔押し、中路さんが彫刻、小林さんが組立の各コーナーで実演を披露するほか、中路さんが学生時代に制作した鳳凰の作品も展示する。
 ※彦根仏壇職人等後継者育成事業補助金=彦根仏壇職人の育成を目指して彦根市が平成27年度から導入。おおむね40歳以下で就労1年以内の新規就業者を雇用している事業者に、人件費の半額(上限月10万円)を最大3年間補助する制度。現在、永楽屋を含め計4人が対象となっている。
 永楽屋は18日から彦根工場で秋の宝華展を開く。大型や和風の仏壇展示、七職や修復の実演、金箔押しや蒔絵などの体験コーナーも。午前9時~午後5時だが、最終20日のみ午後4時まで。問い合わせは彦根工場☎0120(23)1466。

高宮町が彦根市との合併60周年を迎え記念の式典

 高宮町が彦根市との合併60周年を迎えたため、記念の式典が4日、高宮地域文化センターで開かれ、地元住民ら72人が出席した。
 高宮町は昭和32年4月3日に彦根市と合併。また高宮村から高宮町になった大正元年から105周年、江戸時代に中山道の高宮に宿駅が設置された慶長7年(1602)から415周年を迎えた。
 高宮学区連合自治会では合併60周年と、高宮町制105周年、中山道高宮宿415周年を兼ねた記念式典を開催。式では同自治会の大橋和夫会長が「商店街の衰退や少子高齢化、家族形態の多様化など地域の課題は多くある。高宮の発展のために今後も支援と協力をお願いしたい」とあいさつ。
 同自治会名誉会長の中村善一郎元県議のあいさつ、高宮町に彦根工場があるブリヂストン・スクリーンホールディングス・マルホの3社への感謝状贈呈、特別功労者と功労者への表彰があった。
 来賓を代表し、大久保貴市長は「魅力あるまちづくりを期待しており、市としても地元の3人の議員と力を合わせて高宮の発展につなげたい」と述べた。また高宮出身の八木嘉之市議会議長は「地元市議の3人はライバルだが、仲が良く、力を合わせていきたい。多くの先人のたゆまぬ努力により今の高宮の発展があると確信しており、先人の思いを次の発展のために受け継いでほしい」と語った。

2017年11月9日木曜日

桐生祥秀選手招き交流イベント

 陸上競技100㍍で日本人初の9秒台を出した彦根市開出今町出身の桐生祥秀選(21)=東洋大4年=を招いたイベントが5日、荒神山公園多目的広場であり、桐生選手と小中学生たちがリレーなどで交流した。
 彦根南ロータリークラブが創立40周年記念として開催し、陸上競技を学んでいる市内外の小中学生252人と彦根南RC会員、保護者の計約450人が参加。開始式で彦根南RCの高木淳一会長が「小中学生のアスリートの皆さんには桐生選手に続くことができるようがんばって頂きたい」とあいさつ。
 ウォーミングアップとして桐生選手を交えて全員でグラウンドをランニングした後、桐生選手が彦根南中の陸上部時代に練習していた広場内の芝山の「桐生坂」(通称)をダッシュで駆け上がり、桐生選手も子どもたちと一緒に駆け上がっていた。
 中学校選抜メンバーと、桐生選手を監督とした南中時代のリレーメンバーとの200㍍リレーには、当初走る予定がなかった桐生選手も急きょアンカーとして参加。バトンを受け取り走ると、歓声が沸き上がっていた。桐生選手の後ろを走っていた彦根市立東中2年の菊河隼人君(14)は「桐生選手は腕の振りが大きく、とても速くてすぐに遠ざかっていった。とても良い思い出になりました」と話していた。
 桐生選手や南中時代の恩師、同級生のトーク会で、恩師の億田明彦さんは「初めて見た時は肩まで髪があり、女の子みたいだった」と当時を振り返り、同級生の黒丸智弘さんは「中1のころは同じレベルでライバルだったが、(桐生選手は)2年生から急に伸びていった。全国大会でも頼れる選手だった」と語っていた。
 これに対して桐生選手は「褒められる関係でも無いので改めてうれしい」と笑顔で答えた上で「(桐生坂の)芝山での練習で鍛えられたことが今にある。中学校のうちは勝っても負けてもいいので、楽しんで陸上をやってほしい」とアドバイスした。
 小中学生からは「どうやったら桐生選手のように速くなれますか」「スタートした時に足を地面にするのはどうしてですか」などの質問があり、桐生選手は「トレーニングしかない。高校では技術面を学ぶが、特に中学校での下積みが大切」「足を地面にするのは最短距離で足を運ぼうと思ってするようになった」と答えていた。
 交流イベント前には彦根市子どもセンターで、桐生選手の彦根市市民栄誉賞特別賞の表彰式が開かれた。
 表彰式では大久保貴市長が「日本人初の記録は彦根市民のみならず、国民すべての誇りだ。これからも高いレベルで戦っていくことを頼もしく思っている。更なる高みを目指してがんばってほしい」とあいさつし、表彰状と記念トロフィーを手渡した。
 桐生選手は「栄えある賞を頂きありがたく思います。頑張ることで地元の彦根が盛り上がるなら、もっと盛り上げたい心がある。世界の100㍍でファイナリストになるという夢を目指して、しっかり頑張りたい」と述べた。表彰式後には市長や同級生たちとの記念撮影にも応じていた。

2017年11月7日火曜日

玄宮園内にある料理旅館の八景亭が今月30日に廃業

 玄宮園内にある料理旅館の八景亭が今月30日に廃業になる。明治時代から続いてきた店舗が無くなることに市民からは惜しむ声があがっている。
 八景亭は「玄宮園十勝」と呼ばれる園内の10カ所の名所のうち、井伊直弼らが茶席に利用していた臨池(りんち)閣の場所にある。茅葺きの数寄屋(すきや)建築で、臨池閣に増築した構造になっており、床面積約547平方㍍のうち半分以上が増築分。現在、茶席になっている鳳翔(ほうしょう)台も八景亭として利用されていたが、昭和40年代後半の火災後に市の所有になった。建物の創設期は不明だが、現店主の竹中清登(たか)さん(67)によると、曽祖父が経営していた明治・大正期は魚屋などを営み、八景亭と名付けられたのは祖父時代の昭和9年だという。
 店主の竹中さんは、インテリアデザイナーを辞めて28歳の時に帰郷し、料理の修業を経て三代目の店主に就任。以降、八景亭を守り続けてきたが、昨年2月に脳出血で倒れ、包丁が握れなくなった。また建物の老朽化もあり、廃業を決意した。
 竹中さんは75歳で店を閉じようと思っていたとした上で「何年か早かったが、いい時期だと思っている。寂しい気持ちはない」と話していた。会食などで利用していた市内の男性(54)は「八景亭は大名気分にひたることができる場所だった。無くなるのは非常に残念です」と語っていた。
 廃業後は市が管理することになり、市教委文化財課の担当者は「臨池閣(八景亭)は大規模修理の時期にある。調査した上で(増築部分の解体など)江戸時代の元の風景に戻すことを含めて検討していく」としている。
 店は休業中だが、今月5日に再開する。すでに廃業を知った人たちからの予約が入っており、4畳半、6畳半、13畳、20畳の部屋のうち、大部屋を中心に予約がとりにくい状態。18、19日のみ休み。問い合わせは八景亭☎(22)3117。

下着メーカー・美成産業のブランド美・REINE(ビ・レーヌ)の新作が完成

 彦根市後三条町町の下着メーカー・美成産業のブランド「美・REINE(ビ・レーヌ)」の新作が完成。先月17日から23日まで横浜市のそごうで新作発表会が行われた。
 同社は昨年4月にデザイナーの田中蓉子さん(京都市)と女性向けの補正下着「美・REINE」を開発。縦横に伸縮するシルクタッチの特殊素材を使用しているため、加齢と共に変化する体型を整え、若々しく蘇らせることができるという。
 新作は総レース製で更に高級感を出した。すでにカタログなどで販売しているほか、今後はインターネットでも発売。新作発表会でも好評だったという。
 経営企画部の宮脇徹部長(43)は「美・REINEの売上は今年が3500万円ほどを見込むが、新作の販売で来年は1億円を目指したい」と話している。問い合わせは同社☎(22)0371。

2017年11月6日月曜日

豊郷町出身の近江商人の本・近江の豪商・薩摩家三代記―薩摩治兵衛とその孫バロン薩摩 刊行

 豊郷町出身の近江商人や文化人として知られる薩摩治兵衛と息子、孫の生涯をまとめた本「近江の豪商・薩摩家三代記―薩摩治兵衛とその孫バロン薩摩」=写真=が刊行された。
 治兵衛は天保元年(1830)に犬上郡四十九院村で生まれ、幼名が與惣吉。数えで10歳になった頃には武蔵国秩父郡(埼玉県秩父市)の外池太右衛門の店に丁稚奉公。一人で野宿をしながら十数日かけて武蔵国まで向かったという。18歳の時には近江国愛知郡小田刈村(東近江市小田刈町)の織物問屋の小林家に仕え、慶応3年(1867)の38歳の時に独立して東京日本橋で木綿類の商売を開始。明治21年(1888)には東京日本橋に本店(薩摩商店)を新築し、木綿王と呼ばれるほどの豪商になった。
 治兵衛が51歳の時の明治14年12月4日に、後に二代目になる治郎八が誕生。明治33年2月に治兵衛を襲名し、2年後には大阪に支店を開業し事業拡大を図ったが、金融恐慌などの影響で昭和9年(1934)に薩摩商店が閉店した。
 二代目治兵衛の息子・治郎八が誕生したのは明治34年4月13日。東京の精華小学校の時から英語に関心があり、19歳の年の大正9年(1920)11月2日、法律留学という形で渡英。同12年4月にはフランスのパリへ移住し、翌年に帰国して東京の駿河台にフランス様式の邸宅を建設。以降、民間大使のように日仏交流に貢献し、その後もパリと東京を往復する生活を続けた。昭和4年(1929)にはパリ日本館の建設にも尽力。日本館建設の寄付の功により、薩摩父子にはフランス政府から勲章が贈られている。戦時中はパリに滞在し、日本の敗戦後の昭和26年5月12日に帰国。「バロン薩摩」として文化、芸術活動に貢献しながら自由奔放に生き、同51年2月22日に亡くなっている。
 本は「木綿王と呼ばれた男」「薩摩治兵衛商店の継承」「日仏文化交流の架け橋」「バロンサツマと私」「巴里(パリ)大学都市と私」の5章に分けて、初代治兵衛、二代治兵衛、三代治郎八(バロン薩摩)の生涯を解説。発行は芙蓉会。1400円(税抜き)。豊郷町観光案内所で販売しているほか、出版元のフォリオ(兵庫県芦屋市)で郵送販売も。

2017年11月4日土曜日

よろず淡日ギャラリーで知的障害者が制作した絵画などを展示

 彦根市日夏町の巡礼街道沿いの店「よろず淡日(あわひ)」=写真=は3日から店内にあるギャラリーで、知的障害者が制作した絵画などを展示する。5日午後2時~は茶話会もある。
 店主の疋田実さん(57)が大阪在住時に彫刻の勉強をしていて、大阪市内にある障害者の造形スペース「アトリエひこ」の企画展にも訪問。以前から障害者の造形性に魅力を持っていたため、在阪中は造形教室の手伝いをしていたという。
 よろず淡日は疋田さんの曽祖父が大正時代に開業。引き継いだ祖父が15年ほど前に亡くなった後は空き家だったが、平成26年4月末に疋田さんが移住し、平成27年8月22日に古道具や駄菓子、文具、日用品などの店として再オープンさせた。
 隣接する大正期のままの建物はギャラリーとして活用。今回はアトリエひこの障害者8人が作った絵画や彫塑の計約30点を展示、絵画は購入もできる。入場無料。展示期間は20日までの金土日月の午前11時~午後6時。疋田さんは「彼らの作品は不安の闇と清らかで美しい光を同時に感じることができる」と話している。
 5日はアトリエひこの設立当初から携わっている石崎史子さんを招いて「今、気になることを持ち寄って」の茶話会がある。茶と菓子代200円。問い合わせは同店☎(49)3890。

2017年10月30日月曜日

近江高校の新聞部局が創立記念祭に向け新聞作り開始、本紙記者アドバイザーに

 彦愛犬と米原地区の高校では彦根東高校の新聞部が有名だが、ほかはほとんど活動していない。そんな中、近江高校の生徒会内の新聞部局が来月の創立記念祭に向けた新聞作りを開始。本紙記者もアドバイザーとして加わり、新聞作りを支援している。(山田貴之)
 近江高には「桜美(おうみ)新聞」という名称の新聞があるが、東高新聞部のような活動実績はほとんどない。
 今年度は近江高の進学クラスのアカデミーコース1年生の後藤カオル君(15)=古沢町=と丸山理音さん(15)=守山市=が新聞部局に入部。
 後藤君は「新聞には色んなことが書かれており、どのメディアよりも正確なのがいい」と新聞の魅力を説明。丸山さんは「文章を書くのが好きで、新聞作りに関心を持った」と話していた。顧問の向田直人さん(53)は「これまでも新聞作りの動きが出ては消えていたが、2人は意欲的で今年はできそうだ」と期待を込めている。
 2人は近江高で8月31日、9月1日に開かれた文化祭「青海(おうみ)祭」の様子をまとめた新聞作りを今月13日から開始。本紙記者もアドバイザーとして入り、記事の書き方、写真の選び方、編集の仕方などを教えた。また記者からの新聞の役割についての質問に、2人は「情報を伝える」「世間が知らないことを考えることができる」と回答。これに対し記者は「新聞には世の中をリードしていくという大きな役割もある」と教えた。
 2人が作成する新聞は11月5日に開かれる創立記念祭で掲示される予定。記者の指導後には「なかなか動き出せなかったけれど、完成に向けて現実味が出てきた」と話していた。
 今後も新聞を作成する計画で、丸山さんは「東高の新聞部と交流できるようになって、新聞部の大会にも出場したい」と意欲を示していた。 

2017年10月25日水曜日

台風21号で彦根城天守の多門櫓の漆喰壁はがれる、修理は来年夏以降

 22日から翌日にかけての台風21号の影響で、彦根城天守の多門櫓の漆喰(しっくい)壁がはがれているのが23日朝わかった。玄宮園からもはがれた様子がわかり、早急な改修が必要だ。
 天守の多門櫓は天守の整備後に増築された。壁は平成5年から同8年までに行われた大修理で塗り替えられた。漆喰がはがれた場所は現在、出入り口として使っている多門櫓の玄宮園側の壁の高さ約3。7㍍×幅16・6㍍分。漆喰がはがれた側の天守は玄宮園内の武蔵野(広場)から一望できる絶好のロケーションとして、時代劇や映画、ドラマでも頻繁に登場している。
 市教委文化財課は「場所が場所だけにそのままにはしておけない。文化庁や県と相談しながら、修理したい」としている。
 台風21号ではほかに、彦根市内の芹川の一部ではん濫危険水位を超えたため、22日午後9時50分に、芹川沿岸の城東小や城西小、佐和山小などの学区を対象に避難指示(緊急)が発令。また23日午前0時15分には土砂災害警戒区域などを対象にした避難指示(緊急)が発令された。発令を受けて、指定の緊急避難場所も各小学校など15カ所に開設され、58世帯122人が避難した。
 鳥居本町の国道8号線では22日午後10時半ごろ、約100㍍にわたって深さ約30㌢㍍冠水し、古沢交差点から北側方面で迂回措置がとられた。迂回措置は23日午前2時5分に解除された。
漆喰修理は来年夏以降に
 台風21号の影響で、彦根城天守の多門櫓の漆喰(しっくい)壁がはがれたことを受け、彦根市教委文化財課は25日、修理が来年夏以降になる方針を示した。
 はがれた場所は、出入り口として使っている多門櫓の玄宮園側の壁高さ約3・7㍍×幅16・6㍍分。
 文化財課によると、雨や雪が多い時期に修繕すると、漆喰に湿気がこもって壁本体にまで影響が出るため、乾いた時期しか修繕できないという。また修繕には足場を設ける必要があり、文化庁との調整にも時間がかかるという。
 文化財課主任の下高大輔さんは「なるべく早く修理したいが、手続きや時期の都合で、早くても来年7月ごろの着手になるだろう」と話している。

希望敗北・立憲躍進の原因と憲法改正への道

 衆院選は自公で定数の3分の2を維持し、有権者は安倍政権の継続を選択した。森友・加計問題や閣僚らの不祥事で反安倍政権のマスコミから批判されていた中での選挙であったが、有権者は日本の将来を見据え冷静な判断をしたと言える。
 選挙を振り返ると、やはり民進党を事実上解党させ、希望の党と立憲民主党を誕生させた小池百合子都知事が注目された。民進党を解党し、保守とリベラルに分けるべきだと主張していた小生も小池知事の手腕には舌を巻いた。
 だが、ふたを開けると保守派の小池新党(希望の党)は低迷し、逆にリベラル色が強い立憲民主党が躍進した。一部では小池知事の「排除」発言が原因と言われているが、小生はそれよりも、希望の党の候補者たちが自身の政治的信念やイデオロギーより、自己保身のために(吹くと期待した)小池旋風に乗っかるという見え透いた欲に対し、有権者は見抜いていたのだと確信している。そういった視点からみれば、立憲民主党が躍進した要因はただ単に反安倍政権の受け皿になったというよりも、政治的信念を貫徹した姿勢を有権者は無意識的を含めて評価したと言える。
 滋賀の4選挙区だけを見ても事実上、自民、希望系(1区は無所属)、共産系の戦いだったが、もし希望系の候補者が立憲民主として立候補していれば、共産系との野党共闘が実現し、自民候補を破る区も出たのは間違いない。希望の候補者にとっては「風」を見誤り、「欲」だけに飛びつけば、痛い目に遭うと良き教訓になったであろう。
 さて、国政は北朝鮮問題、大手企業の不祥事続きなど国内外で不安要素が多々あるが、安倍首相は自身の悲願でもある憲法改正を本格的に進めるに違いない。自公だけで改正発議に必要な3分の2を超え、そこに改正に前向きな希望や日本維新の会を加えると、改正論議は加速度的に進むだろう。小生としても時代や国際情勢に合った憲法を新たに創設するべきだと考えているが、いまだに「憲法を改正すれば、戦争をする国になる」と誤解している国民も少なくない。新たな船出となる政権には、憲法の改正に向けて、国民の理解が成熟するよう丁寧な議論を願いたい。【山田貴之】

衆院選滋賀2区は自民上野が勝利、投票率彦根は県下最下位

 衆院選は22日投開票され、滋賀2区では自民党前職の上野賢一郎氏(52)が7万3694票を獲得し4回目の当選を果たした。希望の党前職の田島一成氏(55)が5万8718票、市民団体事務局長の対月慈照氏(64)が1万1073票、幸福実現党新人の荒川雅司氏(42)が2576票だった。
 選挙戦中、上野氏はアベノミクスの成果や滋賀2区でのインフラ整備の実績などを中心に訴え、自民、公明支持層のほか、無党派層からも支持を得て、彦根以外の全市町で勝利した。
 当確後の午後9時過ぎに平田町の彦根事務所に上野氏が現れると、待ち構えた支持者から拍手と歓声が沸き起こり、上野氏は一人ずつと握手した後、「選挙戦では経済の成果、中小企業への支援、農業振興、教育の負担軽減などを訴えてきた」と振り返り「北朝鮮問題など安全保障の面で難しい課題があるが、与党全体で解決したい」と述べた。
 国道8号線バイパスや多賀のスマートインターチェンジに触れながら「取り組む課題は山積しており、県、市町と協力して国からも働きかけていきたい」と地元を重視していく姿勢を示した。最後には8年前の民主党に政権を奪われた選挙をあげ「民意は変わることがあるため、謙虚にまじめに取り組みたい。選挙は今回で4勝4敗になった。新しいスタート地点に立った気持ちでがんばっていきたい」と抱負を語った。
 一方で、田島氏は彦根市議から27年間の政治家としての実績をPRしながら、森友・加計問題などを取り上げ「安倍政治を終わらせる」と訴えたが、希望の党支持層や無党派層以外の広まりがなかった。敗北を受け、田島氏はテレビのインタビューに「安倍政治を終わらせることを訴えたが、有権者に伝わらなかったことが何よりも悔しい」と話していた。
 対月氏は共産や社民、一部の立憲民主党の支持者から支援を受けたが、伸びなかった。
上野、彦根では敗れる
 滋賀2区での市町ごとの得票数を見ると、上野氏が出身の長浜で田島氏に1万1840票差を付けるなど彦根以外の市町で勝利した。一方で、上野陣営が前回の選挙でも敗れ「今回こそ勝利を」と、重視していた彦根では上野氏が2万0635票、田島氏が2万1174票と539票差で再び敗北した。
投票率また県下最下位
 投票率は滋賀県全体で56・32%、滋賀2区で55・8%と、いずれも前回の53・79%と51・71%を上回った。一方で彦根市では当日有権者数9万1488人のうち投票者が4万6373人の50・69%と、前回の50・73%を下回ったほか、県内の市町でも最低の投票率だった。彦根市内の期日前投票は台風21号の影響もあって過去最多の1万6740人で、前回の1万0893人を大幅に上回った。

2017年10月24日火曜日

彦根高等商業学校の研究をしている滋賀大大学院の今井綾乃さんに研究の経緯や新聞の面白さ聞く

 新聞週間(15日~21日)に合わせて滋賀彦根新聞は2回に分けて特集記事を掲載。初回は、昭和初期の新聞を参考に滋賀大学経済学部の前身、彦根高等商業学校に関する研究をしている滋賀大大学院経済学研究科3年の今井綾乃さん(29)=愛知県一宮市=に、研究の経緯や新聞の面白さなどを聞いた。
(聞き手・山田貴之)
 今井さんは中学、高校の時に愛知県内の新聞社で仕事体験をしていたといい、「子どもの時から新聞に関心があった。自分の書いた記事が載った時はうれしかった」と当時を振り返った。
 大学に入ってからも新聞を読んでいたが、彦根高商に関する研究を始めると同時に「1、2ページしか読んでいなかったが、ほかのページも読むようになった」「特にインターネット上では取り上げられない地域面がおもしろい。無名の人たちが日本の社会の一部を作っていることもわかった」と新聞の魅力について解説した。
 彦根高商の研究を始めた理由として今井さんは「誰も研究していないことをしたかった。また滋賀大への恩返しという気持ちを込めて、その原点について研究しようと思った」と説明。「私に与えられた役割だと思って、使命感を持って研究したい。ゴールを決めずに大学院修了後も彦根高商について調べていきたい」と抱負を語った。
 今井さんは研究の中で、昭和3年から同12年にかけての大阪朝日新聞と大阪毎日新聞に掲載されている彦根高商についての記事を抜粋。昔と現在との新聞の違いについては「昔は個人的な(スキャンダル的な)記事が多かったが、現在の新聞は難しいことをわかりやすく書いてある。新聞を読まない人が多いが、新聞でしかわからないこともあるので、読んでもらった方が良いと思う」と話していた。
 今井さんは「彦根高商のカリキュラムの変遷について」をテーマに研究しており、現在、滋賀大総合研究棟1階で昭和3年4月から翌年12月までの彦根高商に関する掲載紙を展示中。今月27日まで第1期展をしており、19日午後0時10分~はギャラリートークも行う。第2期は11月6日~来年1月26日、第3期は来年2月1日~3月30日。開館は平日の午前9時午後5時。入館無料。
 ※【彦根高商】大正11年(1922)10月20日に誕生し、翌年に最初の入学式が挙行。同14年には校舎や図書館などが完成し、開校式が開かれた。昭和19年(1944)4月に彦根経済専門学校と改名、5月には彦根工業専門学校へと変更。終戦後の同21年4月に再び彦根経済専門学校となり、同24年5月に滋賀師範学校・青年師範学校(大津の教育学部)と合併して滋賀大学となった。

2017年10月21日土曜日

衆院選22日投開票 滋賀2区は4氏

 衆院選は22日、投開票を迎える。滋賀2区には、希望前職の元環境副大臣・田島一成氏(55)、自民前職の財務副大臣・上野賢一郎氏(52)、幸福実現党新人・荒川雅司氏(42)、市民団体事務局長・対月慈照氏(63)の4人が出馬。21日、最後の訴えを行う。
 田島氏は選挙戦中、「安倍政権、一強体制、権力の私物化を終わらせる」と現政権を批判。アベノミクスについては「大企業、富裕層だけがおいしい思いをしている」と指摘してきた。事務局長の江畑弥八郎元県議は「有権者からは安倍政権への厳しい声も多く、感触は悪くない」と話している。21日は選挙区内をくまなく回り、夜には選挙事務所で集会を行う。
 上野氏は、「GDP(国内総生産)が過去最高、80万人の正規雇用増、有効求人倍率1・5超、学生の就職率98%」などアベノミクスの成果をアピール。消費税増税分を教育費などに回すとして理解を求めた。彦根事務所長の長崎任男市議は「新聞報道の通り激戦で、最後まで緩めることなく戦い抜きたい。彦根で何とか勝ちたい」と語っている。21日午後7時半~彦根ビューホテルで総決起集会を開く。
 荒川氏は、消費税の5%への減税のほか、集団的自衛権の全面的な行使、国防軍の創設、憲法9条の改正など保守的な主張を訴えてきた。選挙事務所のスタッフは「現政権に不信感を抱く有権者の皆さんから温かい応援を頂いており、その声が日に日に増していると感じる」としている。21日は選挙区内全域を街宣車で回る。
 対月氏は、安保法制や森友・加計問題などに触れ「国会を私物化しており、安倍政権の打倒を目指す」と与党を批判する一方、希望の党に対しても「本当に市民が主人公なのか」と指摘してきた。選対本部長の杉原秀典さんは「名前と政策が日に日に浸透してきたと実感しており、上野、田島の両候補に追いつくよう最後まで戦い抜きたい」と述べている。21日には長浜市内を重点的に回る。

ご当地キャラ博in彦根 台風で22日中止、ひこにゃんを探せイベント21日開始

 ご当地キャラ博in彦根が21日に開幕。夢京橋キャッスルロードなどで22日まで開催される予定だったが、台風で22日は中止になった。今年は10周年記念で、また彦根城築城410年祭が開催中のため、天守前にキャラたちが登場するほか、城内に隠されたひこにゃんを探し出すイベントも21日から始まる。
 10回目を迎える今年はこれまでにキャラ博に参加してきたキャラを中心に参加数を制限したほか、くまモンやふなっしーなど人気者も登場する。
 参加数は衆院選の影響で当初の172体から減少し、163体(21日が152体、22日が127体)となっている。彦根のゆるキャラはひこにゃんを含め14体が参加する。
 会場は京橋口駐車場、キャッスルロード、四番町スクエアに設置され、PRステージは京橋口駐車場と四番町スクエアに1カ所ずつ設けられ、キャッスルロードには曳山を模したステージも設置。会場内のブースでは地元の特産品やキャラクターグッズが販売。両日午前9時半~はひこにゃんが曳山に乗ってキャッスルロードを巡行する。
 開催時間は両日とも午前9時午後3時。21日午前9時~の開幕式には10回すべてに参加しているゆるキャラ5体に登壇してもらい、感謝を伝えるセレモニーがある。
 各キャラの登場日時と場所は、ご当地キャラ博in彦根のホームページに。雨天決行だが、荒天時は中止になる。
天守前にキャラ登場
 ご当地キャラ博に合わせて、21、22日の両日、天守前にキャラたちが登場する。また21日からは体験型フォトラリーキャンペーン「隠れひこにゃんを探せ!」が始まる。
 天守前にはキャラ博に10回連続の参加となる、むすび丸、いが☆グリオ、くもっくる、はばタン、さばトラななちゃんが21日午前10時半~、浜松市の出世大名家康くんと出世法師直虎ちゃんが22日午前10時半~登場。いずれもひこにゃんとの記念撮影もあり。ほかに両日午後1時~と午後4時~は希望のキャラ5体も登場する。
彦根城でひこにゃん探そう
 「ひこにゃんを探せ」は築城410年祭のパンフレットを見ながら、城内の3カ所に隠されたひこにゃんのパネル(高さ40㌢㍍)を探し、各所でスマートフォンなどで写真撮影。二の丸の案内所で撮った写真画像を提示すれば、特製のひこにゃんステッカーがプレゼントされる。ステッカーは4100枚限定。12月10日まで。
 これらのほか、21、22日の両日はご当地キャラ博の特別デザインの彦根城観覧券が、城内の券売所とイベント会場で販売される。
近江鉄道乗り降り自由
 ご当地キャラ博に合わせて、近江鉄道の電車全線が乗り降り自由の「1デイスマイルチケット」が21、22日の両日、近江鉄道の彦根駅などで発売される。滋賀県、彦愛犬、米原市、近江八幡市などで組織するびわこ京阪奈線(仮称)鉄道建設期成同盟会が公共交通の利用促進を目的に企画。チケットは10周年を記念したオリジナルのデザインで、中学生以上880円、小学生440円。発売場所は彦根駅、米原駅、近江八幡駅、八日市駅、貴生川駅。
バス小学以下無料
 ご当地キャラ博が開催される21、22日の両日、彦根駅発着の路線バス(滋賀大学用除く)の小学生以下の運賃が無料になる。
 彦愛犬で組織する湖東圏域公共交通活性化協議会が観光客の公共交通の利用促進を目的に企画。キャラ博の会場の最寄りのバス停は「京橋口」と「四番町スクエア」など。

2017年10月19日木曜日

衆院選終盤 滋賀2区の4人の主張内容

 22日投開票の衆院選は終盤戦に入る。滋賀2区には希望前職の元環境副大臣・田島一成氏(55)、自民前職の財務副大臣・上野賢一郎氏(52)、幸福実現党新人・荒川雅司氏(42)、市民団体事務局長・対月慈照氏(63)の4人が出馬。滋賀彦根新聞が公示前にインタビューした際の回答や各候補の演説などでの内容を主な政策ごとに紹介する(順不同)。
 【アベノミクス】
 上野氏「企業の経常利益が過去最高水準、GDP(国民総生産)が過去最高のほか、この5年間で200万人近くの新規雇用を生み出した。人口減少で消費が伸びない中、今後は生産性を上げることが大切」と解説。田島氏「大企業が内部留保としてため込んでいるのが問題。大企業への課税を引き上げ、内部留保を世間に放出していく仕組み作りが必要」と唱える。対月氏「所得税、法人税、資産課税の見直し」、荒川氏「減税や規制緩和」をあげている。
 【消費税の増税】
 上野氏「増税分の半分で3歳~5歳の教育費を無償化し、0歳~2歳については親の所得に応じて無償化する。大学など高等教育の負担軽減も拡充し、消費税を教育や介護に充当する」と説明。田島氏「3党合意の中で10%に上げる方向性は示したが、大企業の内部留保の問題を解決した上で増税するべきだ」と凍結の考え。対月氏「10%への増税反対」、荒川氏「5%への引き下げ」を訴える。
 【安全保障法制】
 田島氏「現政権は憲法違反の疑いが濃厚だった安保法制を丁寧な議論がないまま成立させた。北朝鮮の脅威がある中、現実的な安保法制は必要だが、憲法違反のため適切な見直しが必要」と説明。対月氏「安保法制を廃止し、自衛隊の海外派兵は認めない」と主張。一方で上野氏「安保法制に対し一夜にして賛成に回った」と希望の党に移った後に考えを変えたことを疑問視した上で「北朝鮮など国際問題に対応するには自公政権しかない」とし、荒川氏「集団的自衛権の全面的な行使に向けた法整備」を唱える。
 【憲法改正】
 上野氏「国民的議論を踏まえて改正していく。9条を全面的に変えるのは慎重だが、自衛隊を憲法に位置づけるのは必要」とし、荒川氏は「防衛軍の創設を」と訴える。田島氏「集団的自衛権を認めるために憲法を改正するという安倍首相のやり方は乱暴」と指摘するが、希望の党としては憲法9条を含めた改正論議を進める考え。対月氏は改憲に反対の立場。
 【滋賀2区の振興】
 上野氏「インフラ整備や観光振興、ジェトロ滋賀やブルーインパルスの誘致など」実績をアピール。田島氏は新幹線の米原ルートへの見直しの必要性などを唱える。対月氏は「琵琶湖を守るため、原発のない社会を作る」としている。

2017年10月18日水曜日

パーク・アンド・バスライド社会実験が開始

 自家用車からシャトルバスに乗り換えて彦根城まで向かうパーク・アンド・バスライドの社会実験が14日から始まった。
 パーク・アンド・バスライドは、渋滞緩和と観光客の周遊の促進を目的に全国各地で導入されている。彦根市は平成31年度からの実施を目指し、今年度と来年度に社会実験を実施。彦根インターチェンジ近くの原町の敷地約9800平方㍍に自家用車150台分の駐車場を整備しており、今年度は11月5日までの土日祝日の計9回、50人乗りのバス3台で1日21便ずつ運行する。
 ルートは彦根署前、旧彦根港湾前から、いろは松駐車場(11月3日のみ市役所前)に向かい、戻りはイベント無し時が彦根城内、イベント有り時が彦根市役所前を通る。途中停車はない。
 社会実験後は利用状況など実態調査をするほか、利用者やドライバー、城内駐車場の観光客、市内商店の店主らにアンケートを実施し、来年度に向けた対応策やスケジュールを決める。来年度は秋と春に期間を延ばして社会実験する予定。
 14日朝に行われた出発式で、大久保貴市長は「彦根市を訪れて頂く方に快適に観光して頂けると願っています」とあいさつ。利用者らはひこにゃんが見守る中、乗車し出発していった=写真。

2017年10月12日木曜日

衆院選公示 滋賀2区は4氏の戦い

 衆議院選挙が10日公示され、彦根、長浜、米原の3市などを選挙区とする滋賀2区には、希望前職の元環境副大臣・田島一成氏(55)、自民前職の財務副大臣・上野賢一郎氏(52)、幸福実現党新人・荒川雅司氏(42)、市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」事務局長・対月慈照氏(63)の4人が立候補の届出を済ませ、舌戦を開始(届出順)。5年間の安倍政権の是非をはじめ、経済政策、憲法改正、安全保障、消費増税、原発政策などをテーマに、公約を訴えている。
 投開票は22日。2区の有権者数は26万6879人。


 田島候補はJR彦根駅前で第一声。「安倍政権を終わらせるため、自民一強体制を終わらせるため、権力の私物化を最後にさせるため、希望の党から出馬することにした」と決意を表明。
 アベノミクスについては「安倍政権は大企業だけ、富裕層だけがおいしい思いをした5年間。暮らしが良くなったかと問われて、首を縦に振る市民はほとんどいない。みんなが一緒に豊かさを感じる社会をつくっていきましょう」と経済政策の転換を訴えた。
 川端達夫前衆院議員が政界を引退したことにもふれた上で「滋賀の野党の国会議員では最も経験があるトップバッターになった。緊張感を持ってこれまでの経験を国会で発揮できるよう、政治生命をかけて戦い抜きたい」と力説。「相手(自民党)は巨大な軍艦で、我が党は新しく作ったばかりの船。大きな軍艦に立ち向かう力を有権者の皆さんが寄せてくれると信じている」と支援を求めた。
 応援演説では選対本部長の大橋通伸県議(長浜)が「力を合わせて、政治の流れを変えよう」と話し、連合滋賀第2区地域協議会の清水雅仁議長は「一歩一歩前へ進んでいきましょう」と述べた。
 上野候補は長浜市の商業施設駐車場で出陣式。これまでの経済政策について「GDPは過去最高の540兆円。200万人の雇用、80万人の正規雇用が増えた。有効求人倍率は1・5を超え、高度成長時代の水準。学生の就職率は98%。外国人観光客は3倍の2400万人に増え、農林水産食品関連の輸出額も1兆円に迫る勢い」と解説し、「この流れを決して止めてはいけない」と訴えた。
 また幼児教育の無償化や介護の受け皿づくりを掲げ、「現役世代が直面している教育と介護の問題にしっかりとした答えを出したい」と語った。
 野党の再編については「今、政界が混乱しているとよく言われるが、混乱しているのは野党だけ。安保法制反対が一夜にして容認に変わり、政権選択と言われながら誰が次の総理か示すことができない。そのような状況を見ていると、北朝鮮問題をはじめ国際社会と連携した政治を担えるのは自公連立政権しかない」と支持を呼びかけた。
 上野候補の後援会長の河本英典・元参院議員は「国政で一番大切なのは国防」として、森友・加計問題を国会議論の核とすることに「勘違いしている」と野党やメディアを批判。一方、藤井勇治長浜市長は森友・加計問題について、小泉進次郎氏が安倍総理に「しっかり向き合って頂きたい」と求めていることを取り上げ「上野さんも総理にモノを申す政治家になってほしい」とエールを送った。
 荒川候補はJR長浜駅東口で第一声。「政治に対してはっきり申し上げたいのは、明確な国家ビジョンを持ってこの国の舵取りをして頂きたいということ」と切り出した。
 野党に対して「いろんな政策を掲げているが、例えば安倍政権を倒した後にどんな日本が来るのか。それこそを明確にして頂きたい」と指摘し、与党に対しても「今のこの危機的な状況を理解しているのか。北朝鮮からいつミサイルが飛んできてもおかしくない状況の中で、解散総選挙に打って出るとはいったいどういうことなのか」と批判した。
 自民党の掲げる消費税増税による教育無償化について「目先のバラマキに飛びついてはならない」と警鐘を鳴らし、「この国は放っておけば、同じ顔ぶれが重税国家をつくろうとする。どんどん税金が上がる」と指摘。「景気が良くなったという実感がないのに、消費税が上がればどうなるのか」と語り、消費税の5%への減税を訴えた。
 対月候補はJR長浜駅東口で出発式。突然の立候補の動機を「安倍政権に我慢できなかったから」と語り、「国会を私物化」する安倍政権の打倒を強く訴えた。
 安全保障政策について「国民が圧倒的に『戦争をしない国』を支持する中、安保法制を強行採決し、日本を再び悲惨な戦争へと導いている」と批判した。森友・加計学園問題についても「逃げまくりで、政治を私物化している。臨時国会を開いたら、疑惑を解明しないまま、冒頭解散。国民をないがしろにしている」と怒りをぶちまけた。
 また、「希望の党にも不信感を持っている。本当に市民が主人公なのか」と指摘し、「今は歴史的な分岐点。国会を変え、政治を変えたい」と訴えた。
 市民の会しが檜山真理事務局次長は「今、日本の方向性を決める大きな選択肢が問われている。安倍政権の暴走を止めて、子どもたちが安心して暮せる未来をつくるための世直し選挙。堂々と自信を持ってほしい」と候補にエールを送っていた。
 福井原発訴訟(滋賀)原告の辻義則団長は「5年間行われてきた安部暴走政治をストップさせよう。憲法改悪は断じて許してはならない。9条をしっかり守ろう。憲法を守る候補者で平和主義、日本を守ろう」と呼びかけた。

ウェルネスサワ目と脳に良いとされるビルベリーとDHA含まれた商品販売

 目の愛護デー(10日)に合わせて、滋賀彦根新聞はビバシティ彦根内のウェルネスサワのオーナー・澤富太郎さん(66)に目に良い素材などについて聞いた。
 物が見えるとは、物に反射した光が目の角膜、水晶体、硝子体を通過し、網膜にその像を映し出し、視神経を通じて大脳の視覚中枢に運ばれることを言う。つまり目がカメラ、脳が現像所だといえ、両方がしっかりしていないと見えにくくなる。
 ウェルネスサワでは目と脳に良いとされるビルベリーとDHAなどが含まれた商品「ビルベリー&DHA」(120錠で5800円)を販売。ビルベリーは北欧産のブルーベリーの一種で、アントシアニンの含量が多いとされる。購入者からは「目の疲労感がなくなった」「目のかすみがましになった」「長時間のパソコンで疲れても回復が早くなった」などの声が出ているという。
 澤さんは「車を運転している、事務でコンピュータを操作しているなどの中高年の皆さんにおすすめの商品です。目の疲れを根本から取り除いてあげましょう」と話しており、試飲も受け付けている。ほかにも目に良いとされる成分を含んだ漢方の杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)も販売している。開店時間は午前10時~午後9時。不定休。問い合わせは同店☎(27)6137。

2017年10月6日金曜日

滋賀国体の陸上競技、ハンドボール、弓道、なぎなたとひこにゃんをコラボしたデザイン

 彦根市は27日、平成36年の滋賀国体で市内で開催される陸上競技、ハンドボール、弓道、なぎなたとひこにゃんをコラボしたデザイン=写真=を作成したと発表。
 今後はイベントや広報活動時でPRしていくほか、競技団体でも使用範囲を広げる。グッズへの使用許可については平成33年度に設置予定の滋賀国体に関する実行委員会で検討していく。
 彦根市共同募金委員会(市社協内)は10月1日からの赤い羽根共同募金運動に合わせて、500円以上の寄付者にひこにゃんと赤い羽根をデザインしたバッジ=写真=を進呈する。バッジは縦25㌢×横24㌢で、琵琶湖の青色をイメージカラーにしており、背景には彦根城天守もデザインしている。2800個用意し市福祉センター別館の同委員会窓口で寄付者に進呈する。1日午前11時~ビバシティ彦根1階で開催されるオープニングセレモニーでも寄付者に渡す。セレモニーでは啓発用の風船も配布。

2017年10月2日月曜日

彦根の女性消防団ヒコネサンフラワーズ全国女性消防操法大会に滋賀県代表として初出場

 彦根市の女性消防団「ヒコネサンフラワーズ」が、9月30日に秋田市内で開催された全国女性消防操法大会に滋賀県代表として初出場。26日夜には消防署南分署(稲里町)で大会前の最後の練習が行われた。
 ヒコネサンフラワーズは市内の女性たちで昭和63年5月に結成。サンフラワーは日本語でヒマワリを意味し、地域や家庭の出火防止の「火廻り」もかけて命名された。主に火災予防の街頭啓発、災害現場での情報収集、初期消火や救命の訓練をしている。定員30人で現在は20歳から47歳までの13人が所属している。
 全国女性消防操法大会は消防庁などが女性消防隊の消防技術の向上などを目的に毎年行っており、23回目の今年は全都道府県の代表47団体が出場し秋田市の向浜運動広場駐車場で開催。各団体5人がスタート地点から約60㍍先の放水場所に向かい、標的に放水した後、スタート地点に戻るまでのポンプ操法の敏しょう性や器具の取り扱い、所用時間などを100点満点で競う。
 滋賀県からはこれまでほかの市町の団体が出場。初出場となるヒコネサンフラワーズは大会に向けて、今年7月4日から2日に1回ペースで毎回夜に南分署で練習をしてきた。入団23年目で隊長の川崎好美さん(45)=本庄町=は「練習前は和気あいあいとした雰囲気ですが、練習が始まると隊員全員が規律を正しく守ることを心がけています。全国大会に向けてほぼ完成してきました。優勝を狙いたい」と意気込みを語っていた。
 大会前の最後の練習を見学した彦根市消防団長の中村藤雄さん(72)=平田町=は「チームワーク良くできていました。本番でもうまくでき、良い成績が出ると思います」と話していた。なお入団の問い合わせは市消防本部☎(22)0314。

自公か希望か共産か

 10月22日の衆院選に向けて、政局がめまぐるしく変化している。特に民進党を事実上、解党させた小池百合子都知事による保守政党・希望の党の結成は衝撃だった。おそらく安倍首相も小池知事がここまでの策略家だったとは予想していなかったであろう。
 希望の党の結党に向けた動きは、彦根東高出身の細野豪志氏が先月10日に民進党を離党した頃から本格化したが、小生はその後に民進党の党首となった前原誠司氏も細野氏と「密約」していたのではないかと勘ぐっている。なぜなら細野氏と前原氏は民進党内屈指の保守の論客で、共に以前から野党再編を唱えていたからだ。
 小生はこれまでのコラム等で「民進党は解党するべきだ」と訴えてきたが、細野氏らを巻き込んだ小池知事の今回の策略には舌を巻かざるを得ない。希望の党としては民進党の全国組織と資金、連合票をそのまま活用できる魅力があり、選挙を戦いやすくなるメリットがある。
 だが、有権者が小池知事の思惑通りにはたしてなびくだろうか。民進党は保守からリベラルまで幅広いイデオロギーの議員で組織されていたが、希望の党は憲法改正など保守の政策を前面に掲げているため、リベラル派が追随するとは考えられない。また有権者にとっては民進党という負の影が根強く残るため、党名を変えただけの候補者をそう容易く支持しないだろう。
 このほか、来月の衆院選は保守派同士の政党が戦う構図となり、希望の党は原発ゼロ、消費増税反対など共産党に近い政策も打ち出していることから、共産党やリベラル派が蚊帳の外に埋没する可能性もある。
 いずれにしても、民進党の事実上の解党により、有権者にとっては自民・公明か、希望の党か、共産など他党か、を選択し易くなった。有権者の皆さんは新党が結成しては消滅している過去の教訓を踏まえた上で、一時期の潮流にだけ流されるのではなく、各党の政策を吟味した上で冷静に判断するべきである。【山田貴之】