2017年4月27日木曜日

市長選の分析

 ※解説=今回の市長選の注目点は現職に対する批判票が信任票を上回った点と、田原氏への予想以上の支持である。
 大久保氏は前回の市長選では1万6903票を獲得し、当時の現職に7000票以上の差を付けての圧勝だった。今回も知名度で劣る新人2人が相手だったため、再び圧勝を予測する声があったが、結果は前回よりも票を減らした上、批判票は信任票より大きく上回った。
 この原因は市役所本庁舎の耐震化などを巡る市政の混乱、次期市政における大規模事業の先行きへの不安、有力な支援者との癒着に対する危惧、民進党色が強いことへの嫌悪感などがある。
 これら次期市政への懸念は次号のコラムで論じる予定だが、大久保氏は批判票を真摯に受け止め、大規模事業をはじめ、見直すべき事項は計画を改める必要がある。市長選で対抗馬の前川氏を支持した市議が約10人いることからも、市議会が計画通りに承認するとも思えない。
 そして、もう一つの注目点は田原氏の得票である。議員の支援を受けない同級生を中心にした選挙戦は苦戦が予想されたが、8000票を超えるという大健闘だった。この原因としては、▽降雨の中で街頭演説をするなど公示前からこまめに活動してきた▽対現職の政策をわかりやすく率直に論じていた―ことなどがあるが、マスコミや他陣営を驚かせた得票で、選挙は組織だけではないことを改めて認識させられた。       (山田)

2017年4月26日水曜日

現職の大久保貴氏が新人2人破り再選も「批判票」は「信任票」上回る

 彦根市長選は23日、投開票が行われ、現職の大久保貴氏(53)が1万5311票を獲得し、新人で前市教育長の前川恒廣氏(61)、新人で元毎日放送記者の田原達雄氏(68)を破り、再選を果たした。しかし、現職が獲得した「信任票」と新人2人を足した「批判票」を比べると、批判票が4165票も上回っており、市民は必ずしも現市政を評価したとは言えない結果になった。
 市長選は当初、争点なき選挙と言われていたが、本紙をはじめマスコミ各紙が次期市政で相次ぐ大規模事業を特集記事として取り上げると、告示前後から争点化し始め、論点の中心になった。
 特に平成36年に開催される滋賀国体では主会場が彦根になるため、新しい市民体育センターの整備費(約60億円)を含む関連費用約100億円を計画通り進めるのか否かで、現職と新人2人の意見が分かれた。
 大規模事業について、大久保氏は「やりくり算段して、計画通り着実に進める」とし、前川氏と田原氏は市の財政が厳しいとして「計画の見直し」を主張。また新人2人の陣営からは「現職には有力な人が付いており、利権が絡む恐れがある」と牽制する声も頻繁に聞かれた。
 選挙戦ではこの大規模事業を中心に、稲枝地域の振興策、教育・子育て問題なども取り上げられ、3氏がそれぞれの主張を展開したが、連合滋賀の推薦を受け、民進党の国会議員、県議、市議、自民党の国会議員、県議、市議からも支持を得た大久保氏が知名度と組織力で序盤から有利な選挙戦を展開。中盤以降、新人2人の追い上げを受けたが、次点に4465票差を付けて勝利した。
 前川氏は自民党の国会議員、県議、市議、公明党の市議、民進系の市議が付き、市民体育センターの計画見直し、教育・子育て支援の充実、経済振興などを唱えて猛追したが、勝利には至らなかった。選挙後、前川氏は本紙の取材に「多くの市民の皆さんに訴えが浸透できなかったのは残念だ。保守票が割れてしまったことや候補者を一本化できなかったことも影響したと思う」と語っていた。
 田原氏は議員の応援がなく、同級生を中心にした草の根の選挙戦を展開。市の財政問題、中学3年生までの医療費無料化、稲枝地域の振興などを訴え、最下位に終わったが、健闘した。選挙後、田原氏は「予想以上に得票が少なかった。厳しい選挙戦だった」と振り返り、告示前に持ち上がった前川氏との一本化については「一本化しても現職に勝てるとは思わなかった。今もその判断は間違っていないと思っている」と話していた。
「チャンス生かし強い彦根に」
 午後10時ごろ、びわ湖放送で当確の報道が出ると、西今町の選挙事務所内の広間に大久保氏が国会議員や県内の首長、支持者から拍手と歓声を受けながら登場。
 万歳をした後、大久保氏は滋賀国体にふれ「間に合うように県と協力していきたい」とし、対立陣営が指摘してきた財政面については「彦根の財政は極めて健全。市民からは心配する声もあり、説明不足だと思っている。まちづくりの大きなチャンスであり、そのチャンスを生かしていきたい。真の意味での強い彦根を作っていきたい」と語った。
 また翌日の24日には市長選の当選証書の付与式が市役所5階であり、市選管の小川良紘委員長から大久保氏に証書が渡された。式後、記者陣に大久保氏は選挙戦の感想などを語った。
 選挙戦を振り返っての問いに大久保氏は「市の財政状況を市民の皆さんに理解して頂く作業が十分でなかったと思っている。ほかの候補者がおっしゃった財政危機の文言に市民が反応されたこともあった。色々と考えさせられた選挙だった」と述べた。
 次期市政で相次ぐ大規模事業については「予算的なことよりも難度が高い事業が重なると理解しており、それを乗り越えるために頑張っていきたい」とし、そのうち図書館整備については「用地の選定をどういう手法でするのか、時間がかかる可能性があるが、最善を尽くしたい」と説明。
 最後に、市民に向けては「継続して頑張れとの審判を頂いた。持てる力をすべて出し切って実績をあげる4年間にしたい」と話した。

2017年4月22日土曜日

彦根市長選あす23日投開票

 彦根市長選はあす23日、投開票を迎える。出馬しているのは、現職の大久保貴候補(53)、新人で元毎日放送記者の田原達雄候補(68)、新人で前市教育長の前川恒廣候補(61)。争点となった大規模事業を中心に、3候補はきょう22日、最後の訴えを行う。
 大久保候補は知名度と組織力を生かし、個人演説会では国会議員や県議、経済界の重鎮らの応援を得ながら、会場をほぼ満員にする勢いで選挙戦を展開。4年間の実績をPRしながら、大規模事業について「着実に前に進める」と訴えてきた。22日は市内一円をこまめに回るといい、選対本部長の植田洋一さんは「現職優勢との報道があるが、実感しておらず、大激戦だと感じている」と話している。
 田原候補は議員ら組織の支援無しで、同級生を中心にした「雑草軍団」(陣営)で草の根の選挙戦をしてきた。「現市政の財政は危機的だ」と各事業の見直しを求めてきた。22日は市内全域に街宣車を走らせて、ベルロードを桃太郎作戦する予定。選対本部長の郡田等さんは「組織や利益集団、議員の支援がない孤立無援の戦いで非常に厳しい選挙戦だ」と語っている。
 前川候補は現職に対抗する議員の支持を得て、大手企業や市教育長での実績をアピールしながら「事業を見直した財源を教育や福祉にあてる」と語ってきた。22日は午前に稲枝・河瀬地区、午後に南彦根・彦根エリアを回り、午後5時~四番町ダイニング、同6時~中地区公民館で個人演説会。選対本部長の杉原祥浩市議は「支持の声は日に日に増している。やり残したことがないように最後の1日、訴えたい」と話していた。

2017年4月20日木曜日

彦根市長選、現職追う新人2人

 彦根市長選が16日告示され、現職の大久保貴候補(53)、新人で元毎日放送記者の田原達雄候補(68)、前市教育長の前川恒廣候補(61)が出馬。23日の投票まで熱い選挙戦が繰り広げられる。序盤戦を終えて、大久保候補を前川候補と田原候補が追っている情勢だ。
 今回の市長選は国体関連予算を中心に、図書館整備、広域ごみ処理施設など、今後予定されている大規模事業に対して、現職と新人で意見が異なり、争点化しつつある。
 大久保候補は「彦根は分岐点にある」「やりくり算段して、着実に進めていく」と述べるなど、各事業を計画通り進める意向だ。一方で田原候補は「市の財政は危機的な状況だ」とし、前川候補は「見直した財政を教育や福祉に回す」と計画を見直す考えを示しつつ、ひこね燦ぱれす周辺に建築予定の新しい市民体育センターを違う場所にする意向を示している。
 ほかの主な政策として、大久保候補は「図書館は彦愛犬の拠点として整備していく」「稲枝駅西口から県道2号線までの開発を進めたい」と説明。田原候補は「中学3年生までの医療費の無料化」「稲枝西口への図書館整備」を主張。前川候補は中学3年生までの医療費無料化のほか、「滋賀大のデータサイエンス学部の活用」「稲枝駅西口の整備」をあげている。
 大久保候補には民進党の田島一成衆院議員、中沢啓子県議、同党系の市議6人のほか、自民党の細江正人県議、大野和三郎県議(犬上郡)、市議数人が支援し、連合滋賀が推薦。知名度と組織力で他陣営に勝り、有利な戦いを見せている。
 前川候補には自民党の西村久子県議、自民または保守系、民進系、公明党の市議9人程度が応援。当初は現職のみの支持の可能性もあった自民党の上野賢一郎衆院議員が、前川候補の出陣式で応援演説をしたことで、同陣営に勢いがついており、現職を猛追している。
 田原候補は議員が付かない状況で、同級生を中心に「草の根」の選挙戦を展開しているが、厳しい戦いが続く。
 なお、選挙人名簿の登録者数は15日時点で9万1377人。

大野県議の集会に現職参加

 「彦根市大野和三郎を育てる会」は、市長選告示日の16日夜に、ひこね燦ぱれすで国政県政報告会を開き、大野県議が支援する大久保候補も「ゲスト」として参加した。
 報告会の冒頭、大野県議は「滋賀は南高北低で、湖東地域はインフラ整備が遅れている。そんな中で国体の主会場が彦根に決まった。大久保さんでなければ彦根に誘致できなかった」と持ち上げた上で「外町の交差点の渋滞を解消させて、多賀のスマートインターチェンジを整備すれば、彦根城、多賀大社、湖東三山に今より多くの観光客が訪れる」と解説。「この地域の経済を活性化させることで財政面も良くなり、その財政を教育や福祉に回せる」と語った。
 自民党の小鑓隆史参院議員、上野賢一郎衆院議員、二之湯武史参院議員も大久保候補への支持を求める演説をした後、大久保候補が登壇。「何年も動かなかった国道8号線バイパスを進めようとして頂いている。平成36年の国体はチャンスであり、都市基盤の整備を着実に進めていきたい」「福祉や教育の面もできることからやってきた。財政は良くなっており、貯金も増えている。政策を遂行できると自信を持っている」と述べ、ガンバローコールで締めくくった。
◆メモ帳
 彦根市長選告示前の13日夜に、市内の葛籠町公民館で「図書館整備についての意見交換会」があり、現職市長の大久保氏と大野県議が答弁者として参加した◆図書館について現市政は、中央館を河瀬・亀山学区に整備する計画であるため、同学区に位置する葛籠町、犬方町、法士町、出町の4自治会が意見交換会を企画。地元住民100人ほどが参加した◆大久保氏は図書館の整備計画や4年間の実績をアピールして退席し、中盤以降は住民の質問に大野県議が答える形式となり、彦根市の財政面にゆとりがあることを強調しながら、大久保氏への支持を求めていた◆この意見交換会を傍聴して違和感を抱いたのは、大久保氏と大野県議の「蜜月ぶり」よりも、ほかの彦根の県議3人は何をしているのか、という疑問である◆地元住民によると、中山道の交差点の危険個所について、大野県議に立ち合いを求めて、行政側と交渉にあたってもらっているという。確かに県議会の選挙区は前回の選挙から彦根市と犬上郡が一つになり、大野県議が彦根のために尽力するのは理解できるが、彦根選出の県議にはもう少し市民に頼られる存在になって頂きたいと思う今日この頃だ。     (山田)

彦根市長選3候補が第一声

 16日に告示された彦根市長選に出馬した3候補の出発式での第一声は以下の通り。
 大久保候補は地元の三津屋町で出発式を開いた後、パリヤ前で約300人を前に出陣式。「未熟な市長だったが、皆さんのお陰でつつがなく市政を運営することできた」と4年間を振り返った上で、「彦根は日本のど真ん中に位置する中で、我々が成し遂げることは何か。安心できる地域社会を築くために、福祉モデル都市を目指して進んでいこうという思いに変わりはない。健康長寿のまちを作るというのが私に求められた役割」と語った。
 また、子どもの貧困や学力向上など教育・子育て施策と、インフラなど都市基盤の整備の充実を進める考えを示した上で「県や国の協力を得て少しずつ彦根は変わりつつある。大きな流れを作り上げていきたい」と述べた。上野賢一郎衆院議員、田島一成衆院議員らが応援演説を行った。
 田原候補は銀座商店街の事務所前で約80人を前に「大久保市政の再選を阻止する」と第一声。「大久保市政は頼りない、任せておけないという不満が彦根の中に広く深く浸透している」と危機感を訴えた。そのうえで、財政健全化による財源確保や、新しい人事評価制度の導入で「市役所に対する市民の信頼を回復させたい」と呼びかけた。また「経済団体、ボランティア団体などいろんな団体と市長自らが友好的な関係を取り戻し、彦根市全体に本来のチームワークを取り戻したい」と語った。新人候補一本化の提案についても触れ「きっぱりと断った。前川さんに一本化しても勝てる見込みがないから」と振り返り、「どんどん目立てば私にも勝機がある。1週間しっかり頑張りたい」と決意を語った。同級生で長久寺住職の松山貞邦氏らが応援演説を行い、選対本部長の郡田等氏の合図で「ガンバロー」と気勢を上げた。
 前川候補は平田町の選挙事務所で約200人を前に第一声。約100億円に上る国体関連予算を見直す考えを示した上で「彦根の将来、未来につながる政策に振り向けていくのが私の役割。過去の4年間よりもこれからの4年間の彦根を導きたい思いだ」と意気込んだ。
 また民間企業や教育長の実績を示しながら「児童生徒の学力を向上させ、ハンディキャップのある子どもたちへの支援もしていきたい。民間企業で培った力でしっかりとした経営をしていき、地域振興を成し遂げたい」と説明。最後には再び新しい市民体育センターの整備方針を見直す方針を示しながら「ハンディキャップのある人たちが集える施設を作りたい」と述べた。上野賢一郎衆院議員や中村善一郎元県議、市議らが応援演説を行った。

2017年4月18日火曜日

彦根城の世界遺産 実現できる?

 彦根城の世界遺産登録についてはここ近年の市長選で、毎度のごとく市政課題の一つに取り上げられ、その後の市政において登録に向けた施策を進めてきたが、その実現のめどは見えていない。また市民の中には既にあきらめモードさえ漂っており、盛り上がりもいまいちだ。そんな中ではたして世界遺産登録は実現できるのだろうか。
 前市長の時代は、▽城内や大名屋敷など特別史跡内を「コアゾーン」に、旧城下町を「バッファゾーン」に分けて登録を目指す単独案▽松本城、犬山城、すでに世界遺産になっている姫路城との国宝四城(当時)案を中心に進められてきた。
 しかし現市政は国宝案を外し、特別史跡内のコアゾーンに焦点を絞った形で進めてきたが、平成28年度には城下の物件を加える形に変遷。3月末には特別史跡と、辻番所、井伊神社、外堀土塁など城下の5件を含めた「城を中心に発展した江戸時代の都市構造」をコンセプトにした準備状況報告書を文化庁に提出した。
 今後、井伊家ゆかりの寺や藩校、武家屋敷、お浜御殿などが追加されることも考えられるが、彦根城世界遺産登録推進課の担当者は「国の重要文化財クラスを中心に世界遺産の登録候補物件に加える場合もあるが、逆に外していくこともあり、最終的には5件前後になるのでは」としている。
 市は今年度から2、3年かけて推薦書原案を作成し、並行して学術検討委員会で協議をするなどして、平成33年度までには国内推薦を受けて、同36年度までに世界遺産登録を目指す意向だ。
 しかし、世界遺産登録のネックになっている姫路城や世界のほかの城郭との差別化が図れるのかは未知数である。しかも肝心の市民の盛り上がりは皆無に等しく、市がどれだけ啓発しても響かないのが現実だ。彦根城の世界遺産登録の前途はまだまだ厳しいと言えよう。【山田貴之】

カナダで結成された日系人たちの野球チーム「バンクーバー朝日軍」会長だった松宮外次郎の孫にあたる松宮哲さん本「松宮商店とバンクーバー朝日軍―カナダ移民の歴史―」発刊

 大正時代にカナダのバンクーバーで結成された日系人たちの野球チーム「バンクーバー朝日軍」(以下朝日軍)の会長だった松宮外次郎の孫にあたる松宮哲さん(69)=開出今町=が、朝日軍などカナダ移民をまとめた本「松宮商店とバンクーバー朝日軍―カナダ移民の歴史―」を発刊。将来の歴史館の創設を願って、希望者には無料で渡している。
 松宮さんによると、外次郎は24歳の時の明治28年(1895)に初めてカナダに渡って以降、帰国と渡航を繰り返し、3回目に渡航した明治38年の時にバンクーバーのパウエル街で食料品を扱う松宮商店を開業。その後、和洋雑貨や運送なども手がけ、バンクーバー市商業組合会頭も務めた。
 そんな際に野球チーム設立の機運が高まり、開出今出身の宮崎伊八の提唱で大正4年(1915)に朝日軍が結成されて現地の白人リーグに加入。結成当時のメンバーには、北川初太郎、堀居由太郎、北川英三郎(以上3兄弟)、松宮惣太郎、西崎与惣松ら開出今出身者がおり、在留邦人でも英雄視されていた。太平洋戦争が勃発する昭和16年までの約25年間、現地で白人たちのチームと対戦し続け、在留邦人を楽しませたほか、その後の日加親善にも貢献。平成15年にはカナダ野球殿堂入りを果たしており、時銘板には74人が刻まれている。
 平成26年秋に映画「バンクーバーの朝日」が上映されたのを機に、松宮さんは朝日軍について調べ始め、滋賀彦根新聞をはじめとするマスコミを通じて約2年間、情報を収集してきた。
 本は2部構成で、第1部の「松宮外次郎が生きた時代」では外次郎ら彦根をはじめ湖東地域の人々がカナダに渡った経緯やバンクーバー市のパウエル街での生活を紹介。カナダでの商売の様子や、現地人による排斥(バンクーバー暴動)などについて説明している。
 第2部の「バンクーバー朝日軍の歩み」では、当時現地で発行されていた日系人向けの新聞「大陸日報」の記事を中心に、小学生のチームに負けた最初のころから、リーグ優勝するまでの朝日軍の成長ぶりを解説している。
 松宮さんは「朝日軍の歴史が記憶遺産として残していけるよう、この本が博物館などの建設の動きが立ち上がるきっかけになることを期待しています」と話していた。
 本はB5判、248ページ。500部発行。問い合わせは松宮さん☎090(9878)4193。

地域課題の解決に貢献していく研究拠点「地域ひと・モノ・未来情報研究センター」滋賀県立大学工学部に設置

 農業や観光、看護などの分野の地域課題の解決に貢献していく研究拠点「地域ひと・モノ・未来情報研究センター」が1日、彦根市八坂町の滋賀県立大学工学部に設置。同日、工学部で銘板の除幕式が開かれた=写真。
 県立大では平成27年秋から、工学部内のICT(情報通信技術)を活用してさまざまな分野の課題解決に貢献していく拠点作りが学内で行われていた。同センターでは環境、健康福祉、観光のいわゆる3Kをテーマに、各分野の多様な情報をICTによって解析、共有化して課題の解決を図る「滋賀モデル」を構築し、全国への発信も目指す。
 具体的には、熟練農業者の作業経験のデータベース化など「農業」、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を用いた新たな情報の提供など「観光」、タブレット端末を利用した訪問看護の効率化など「看護」の研究を進める。
 同センターでは工学部のほか、環境科学部、人間文化学部、人間看護学部の計4学部が連携して進めていくため、除幕式でセンター長の酒井道教授は「4学部すべてが横断的に取り組むシステムで、農業、観光、看護の分野の課題研究に努めたい。滋賀県や民間企業との連携も図っていきたい」と述べた。
 5月末には県立大の交流センターで同センターを設立した記念のシンポジウムを開催する。

荒神山の森林伐採問題で、市が設置したガードレールの費用を伐採した者に支払わせるよう求め住民監査請求

 彦根市日夏町の荒神山東側の森林が約8450平方㍍にわたって伐採された問題で、伐採後に市が設置したガードレールの費用約587万円を伐採した者に支払わせるよう求めた住民監査請求が5日、行われた。
 本紙では昨年1月27日付でこの問題を報じた。彦根市は土地の所有者から平成26年8月27日に太陽光パネルの設置申請を受けて、関連条例に基づき9月5日に許可。県も平成27年8月中旬の「獣害対策」としての森林伐採の申請に対して認可している。その後、伐採が始まったが、予定エリアのうち約3000平方㍍が他人の土地だったことが判明。林道近くにも及んでいたため、同27年度から同28年度にかけて林道沿いにガードレールが設置された。
 請求書では「樹木の伐採で林道の強度が確保されなくなった。また樹木がなくなったことで、道路の形状の予測がつきにくい危ない林道になった」「伐採行為を原因として、それまで不要だったガードレールが林道の安全性を確保するために必要となったのは明白だ」と指摘。土地の所有者か伐採した者に対して、ガードレールの設置費用の負担を命じるよう求めている。
 この問題については山内善男議員が昨年の2月議会で取り上げ、業者に責任を負わせるよう求めた質問に対し、市は「業者への聞き取りでは錯誤による伐採で、国の指針に基づいても罰則にあたらない」と答え、大久保市長も「当該地を見たが、心痛む光景だった。植林をして頂くことで風致が回復するのを見守りたい」と答弁している。

2017年4月16日日曜日

図書館整備は最小限で

 彦根市には尾末町に市立図書館があるが、市が今年3月に策定した図書館整備基本計画では、拠点になる「中央館」を河瀬か亀山学区に、「地域館」として現図書館を北部館に、稲枝に南部館を創設し、新しい市民体育センター内に予約の貸し出しと返却のみのサービスポイントを設置するとしている。
 つまり現在の1館体制から、彦根、南彦根、河瀬、稲枝の市内4駅ごとの3館プラス1館体制に増やしていく計画だ。図書館を増やす理由としては、▽図書収容能力40万冊に対して77万冊以上あり、キャパをオーバーしている▽彦根市の南部地区の利用率が低くなっている▽全国の同一規模の自治体の多くが3館体制になっている―ことなどがある。
 だが、今後さまざまな大規模事業が続く彦根市で、3館プラス1をスムーズに整備できるだろうか。また中央館は本来、新しい市民体育センターが建てられる予定の南彦根駅前のエリアへの整備が有力視されていた。
 一部の市議らの間では「中央館の位置を南彦根駅前にし、新しい市民体育センターの建設地を再検討するべきだ」との意見がある。また財政面から、北部館においては最低限の改築のみで、南部館も稲部遺跡を絡めた資料館的な役割で遺跡周辺に建設するのが最善との声もある。
 今回の図書館整備には彦愛犬の湖東定住自立圏との兼ね合いもあり、中央館を1市4町の「拠点」にしたい考えがあるようだ。しかし多賀や愛荘など各町にはすでに市レベルの立派な図書館があることから、「拠点」にこだわるべきか、今後の議論の余地がある。
 図書館整備に関しては、中央館と南部館の建設予定地、総経費、完成時期が未定である。次期市長はすぐに建設地を決め、早急かつ財政支出を極力抑える工法で各図書館を整備するべきだ。【山田貴之】

彦根市長選の公開討論会、立候補予定者3氏が大規模事業や稲枝地区の振興策などで議論

 彦根市長選の公開討論会が9日、ビバシティホールで開かれ、立候補を予定している元毎日放送記者の田原達雄氏(68)、前市教育長の前川恒廣氏(61)、現職の大久保貴氏(53)が大規模事業や稲枝地区の振興策などについて討論した。
 現市政への評価について、前川氏は次期市政で大規模事業が続く点にふれながら「現在の財政状況ではやっていけない。ストップをかけて事業を見直して、教育や福祉に回す必要がある。私には国とのパイプもある」と述べた。
 大久保氏は「彦根は魅力のあるまちであり、市民の皆さんの理解と協力によって4年間、市長を担ってきた。人口減少の中で、彦根は人口が増えている。彦根が注目されているということを理解して頂きたい」と語った。
 田原氏は「市の財政は危機的だと思っている。今年度予算は市長選を控えて、あらゆる方面に予算措置をして過去最大規模になった。県知事と市町首長との会議でも発言しないのはどういうことか」と話した。
 観光については、田原氏が「彦根城内に土産店を作りたい。佐和山城跡には鳥居本からのルートを整備したい。博物館には貴重な文化財が多くあるため、彦根以外で展示するアウトバウンドの戦略を立案したい。観光協会は市と相互依存体質のため、民間活力で自立した組織にしたい」と説明。
 前川氏は「彦根城の世界遺産は今のままでは難しい。築城410年祭の目標は90万人らしいが、私なら(おおよその平均)70万人の2倍にできる。滞在型観光も進んでいない。発進力が欠けているのが原因であり、イベント(ゆるキャラまつり)が午後3時に終わるのもおかしい」と解説。
 大久保氏は「ひこにゃんと一緒に台湾やイギリスを訪れ、彦根をアピールしてきた。彦根城が世界遺産になれば多くの外国人も訪れるが、(登録までの)宿題は姫路城との差別化と世界の城郭との違い。平成33年度に推薦書を作成し、36年度の登録を目指す。市民に知って頂けるよう議論を深めたい」と述べた。
 討論の場面では田原氏の「この4年間を自己採点するならば」の質問に、大久保氏は「約束事は十分ではないかもしれないが、できたと思っている。全国一の福祉モデル都市には道半ばであるため、市民の審判を仰ぎたい」と回答。
 前川氏は、今年1月に市が発表した中期財政計画に広域ごみ処理施設や図書館などの整備費が入っていない点を疑問視。これに対し大久保氏は「用地がまだ決まっていない中で財政計画に入れるのは技術的に難しい」と返答。また田原氏は「現職には有力な方が付いており、その人の意向で財政出動される懸念がある。影響力の出ない市政が必要だ」と述べ、前川氏も「有力な方とは誰か」と迫った。これに対し大久保氏は「国体関連の事業で皆さん大変苦労している。国や県の支援を頂いて、市政を進めたい」と明確な回答を控えた。
 討論会後、来場していた岡田明穂さん(19)は「候補予定者の方の考えの違いが少し把握できた。予定者の皆さんには地域を活性化するための政策を訴えてほしい」と話していた。市長選の討論会は彦根青年会議所が主催し、市民141人が来場した。

2017年4月13日木曜日

彦根市長選を前に、滋賀彦根新聞とエフエムひこねが立候補予定者3人にインタビュー

 16日告示・23日投票の彦根市長選を前に、滋賀彦根新聞とエフエムひこねは立候補予定者3人にインタビューを行った。立候補予定者は出馬表明順に、元毎日放送記者の田原達雄氏(68)、前市教育長の前川恒廣氏(61)、現職の大久保貴氏(53)。
 インタビュアーは市男女共同参画センター長の土川慶子さん、エフエム彦根の小幡善彦社長、本紙編集長の山田貴之が務め、大規模事業における財政面や稲枝地域の振興策、子どもの貧困対策などについて聞いた。
 田原氏は、子どもの頃と比べた現状について「繁栄している映像がくっきりと残っており、繊維業をはじめ廃れていった現状との落差を感じる。現市政は観光行政の傾向が強い。市民生活や住みよい環境作りにしっかりとした目を向けないといけない」と説明。
 主な政策については「人口減少の中で、若い世代にどれだけ移り住んでもらって彦根を活性化できるかが大事。その1つが中学3年生までの医療費を無料化にすること。事業計画を徹底的に見直して財政を健全化して、財源を捻出しながら医療費・通院費の無料化をしていきたい」と語った。
 図書館整備については稲枝駅西口に小ぶりの南部図書館を整備したい。図書館協議会では中央図書館の新設を求める意見が出ていたが、現在の尾末町の図書館がまだ使用できると仮定して、まずは稲枝に図書館を設けるのが有効だ」と話した。
 このほか、危機管理体制については豪雪の時の予算措置が少ない点を指摘した上で「台風などで避難する際、場所によっては芹川を越えていく場合があるので、根本的に避難場所を見直す必要がある」と語った。
 前川氏は教育長時代の実績として、「ESD教育と呼ばれる持続可能な社会を担う人づくり。これを各学校において実施してきた」とした上で、子どもの貧困については「子どもの6人に1人が貧困状態にあると言われており、教育長時代もそのような家庭を見てきた。中学3年生までの医療費を無料化することで、子育て世代への負担を軽減したい」と話した。
 次期市政で大規模事業が続く点については「大事なのは人への投資であり、そのための予算を確保しなければいけない。現市政が進める国体関連予算は100億円近くだが、実際に進めると、家計でいう貯金にあたる財政調整基金が少なくなる」とし、新市民体育センターについては「今後、武道館やスイミングセンターを整備できるように、拡張性のある場所に建設するべき。計画されている南彦根駅前は福満遺跡や住宅地もある。ひこね燦ぱれすも取り壊す必要はない」と見直す考えを示した。
 大学卒業後に彦根に戻って来られる体制作りとしては、滋賀大学に設置されたデータサイエンス学部をあげて「この学部を中心にビジネスコンテストを実施することで、若きベンチャーキャピタリストが招ける。若い人が利用できる最先端の機能を備えたビジネスオフィスを提供し、そこから起業する体制ができれば、若者が戻ってくると思う」と語った。稲枝地区の開発については「稲枝駅西口の道路整備を早期に進めるため、稲部遺跡の発掘調査行って遺跡として残す規模、境界を決めた上で、一帯の整備を進めたい」と話した。
 大久保氏は大規模事業について、「あらゆる手段を使って、やりくり算段しなければいけない。4年前の就任時も稲枝駅の整備、紫雲苑、給食センター、庁舎の耐震化が立て込んでいたが、やりくりして小中学校へのエアコンの設置も進めた。厳しい中で、国や県の支援を受けながら進めたい」と説明。図書館の整備方針については「図書館は市民にとって非常に重要だと認識している。用地の確保、地域のアクセス面を考えて、彦愛犬の広域の図書館機能という視点で丁寧に着実に実行したい」とし、広域ごみ処理場については「応募のあった地域から色んな声を聞いており、何とか実現していくため、選定を延期した。4町との合意形成に時間も必要だと思い判断した」と述べた。
 子どもの貧困対策については「子どもの貧困は見えにくいが、例えば、子ども食堂においても現場でしか解決できない糸口がある。行政として何ができるのかを議論しながら進めたい」と説明。若者が帰郷し易い環境作りとしては「大企業を誘致するのが難しい中で、ベンチャーや研究開発の小規模な企業の立地を促進する仕組みを作った。人口は少し増えているため、この状況を維持するため、あらゆる施策をしていきたい」と語った。
 稲枝地域の開発・振興策については「稲部遺跡の範囲がどこまでかを調査しながら、地元の皆さんにも提示して、活用方法を考えたい。県道2号線から稲枝駅までの開発について地区計画を進める中で、着実にできるようにしたい」と述べた。
FM彦根で随時放送
 エフエム彦根(78・2MHz)は立候補予定者へのインタビューの模様を10日から告示日前日の15日まで(13、14日除く)随時放送する。
 放送時間は10日~12日が午前6時5分、同8時、午後0時半、同3時、同4時、同5時35分、15日が午前8時、同9時、同11時、午後4時、同5時、同6時の1日計6回ずつ。
 立候補予定者1人につき、1回20分間で時間に分けて放送していく。問い合わせはエフエム彦根☎(30)3355。

夢京橋キャッスルロードの店舗に切り絵作家の早川鉄兵さんの作品がお目見え

 彦根市の夢京橋キャッスルロードの店舗に、切り絵作家の早川鉄兵さん(35)=米原市=の作品がお目見えし、観光客らの目を引いている
 早川さんは石川県金沢市生まれ。幼少期に母親と一緒に切り絵で遊んだのをきっかけに興味を持ち、平成23年から米原市の伊吹の地で創作活動をしている。
 今年8月に映画「関ヶ原」が公開される予定で、石田三成が再び注目されることが予想されるため、市民有志団体・三成の戦実行委員会が「関ヶ原鳥獣戯画」と題して早川さんの切り絵でキャッスルロードを彩るイベントを企画。
 早川さんはこの企画に合わせて、自宅近くに出没するというクマやリスなどの動物の白と黒の作品約40点を制作。3月31日と今月3日に夢京橋あかり館、あゆの店きむら、源内、千成亭、政所園の店先に数点ずつ設置した。それぞれの動物は映画にちなんで、甲冑を着けたり、弓矢や刀、やりなど武具を持ったりしている。
 早川さんは「戦をしているようだけど、どこかほのぼの感じて頂ける作風にした。古い町並みにも合わせました」と話していた。展示期間は未定。

2017年4月10日月曜日

稲枝地区を発展させよ

 市南部(稲枝地区)をいかに発展させるか―。これまでに幾度となく話題にあがっているが、いつまで経っても変わらぬ現状に、稲枝の住民からは「市の施策は市街地(北中部)ばかりだ」など皮肉る声が毎年のように聞かれる。
 稲枝では昨年、稲部町と彦富町で発掘中の稲部遺跡が極めて重要な遺構であることがわかり、全国的にも話題になった。
 道路整備に伴う発掘調査だったため、市は今年2月に遺跡を保存して道路計画を見直すことを決定。一方で、一部の地元住民からは道路整備が遅れるため、計画通り進めるべきだとする声もあり、市は遺跡の保存と道路整備の両輪で進める必要がある。
 稲部遺跡と道路整備の計画がある稲枝駅西口エリアでは、朝鮮人街道にかけて商業施設などを建設する計画が以前から持ち上がっていたが、農地転用の話が進まずに開発が遅れているという。
 市が道路計画の見直しについて、さきごろ稲枝住民を対象に行った説明会では、住民から「彦根城を中心にした施策が目立つ」「稲枝は地盤沈下が年々、進んでいる」など、稲枝地区の開発と振興を求める意見があがっていた。
 稲部遺跡を中心にした稲枝地区の開発を早急に進めるべきであり、遺跡に関する博物館などの文化ゾーン、住宅エリア、商業施設の整備を進めると共に、荒神山と稲部遺跡を絡めた観光面でも活用できるであろう。
 稲枝駅西口エリア以外の地域でも農業を中心にさまざまな分野で開発、振興を図れる要素があり、稲枝地区の発展は次期市長の力量次第である。 【山田貴之】

平和堂、平松正嗣・専務取締役営業統括本部長が代表取締役社長兼COO(最高執行責任者)就任へ

 平和堂は4日、平松正嗣・専務取締役営業統括本部長(59)が代表取締役社長兼COO(最高執行責任者)に就任する人事を内定したと発表。夏原平和代表取締役社長(72)は代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)に就く。来月18日の定時株主総会と取締役会で正式決定する。
 平松氏は大阪出身。阪大卒業後、ソニーやスクウェア・エニックスで務めた後、平成22年1月に平和堂へ入社。常務取締役などを務め、同27年5月から現職だった。
 平和堂広報課は「創業60周年の節目を迎え、今後一層社業を発展させるため決めた」としている。夏原社長の息子の行平専務や陽平取締役に繋げる前に会社形態を盤石にしたい考えもあったとみられる。

2017年4月5日水曜日

彦根市長選、現職優勢の状況に新人2人が一本化に向けて協議

 彦根市長選に出馬を予定している、前市教育長の前川恒廣氏(61)と元毎日放送記者の田原達雄氏(68)が3日、「候補者の一本化」に向けて協議を行ったことがわかった。協議の場には自民党の西村久子県議も立ち会った。
 市長選にはほかに現職の大久保貴氏(53)が出馬を予定しており、同陣営には民進系の国会議員、県議、市議のほか、自民系の県議、市議も応援している。前川、田原両氏にも自民系の元県議や市議が付いているため、いわゆる保守が3陣営に分裂した状態になっている。また現職という強さと知名度で勝ることから大久保氏が優勢とみる両陣営の危機感も背景にあると思われる。
 関係者によると、西村県議らが仲介となって、前川氏と田原氏を招いて稲枝で協議を行った。事実上、前川氏を候補者として擁立し、田原氏が出馬を取りやめる形の一本化を目的にした話し合いだったが、結論は出なかった模様だ。田原氏は協議後の本紙の取材に「出馬の方向だ」と話しているが、16日の告示を前に最終的な調整が続くとみられる。

彦愛犬地域のごみ処理施設の建設候補地の選定「29年度に遅らせる」

 彦根愛知犬上広域行政組合(管理者・大久保貴市長)は3月30日、28年度中を予定していた彦愛犬地域のごみ処理施設の建設候補地の選定を「29年度に遅らせる」と発表した。
 昭和52年に建てられた野瀬町の彦根市清掃センターの老朽化に伴い、同組合が代替施設の候補地を模索。平成27年10月からは1市4町内で、45㌶の土地が確保できる地域の自治会長や土地所有者を対象に新施設の建設候補地を募集し、昨年7月末までに彦根市内の3地域、愛荘町内の2カ所から応募があった。同組合内の選定委員会が候補地の順位付けを行い、今年2月13日の15回目の会議を経て、1市4町の首長と彦根の副市長による管理者会に報告。管理者会では今月9日までに3回の会議を開いてきたが、「5カ所とも候補地になり得るため、時間をかけて協議する必要がある」として、候補地選定を「できるだけ早い時期に」遅らせることを決めた。
 今後のスケジュールとしては、管理者会が候補地を決めた後、基本計画を策定し、ボーリング調査や測量などを行い、平成30年度以降に4年半ほどかけて環境アセスメントの調査、土地の購入などを経て、同35年ごろから建設に入り、同39年度中に完成させる予定。総経費は平成20年度の基本構想時で約102億円と概算されている。
 新しいごみ処理施設の候補地選定を巡っては、これまでに石寺町、海瀬・三津町の地域が候補地にあがったが、地盤の軟弱や地元の反対で、石寺が平成20年5月に、海瀬・三津町が平成25年3月に計画が白紙化した経緯がある。3度目の今回は初めて公募制を採用し選定を進めているが、一部の地域では反対の署名活動も行われるといい、今後の動向が注目される。

2017年4月4日火曜日

大規模事業を精査せよ

 次期市長の任期中は大規模事業が相次いで実施または進捗する予定で、市の財政面の負担が懸念され、各事業の見直しが必要な状況だ。
 まず市役所庁舎耐震化関連はすでに整備が始まっており、平成29年度、30年度で計約36億円が支出される。国体関連費としては、主会場整備に伴って移転する新しい彦根市民体育センターには約60億円(業者は54億円とも)、再整備される金亀公園には24億3000万円とする概算が公表されている。
 このほか、図書館整備においては河瀬・亀山学区に中央館を新築し、現在の市立図書館を北部館として改築、稲枝地区に南部館を整備、新しい市民体育センター内に図書機能を持つサービスポイントを設置する計画がある。これらの総経費はまだ未定だが、数十億円に上ることが予想される。
 さらに彦愛犬1市4町で建設候補地を選定中の広域ごみ処理施設は、平成20年度時の概算で102億円の数値が公表されている。
 上記以外にも、渋滞緩和のための道路整備、稲枝駅西口開発、彦根駅東口整備などさまざまな事業が予定されており、相次ぐ大規模事業を計画通りの規模で進めれば、市の財政状況の悪化が予想される。
 市は今年1月に公表した平成29年度から33年度までの彦根市中期財政計画において、社会保障関連費や公債費、建設関連(庁舎耐震、国体のインフラ整備、新市民体育センター整備)の投資的経費が増加することで「財源の不足が見込まれる」とし、この財源不足に対しては「約50億円(平成27年度末)ある財政調整基金などの基金の取り崩しなどで収支の均衡を図る」と説明。その上で「限りある財源を効果的に配分し、将来の財政負担に備えた財政運営が必要」としている。
 しかし基金の取り崩しはもちろん、国や県の補助金頼りで、これらの大規模事業をそのまま進めることは、市の財政が悪化するのは必然である。一般財源のうち借金の返済にあてる割合・実質公債費比率は平成27年度決算時で8%だが、10年前ごろの20%台に悪化することなきよう、各事業規模の縮小または見直しが求められる。【山田貴之】

2017年3月31日金曜日

4月23日投票の彦根市長選挙 事実上の選挙戦モードに

 4月16日告示、23日投票の彦根市長選挙まで1カ月を切り、立候補予定者の3氏が事務所を設けるなど事実上の選挙戦モードに入っている。立候補予定者は、新人で元毎日放送記者の田原達雄氏(68)=元岡町、新人で元市教育長の前川恒廣氏(61)=池州町、現職の大久保貴氏(53)=三津屋町(出馬表明の順番)。3氏が事務所開き時に述べた内容や支持する議員の状況などを紹介する。
 田原氏は昨年10月に出馬を表明し、駅立ちや街頭演説、ミニ集会をしてきた。今月1日に銀座町の旧文具店で事務所開きを行い、現市政について「観光一辺倒だ」と指摘した上で「子育て世代への支援は近隣3市と比べても不十分だと言え、このままだと若い人が移り住んで来ない」と解説。自身の知名度が低い点にもふれ「皆さんの支援をお願いしたい」と述べた。田原氏には市議2人が応援している。田原氏の事務所は銀座町2の22、☎(22)3180。
 前川氏は昨年11月に出馬を表明し、街頭演説や支援者回りなどをしてきた。今月20日にベルロード沿いの平田町に事務所を設置。次期市政では大規模事業が相次ぐことにふれ「財政的に適正かどうかの協議が不十分だ」と指摘した上で「市民の生活への支援に目を向けるのが大切。大きな花火よりも、小さい所、細かい所に行き届かせるのが政治の役割だ」と語った。教育長時代の実績にもふれた上で「次の世代を担っていく教育を進め、若い人たちが暮らしやすい彦根にしたい」と述べた。前川氏にはこれまでのところ市議5人前後のほか、幅広い政党の支持者が支援している。前川氏の事務所は平田町255番地、☎(47)3090。
 大久保氏は昨年の12月議会で出馬を表明。今月25日に西今町の事務所開きであいさつ。市役所の耐震化問題や除雪対策で市民の厳しい声がある点にふれ「受けとめていく必要がある」とした上で、彦根の現在の状況について「大きな節目の時期にある。国体の周辺整備の事業などで財政上、厳しくなるという意見がある。平成28年度決算は前年度よりも良くなる見込みだが、心配していく必要があり、堅実財政でやりたい」と話した。子どもの医療費を小学3年生まで無償化することや市立病院の産科医の招へいなどの実績をあげながら「都市間競争の激しい中で、少しずつ前に進めたい」と述べた。大久保氏には民進党の国会議員のほか、民進系と自民系の県議3人と市議10人ほどが付いている。大久保氏の事務所は西今町932の1、☎(21)3755。
 ※解説=彦根根市長選まで1カ月を切ったものの、市民の盛り上がりはいまいちであり、投票率は事実上の過去最低だった前回の41・82%を下回る可能性がある。
 その原因は争点が無いためだが、市政の課題はさまざまある。市民の身近な生活の問題から、市全体の将来に関わる重要案件まで多岐にわたる。
 詳細は今後の弊紙で紹介していくが、これまでの取材から鑑みると、立候補予定者の3氏がそれぞれの問題点について三者三様の考えを持っており、市民の判断材料には十分になり得る。
 市民の皆さんは投票日まで3氏の考えを是非、吟味してほしい。(山田)

2017年3月29日水曜日

長曽根町の住民たちが江戸時代から現代までを絵にまとめる作業、来月にも完成

 彦根市長曽根町の住民たちが、江戸時代から現代までの長曽根を絵にまとめる作業をしており、来月にも完成させる。
 長曽根について記した江戸時代を中心にした古文書が約1100点残っているほか、明治、大正時代の歴史を伝え聞いてきた住民もいることから、長曽根町内では平成27年3月に長曽根歴史勉強会を立ち上げて、古文書などを解読する作業と、長曽根の暮らしを絵に残す取り組みを企画。町内の高齢者約15人に聞き取り調査をしたり、滋賀県立大学の上田洋平助教から「ふるさと絵屏風」作りを習うなどして、昨年6月から絵を描き始めた。
 住民有志5人と住民の知人で絵描き経験がある臼井美保さん(39)=大阪府茨木市=が、毎週2回ほどのペースで長曽根町民会館に集まって作業。横270㌢×縦165㌢の画用紙に、かつて建っていたオーミケンシや鐘紡の彦根工場、戦前に戦闘機を作る工場があったため米軍のB29の空襲と日本の零戦が飛び立つ様子、長曽根出身との説がある江戸時代初期の刀工・長曽祢虎鉄(こてつ)が使ったと伝わる井戸、彦根城の外堀や周辺の寺社などを四季ごとに描いているほか、町内に建っている約60戸すべての家をそのままの形で表している。江戸時代の絵図のコピーなど一部は切り貼りもしている。
 4月末までに原画を完成させ、スキャナーでデータ化し、印刷した後、額装仕立てをして、町民会館に展示する予定。長曽根歴史勉強会会長の北村恭弘さん(69)は「長曽根にはさまざまな歴史が残っており、言葉だけではなかなか後世に伝わらない。絵として残していきたい」と話していた。

千成亭「直虎うどん」考案し夢京橋キャッスルロードの麺匠ちゃかぽんで販売

 NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の放映と彦根城築城410年祭に合わせ、千成亭は「直虎うどん」を考案し、夢京橋キャッスルロードの麺匠ちゃかぽんで販売している。
 カレーうどんに、女性のまろやかさをイメージしてチーズを加え、中央に近江牛のしぐれ煮をのせている。カレー上のチーズが虎のように縞模様になっているのも特徴。
 直政、直孝、直弼の「赤鬼うどん」も提供している。千成亭の上田勝之専務は「趣の違う商品を食べ比べて頂けるとありがたい。築城410年祭に訪れる観光客や市民の皆さんにおいしく味わって頂きたい」と話していた。
 1220円。12月末まで。定休日は毎週火曜と第2・第4月曜。

2017年3月28日火曜日

彦根商工会議所青年部考案 三ヶ日みかんの井伊お酒

 彦根城築城410年祭とNHK大河「おんな城主直虎」の放映に合わせて、彦根商工会議所青年部が「三ヶ日(みっかび)みかんの井伊お酒」を開発した。
 井伊家発祥の地の遠江(静岡県浜松市)から始まり、近江で結実した井伊家の歴史にちなんで、浜松の名産の「三ヶ日みかん」を使って、長浜市の佐藤酒造が日本酒をベースにリキュールとして製造。香りの成分が多く含んでいるみかんの皮までを使っており、ほかのみかんのリキュールにはない苦みや香りを実現しているという。
 アルコール度数は8度以上9度未満。市内11店の飲食店で提供しているほか、4月上旬には瓶詰めで750円(300㍉㍑)と1500円(720㍉㍑)で佐和町のさざなみ酒店と佐藤酒造で販売される。

全国公開される映画「トリガール!」にひこにゃん出演

 彦根市は22日、9月1日に全国公開される映画「トリガール!」にひこにゃんが出演すると発表。ひこにゃんの映画出演は初めて=写真は(C)2017「トリガール!」製作委員会
 映画「トリガール!」は毎年夏に松原水泳場で行われている鳥人間コンテストをテーマにした作品で、英勉さんが監督を務め、土屋太鳳さん、間宮祥太朗さん、高杉真宙さんらが出演する。
 昨年夏の鳥人間コンテストの時期に撮影が行われ、ひこにゃんが登場した際には出演者やスタッフは興奮気味になり、土屋さんも「かわいー、あんまり背、変わらないね」など握手をしながらあいさつ。英監督からの指示に、ひこにゃんはうなずいてコミュニケーションをとるなど、撮影が終わるまで愛嬌を振りまいていたという。
 映画を予告する特報映像が今月22日にインターネット上で公開され、ひこにゃんの姿も見られる。市は4月以降、映画と連携したポスターの掲示や、試写会などへのひこにゃんの参加で、市への誘客に向けたPRも努める考え。

2017年3月24日金曜日

屋形船を運航するNPO法人小江戸彦根、彦根城築城410年祭に合わせて内堀にニシキゴイ放す

 彦根城の内堀で屋形船を運航するNPO法人小江戸彦根は16日、彦根城築城410年祭に合わせて内堀にニシキゴイを放流した。
 小江戸彦根は平成19年に開催された築城400年祭に合わせて屋形船の運航を開始。10年間で10万人以上を乗せてきた記念と築城410年祭の開幕を前に、ニシキゴイのし魚300匹以上を内堀に放すことにした。
 玄宮園前の船着場では放流イベントが行われ、棚橋勝道理事長は「10年間無事故で運航することができ、感謝の意味を込めてニシキゴイを放流する。築城410年祭を前に花を添えることができる」とあいさつ。
 その後、ノゾミ保育園の年長組の園児26人が2人一組となり、生後8カ月・20㌢超の紅白、三色、五色の3種類のニシキゴイ5、6匹ずつが入ったバケツを手に内堀に放流。園児たちは「元気にね」「大きくなってね」などと声をかけながら、やさしく放していた。
 なお、小江戸彦根は築城410年祭が開幕する18日午前11時~と午後1時~の30分間ずつ、屋形船を長唄と三味線を演奏しながら、船着場から彦根東高前付近まで往復運航させる。

2017年3月21日火曜日

市民参加のまちづくり目指し児島聖治さんが市民団体「こうしよう!ひこね市民会議」発足、「まちかふぇ」の協賛店を募集

 市民自らでまちの将来像を描いて、行政と協働でまちづくりに取り組むことを目指し、彦根市芹川町の児島聖治さん(53)=写真=が市民団体「こうしよう!ひこね市民会議」(市民会議)を発足。活動の1つとして、地域住民らが交流できる「まちかふぇ」の協賛店を募集している。
 児島さんは関西学院大学卒、筑波大学大学院修士課程修了後、滋賀県庁に入庁し、工業技術センター、県政策研究グループ、琵琶湖研究所などで働き、地域で開催されるワークショップやフォーラムなどにも積極的に参加。平成25年3月に親の介護のため退職した。
 彦根が将来も安心して暮らせるよう、市民自らでまちづくりの方向性を考えて、市の計画へ提言したり、市の事業に参画したりしていこうと、今年1月に市民会議を設立。児島さん自身も市の都市交通や図書館整備、地域福祉、多文化共生などの計画に意見を出している。
 「まちかふぇ」は、サロンや勉強会、ミニコンサート、留学生ら外国人との交流会などの形式で、市民が集って、憩いや学び合うことができるプロジェクト。特に高齢者や子育て中の母親、大学生が気軽に集える場所作りを目指す。カフェなどの協力店や、各店でイベントを開催したい企画を募集している。
 児島さんは「ご自身のお店を開放して頂ける方、まちづくりのために何かをやってみたい方、このプロジェクトに関心のある方の連絡を待っています」と協力者を呼びかけている。詳細は「ひこね まちかふぇプロジェクト」で検索を。問い合わせは児島さん☎090(1020)9806。

長時間労働で彦根観光協会に是正勧告 男性職員への労災認定も、彦根労働基準監督署

 彦根観光協会の男性職員(41)がうつ病を発症したのは長時間労働が原因だとする労災認定を、彦根労働基準監督署が下していたことが15日までにわかった。また彦根労基署が彦根観光協会の長時間労働を見直すよう、昨年12月に是正勧告をしていたことも明らかになった。
 男性職員によると、平成27年10月16日から11月14日の間に116時間の法定外労働があり、その年の7月と10月にも20日以上の連続勤務があったという。男性は昨年1月にうつ病の診断を受け、その年の3月29日から休職している。
 彦根労基署は労災を認定した上で、男性職員から申請のあった昨年3月29日から4月18日までの分と、4月19日から今年1月31日までの分の休業給付を行った。
 男性職員は上司からのパワハラなどでうつ病を発症したとして、昨年5月25日付けで上司と彦根観光協会を相手取り損害賠償など883万円の支払いを求める訴訟を大津地裁に起こしている。
 彦根観光協会の事務局は、彦根労基署から是正勧告を受けたことを認めた上で「労災認定については係争中のため答えられない」としている。

創業60周年を迎えた平和堂が創業者の夏原平次郎氏由来し、豊郷町の岡村本家の協力で純米大吟醸「平次郎」を開発

 今月1日に創業60周年を迎えた平和堂は、創業者の夏原平次郎氏が日本酒好きだったことから、豊郷町の岡村本家の協力で純米大吟醸「平次郎」を開発。23日から平和堂グループの各店で発売する。
 60周年の感謝と100年に向けた一歩を目指し、オリジナル商品として考案。滋賀県が推奨する環境こだわり農産物の認証を受けた米のみを使用し、酒袋に入れた酒を木艚(きぶね)と呼ばれる昔ながらの木製の絞り機で作ることで、繊細でフルーティーな味に仕上げた。6000本限定で、平和堂グループの149店で販売。720㍉㍑、1本2580円(税抜き)。商品の題字はSamurai girlの中村佳代さんがデザインした。

2017年3月18日土曜日

国宝・彦根城築城410年祭が18日に開幕

 国宝・彦根城築城410年祭がきょう18日に開幕する。12月10日までの268日間、彦根城内を中心に市内各所でさまざまなイベントが開催される。18日から始まる主なイベントは以下の通り。
 ▽天秤櫓=彦根屏風や井伊家のコレクション、彦根更紗などを映像で説明する「井伊家 家宝の魅力と江戸期の世界」(7月2日まで)。
 ▽西の丸三重櫓=江戸時代の彦根城や城下町を映像で流し、当時のまちに入り込める「プレイバック城下町彦根シアター」。
 ▽開国記念館=NHK大河ドラマに登場する衣装・小道具や井伊家に関する物を展示する「大河ドラマにみる井伊家『花の生涯』から『おんな城主 直虎』まで」。
 ▽彦根城エリアと城下町エリア=3カ所ずつに設置された宝を探す「リアル宝探し×城下町彦根 伝説のお宝探偵団」(5月7日まで)。
 開幕日の18日には午前9時半~彦根城博物館能舞台で開幕式典が行われる。第1部では彦根鉄砲隊による祝砲、浜松市の鈴木康友市長らあいさつ、ひこにゃんや直虎ちゃんらによる開幕宣言がある。第2部では四代目・玉田玉秀斎さんによる記念講談がある。
 このほか、午前11時10分~天守前広場で開幕記念行事が開催。ひこにゃんが参加して先着410人にきな粉もちの振る舞い、市民ボランティア団体・ひこねを盛り上げ隊のメンバーたちによる「直虎、直政からの継承、そして未来へ」と題した寸劇がある。雨天時は寸劇のみ中止。
 二の丸駐車場内では祭り期間中、ご城下にぎわい市「彦根ええもん物産館」も行われ、51店舗が出店し、近江牛、湖魚のつくだ煮、ふな寿司、和菓子、地酒、ひこにゃんグッズ、花見弁当などが販売される。午前9時半~午後5時。
 彦根城築城410年祭のパンフレット=写真=が完成し、彦根市内の観光施設、彦根観光協会、彦根商工会議所などで配布されている。
 彦根城内の絵図と、期間中に各櫓などで行われるイベント内容を紹介しているほか、直虎と直政についての解説、井伊家ゆかりの寺社の説明も写真入りでしている。二つ折りでA4判、4ページ。近隣市町や親善都市などにも設置する予定。

2017年3月14日火曜日

芥川賞作家で舟橋聖一顕彰の選考委員の藤沢周さんと京都なぎなた連盟の田中千景さんトーク会、なぎなた体験も

 芥川賞作家で舟橋聖一顕彰の選考委員の藤沢周さんと、京都なぎなた連盟の田中千景さんを招いたトーク会が5日、ひこね燦ぱれすで開かれた。市民団体・季節風びわこ道場が企画し、親子連れら約50人が参加した。
 トーク会で藤沢さんは息子が小学1年生の時に一緒に剣道を始めたエピソードを紹介しながら「剣道は己を無くすという精神を持つことが大切であり、なぎなたにも通じると思います」と説明。
 田中さんは大会で優勝してガッツポーズをした際に恩師から叱られたことを紹介しながら「後でとても恥ずかしいことをしたと後悔したのを覚えています」と話した。トーク会の最後で藤沢さんは「2024年に滋賀県で行われる国体に向けて、武道で彦根を盛り上げて欲しい」と要望した。
 トーク会後には彦根なぎなた連盟や市内で剣道を習う子どもたちが模範演技を披露。その後には来場した子どもたちが田中さんの指導でなぎなたの形を習ったり、剣道の竹刀で新聞紙を切ったりする体験も行われた。
 なぎなたを体験した若葉小4年の久米琥大郎君は「なぎなたは重かったけれど、おもしろかったです。剣道も習ってみたいと思いました」と話していた。

2017年3月9日木曜日

ジェトロ(日本貿易振興機構)7月に彦根商工会議所内に滋賀貿易情報センター設置

 ジェトロ(日本貿易振興機構)は7月に彦根商工会議所内に滋賀貿易情報センターを設置すると発表。平成27年10月に開設した宮崎貿易情報センターに次いで国内で44番目となる。
 滋賀県は、農産物や地場産業品など県産品の輸出、水関連など中小企業の海外展開、外国企業の誘致、観光資源の情報発信の推進を目指し、昨年12月5日に知事が彦根市内へのセンターの設置を求める要望書をジェトロに提出していた。設置を決めたジェトロは「センターを設置することで、従来以上に地域ニーズに適した事業を実施し、地方創生や地域経済の活性化に具体的な成果を創出したい」としている。
 センターは彦根商議所内の地場産業の展示コーナーやひこね繊維協同組合事務所がある1階=写真=に設置。彦根商議所は今月中旬から改装工事に入り、ジェトロの事務所のほか、地場産業や市内企業、観光情報を提供するデジタル式の展示コーナーも設ける。ひこね繊維協同組合は大東町のテナントビルに移る。
 センターの設置費用をジェトロ、人件費などランニングコストをジェトロと県が半分ずつ、改装費用を彦根商議所が負担する予定。センターには所長1人、所員1人、嘱託職員2人ほどが入り、会長には地元の経済界の代表者1人が委嘱される。

「消防団員カード」を店舗で提示すると優遇サービスが受けられる取り組み広がる、平成29年度から県内全市町の消防団員に

 滋賀県内の消防団員のみに配布される「消防団員カード」を店舗で提示すると、優遇サービスが受けられる取り組みが県内で広がっており、平成29年度からは県内全市町の消防団員にカードが配られる。
 昨年4月時点で県内の消防団員は9169人いるが、前年度同期の9188人と比べると微減で、彦根市消防本部管内では今年1月末時点で465人と横ばい傾向が続いている。
 県は消防団を応援する気運を高めようと、平成28年度から彦根、大津、近江八幡など県内8市1町で「消防団応援の店事業」を開始。申請のあった店舗で消防団員がカードを提示すると、割引や粗品進呈、ポイント2倍、ライス大盛り無料などのサービスが受けられる。彦根市内では12店が協賛しており、平成29年度からは犬上郡などを含め県内全市町の消防団員にカードが配られる。
 消防団応援の店は現在、県内に137店舗あり、ステッカー=写真=が各店舗に貼られている。随時募集。問い合わせは県消防協会☎077(522)1965。

2017年3月7日火曜日

彦根総合高校にハンドボールの公式試合ができる体育館「彦総グリーンアリーナ」完成へ、平成36年の滋賀国体で使用も

 彦根総合高校(芹川町)にハンドボールの公式試合ができる体育館がまもなく完成し、「彦総グリーンアリーナ」と命名されて19日に竣工式が開かれる。彦根市は平成36年の滋賀国体時のハンドボールの市内開催を県に要望しており、開催が決まれば、彦根総合高の体育館が使われる可能性がある。
 彦根総合高のハンドボール部は平成27年度のインターハイに県代表として出場するなど、県内でも強豪校の1つになっている。これまでは屋外にハンドボールの練習場があったが、その場所にハンドボールの公式試合ができる約45㍍×約27㍍の大きさの体育館を整備。床にはフランス製の体育館用の緑色を基調にしたマットを敷き詰めており、バスケットボールやバレーボールもできるという。
 総工費は約3億9000万円。滋賀国体でのハンドボールの開催会場は未定だが、今月末に公表される「第3次内定」にハンドボールの開催場所が盛り込まれる予定。松本隆理事長は「国体レベルの公式試合ができるコートが完成した。ハンドボール部を強化していきながら、彦根をハンドボールの街にできるよう、協力していきたい」と話していた。
 竣工式は午前9時半~で、式典後には彦根翔西館高校とのハンドボールのこけら落としマッチがある。

平和堂の新本部社屋、マスコミ向け見学会

 平和堂が西今町に新築した本部社屋のマスコミ向けの見学会が25日開かれた。
 昨年1月から新社屋の建設を開始し、約2万9889平方㍍の敷地に鉄骨3階建て延べ約1万4319平方㍍の建物を完成させ、「HATOC(ハトック)」の愛称で今月13日から業務を開始した。
 1階には執務ゾーン、商談室、テストキッチンなど、2階には商談室、応接室、特別会議室、関連会社のオフィスなど、3階には学び舎「奉創感(ほうそうかん)」、社員食堂、宿泊室のほか、650人以上が入れるHATOCホール、創業者・夏原平次郎のデスクを再現し歴史や理念などを学ぶ展示室がある。
 見学会の冒頭の記者会見で夏原平和社長は「社員同士がコミュニケーションをとりやすいような環境にした。3月には60周年を迎えるが、100周年に向けて40年以上使っていける本部にしていきたい」と話した=写真。会見後は新社屋内を記者陣に案内していた。

2017年3月4日土曜日

初めての著書「井伊家の教え」を発刊した井伊裕子さんに本で伝えたかったことやこれまでの思い出など聞く

 昨年末に初めての著書「井伊家の教え」を発刊した井伊裕子(ひろこ)さん(48)=尾末町=に、本で伝えたかったことやこれまでの思い出などを聞いた。
 井伊さんは本を出版したことがなかったため、出版社から依頼を受けた際はためらいもあったという。しかし、NHK大河ドラマで「おんな城主・直虎」が放映されるのが決まったこともあり「跡継ぎの男子がいない境遇が同じで、現代の井伊家の女性が何かを書くのは面白い趣向だ」と考え、また「井伊直弼は明治以降、悪者にされてしまい、現代でも正当に評価されていないため、直弼のことを伝える良い機会でもある」との思いから出版を決意。昨年1月から約9カ月で書き下ろした。
 本は「井伊谷と直虎・直政」「直孝から始まる江戸時代」「直弼と明治以降の井伊家」「井伊家の長女として生まれて」の計4章で構成。井伊家の誕生から、苦難の時代、直政と直孝の武功、直弼の活躍、直憲から現代までの歴史を分かりやすく紹介しており、井伊さん自身がお浜御殿で過ごした様子なども載せている。
 直弼について井伊さんは「本では特に直弼の文化人としての素晴らしい面を伝えたいと思いました。ドラマなどでは直弼の表現の仕方が良くなりつつありますが、教科書ではまだまだ変わっていません」と複雑な表情を見せた。
 18歳から20年以上過ごしたというお浜御殿については「祖父は日曜大工をし、祖母は庭園を見ながらうれしそうに歌を作っていた光景が思い出されます」と当時を振り返りながら語っていた。
 井伊さんは「本で書かれている内容は、彦根市民の皆さんにとってはすでに知っていることも多いと思いますが、井伊家の歴史や文化財に興味を持って頂くきっかけになればと思います」と話していた。
 本は189ページ。1200円(税抜き)。朝日新聞出版。全国の書店で販売されている。
 【井伊裕子】
 井伊家第十七代・直豪(ひで)の長女として彦根で生まれ、高校まで愛知県名古屋市で過ごした。高校卒業後、祖父で元彦根市長の直愛さんや祖母の文子さんが暮らしていた旧彦根藩松原下屋敷(お浜御殿)に移り住んだ。京都女子大学大学院文学研究科修士課程修了後、彦根市の市史編さん室に勤め、結婚を機に退職。彦根城博物館協議会委員などを務めている。夫は十八代の井伊直岳さん。

2017年2月28日火曜日

稲部遺跡を保存し、道路計画を見直すに住民たちが反対姿勢

 彦根市が稲部遺跡を保存し、道路計画を見直すことを決めたことに対して、21日に稲枝地区公民館で開かれた議会報告会では稲部遺跡のある稲枝駅西口の早期開発を求める住民たちが道路計画の見直しに反対姿勢を見せた=写真。
 議会報告会の中で、住民からは「稲部遺跡を観光地化にした場合、はたして集客力はあるのか」「遺跡を犠牲にして、道路など開発を進めるべきだ」「稲枝の自治会から決議書をまとめ、市へ早期開発を求める要望書を出したが、答えは稲枝地区をバカにした内容だった」などの声があがった。
 また稲部遺跡に関する質問以外では「市の政策は彦根城をはじめとした市街地ばかりで、稲枝は地盤沈下が進んでいる」など稲枝地区の開発を求める意見も数人から出された。議会報告会に参加した市議からは「稲部遺跡の保存を決めた市の方針を変えるのは難しい」とした上で、住民の声を市に伝えると答えた。
 議会報告会は市議会が平成26年4月から開催しており、21回目の今回は市民産業建設常任委員会の市議8人が参加し、市民39人が来場。議会事務局によると、1会場での来場者は最多だという。

イラストレーター・ホマ蔵こと、三輪綾香さんインタビュー

 彦根市高宮町のイラストレーター・ホマ蔵(ぞう)こと、三輪綾香さん(35)は戦国武将のイラストを描くことで知られる。ゲーム業界を中心に幅広い分野で全国的に活躍しているが、「地域のPRにも役立っていきたい」と地域貢献にも意欲を示している。
 三輪さんは長浜出身で、地元の高校を卒業した後、コンピューターグラフィックを学ぶため大阪の専門学校に進学。長浜から4年間通い、ゲームのグラフィック技術を習得した。その後、ゲーム会社勤務など経て、27歳の時にフリーのイラストレーターになった。
 戦国武将を描くようになったのは約10年前に戦国武将を題材にしたゲームにはまったことがきっかけ。以来、全国各地の史跡を巡りながら、現地の人たちの戦国武将への思い入れやPR活動に心を打たれた。一番好きな武将には豊臣秀吉の側近で知られる竹中半兵衛をあげた上で「1人1人に歴史があり、今に語り継がれているのがいい。幅広い年齢層で共通の話題にもなる。戦国ゆかりの地の滋賀から『戦国武将愛』を発信していきたい」と戦国武将の魅力を熱く語った。
 21インチの液晶タブレットを使って制作。歴史資料や肖像画を参考に「イケメン風」に描いた作品から、「今風」のアレンジを加えたミニキャラまで、さまざま形式の戦国武将を制作。ほかにも、ゲーム会社の依頼で演歌歌手をモチーフにしたキャラクターや、ちゃんぽん亭のスタッフのイラストなど幅広く描いている。月に20体以上のキャラクターを描くこともあり、1日15時間以上没頭することがあるという。
 戦国武将に関する漫画や雑誌などに掲載されるのが中心だが、昨年には滋賀県がPR活動をした石田三成や、甲良町出身の武将・藤堂高虎など自治体とタイアップしたイラストも描き始めている。彦根に関してはこれまでに市内企業の依頼で彦根藩士を描いたことはあるが、今年の大河ドラマに合わせて「井伊家の歴代藩主も描いてみたい」と意気込みを見せていた。問い合わせは三輪さんのメール(k-ichizoku@hotmail.co.jp)。

2017年2月24日金曜日

フジノ食品がカンボジアに建設した小学校の子どもたちの絵画などを市立旭森小学校に寄贈

 彦根市東沼波町のフジノ食品は17日、カンボジアに建設した小学校の子どもたちの絵画などを市立旭森小学校に寄贈した。
 同社は創業40周年記念として教育の機会を失ったアジアの子どもたちを支援するため、平成23年9月にカンボジアのトムノッププロロックトゥマイ小学校を建て替え、藤野グループの創業者・藤野重蔵の「藤」と「重」から「とうじゅ学校」と命名。以降、2年に1回のペースで社員を現地に派遣して、交流事業を行っている。
 4回目となった今年は社員8人が1月27日から2月1日まで訪問し、校舎の補修や日本の遊びなどで小学生たちと交流した。現地には旭森小の児童たちが昨年夏休み以降に描いたひこにゃんや琵琶湖などの絵と習字計86枚を持参。カンボジアの児童たちにも絵を描いてもらい、サルや現地の伝統音楽などの絵計83枚を日本に持ち帰ってきた。
 贈呈式では派遣団長の磯谷隆治さん(57)らから旭森小の塚口博校長にカンボジアの子どもたちの絵と交流の様子の写真パネルが贈られ、磯谷さんは「初めての訪問だったが、カンボジアの子どもたちは元気でにこやかな子ばかりだった。支援ができて良かった」と話していた。旭森小では職員室前の廊下などに展示するという。

2017年2月23日木曜日

Newカロムを考案した湯谷淳一さんが中央町にカロム道場を開設

 彦根発祥のカロムの新しいバージョン「Newカロム」を考案したNewカロム協会代表の湯谷淳一さん(69)=京都市=が昨秋、中央町にカロム道場を開設。Newカロムなどの仕方を教えながら、カロムの聖地化を目指している。
 湯谷さんは平成18年にニュース番組でカロムの大会の様子を見て興味を持ち、翌年に日本カロム協会の会員となり、その年の日本カロム選手権大会に出場し、ダブルスで銅メダルを獲得した。以降、毎年出場しており、昨年の大会で10回目の参加となり、これまでの成績はシングルスとダブルスで金8個、銀4個、銅2個で、上位の常連になっている。
 彦根を「第2の故郷」と思うようになり、彦根のカロムの更なる発展のため、昨年9月17日に中央町の中野商店内にカロム道場を開設した。道場では彦根のカロムのほか、湯谷さんが考案したNewカロムとNewキャロムを教えている。
 そのうちNewカロムは、▽ポケット部分がストライカー(玉)を取りやすく工夫している▽ゲーム途中でキング(王様の玉)を入れるとその時点で負ける▽最初にストライカーを打つ位置が前方の線上にある―などカロムと形式・ルールに違いがある。
 湯谷さんは「カロムに出会えた喜びと感謝の気持ちがあり、この思いを彦根のカロムの発展のためにお役立ちしたいと願っています」と話している。カロム道場での体験は無料。級・段位の認定制度もあり、認定検定後に合格証を授与する。道場の開設日は原則第1・第3・第5の土曜と日曜だが、それ以外でも可。
 問い合わせは湯谷さん☎090(9099)5508。

稲部遺跡保存で道路計画見直しへ、市が決断

 弥生時代後期から古墳時代中期(2〜5世紀)時代の大規模な遺構が見つかった彦根市稲部町から彦富町にかけての稲部遺跡を保存するため、彦根市は当初予定していた道路計画を見直すことが16日にわかった。今後は道路を含めた稲枝駅西口開発の早期実現を目指す地元側との調整が必要になる。
 稲部遺跡では、宅地造成工事に伴って昭和56年に第1次の発掘調査が始まり、以降、市道芹橋彦富線・稲部本庄線の道路改良工事に伴って、第6次が平成27年6月から昨年3月まで約1042平方㍍の範囲で、第7次が平成27年11月から約430平方㍍で実施。
 そのうち第7次のエリアからは、弥生時代末期から古墳時代初期にかけて、鉄製の武器や工具を作っていた当時の国内最大規模の鉄器生産センターだった可能性がある遺構が発見。また古墳時代前期の巨大な倉庫が建っていたとされる建物跡も見つかり、当時の物流拠点の中心地だったことが判明した。
 これらのことから、稲部遺跡の集落は弥生時代後期から古墳時代中期まで約400年間続き、3世紀前半の邪馬台国時代には最盛期を迎え、当時の倭の国にあった約30のクニの1つに数えられる重要な遺跡として、全国的に注目された。専門家からは「豪族の居館と思われる建物などの遺構が検出されたことは荒神山古墳の築造背景を考える上で極めて重要」(滋賀県立大学の定森秀夫教授)、「抜本的な保護対策を早急に講ずるべきで、保存と活用を慎重に考慮してほしい」(奈良県立橿原考古学研究所共同研究員の森岡秀人さん)など、遺跡の保存を求める声が出ていた。
 一方で、地元では遺跡の保存よりも予定通りの道路整備を求める意見もあり、彦根市では道路河川課と文化財課が協議を重ねてきた。市は道路開発よりも遺跡を保存した上で道路の整備方法を見直す方向に決めたことで、道路開発が先延ばしされる可能性もあるため、今後は地元の調整が必要になる。
国の史跡指定目指す
 彦根市は17日、稲部遺跡の国の史跡指定を目指すと発表した。
 市教委文化財課では発掘中の稲部遺跡のうち、重要な遺構部分の範囲確認を平成29年度に実施。範囲確認後に国の史跡指定を受けて、保存整備を行う予定だ。市はまた稲部遺跡の保存に伴って、稲枝駅西口の道路計画の見直しを決定。
 当初は稲部本庄線と芹橋彦富線をT字路型に合流させて、稲枝駅につなげる予定だったが、稲部遺跡を避ける形で新たな路線を築くことになり、総延長も約200㍍延びる。
 今後は用地買収や地元との合意形成が必要なため、当初の完成予定時期の平成35年度から遅れる可能性がある。

2017年2月18日土曜日

2017年東レキャンペンガールの朝香りほさんにインタビュー

 2017年東レキャンペンガールに選ばれた彦根市出身でモデルの朝香(あさか)りほさん(24)に、子ども時代の思い出や今後の目標などを聞いた。(聞き手・山田貴之)
 朝香さんは滋賀県内の公立高校を卒業し、19歳の時に女性ファッション誌のモデルのオーディションを受けたのをきっかけに、モデルや芸能の世界に関心を持ち、20歳で上京。22歳の時に現在の芸能事務所「ABPinc.」(東京都渋谷区)に入り、広告や雑誌のほか、有名企業のテレビCMに出演するなど活躍している。
 昨年夏に行われた東レキャンペンガールの選考会では全国の149人の応募から選ばれた。朝香さんは「東レは滋賀が発祥の会社で、私も滋賀で生まれたこともあり、光栄に思います。大きな一歩を踏み出すことができましたし、プレッシャーもありますが、キャンペンガールとして精一杯がんばりたい」と抱負を語った。
 朝香さんは4歳から11年間、彦根市内の教室でクラシックバレエを習い、特技の1つに「I字バランス」をあげた。「バレエを長く取り組んだことで、負けず嫌いで、1つのことを一生懸命し、人と同じなのが嫌なタイプになった」と自己分析した上で「子どものころはとにかくよく笑っていた」と満面の笑顔を見せた。
 朝香さんは一人っ子で、実家には中学生の時から飼っている愛犬のマルチーズの「ぽんぽこ」(メス10歳)がおり、「とてもかわいく、実家に帰るとぽんぽこも飛びついてきて、私もほっとするし、とても癒やされます」と話していた。
 今後の目標については「今まではモデルのお仕事が中心でしたが、色んな分野にも挑戦したい。女優やバラエティー番組などにも出て、幅を広げてマルチに活躍できるようになりたい」と述べ、「全国的に滋賀県はあまり有名ではないので、私が滋賀、彦根出身ということをPRして、良さを広めていきたい」と語っていた。

佐野史郎さんら招いた「小泉八雲・朗読の夕べ」3月4日に清凉寺で

 俳優の佐野史郎さんらを招いた「小泉八雲・朗読の夕べ」が3月4日午後6時~彦根市古沢町の清凉寺で開催される。イベントを控え、八雲のひ孫にあたる小泉凡さんが市役所で会見を開き、来場を呼びかけた。
 彦根商工会議所や彦根市、多賀町などで組織する彦根・多賀地域連携組織委員会は「光とアートで発信するブランディング事業」を展開しており、その一環として佐野さんと世界的ギタリスト・山本恭司さんによる朗読パフォーマンスを企画した。
 佐野さんと山本さんは島根県松江市出身で高校時代の同級生。2人とも八雲を敬愛しているといい、平成18年から朗読ライブを開催。毎年テーマを変え、八雲の作品から佐野さんが選んで脚本を書き、山本さんがギターを演奏する。清凉寺では彦根バージョンの「望郷」、「夏の日の夢」など8作が披露される予定。冒頭には凡さんと滋賀大学教授でアイルランド文学者の真鍋晶子さんのトークもある。
 井伊家菩提寺の豪徳寺(東京都)近くで生まれ育ったという凡さんは「同じ菩提寺の清凉寺で開催されるということで思い入れがあります。佐野さんは私よりも八雲について詳しく、臨場感を持って作品に入っていける気持ちになれます。八雲の世界にいざなうことができれば」と話していた。
 参加費は中学生以上の前売り3000円、当日3500円。チケットはビバシティ、アルプラザ彦根、文化プラザなどで販売。残席わずか。問い合わせは彦根商工会議所☎(22)4551。
 ※【小泉八雲】1850年にギリシャで生まれた。本名はパトリック・ラフカディオ・ハーン。明治24年(1890)4月に来日し、8月に島根県尋常中学校に英語教師として赴任。欧米諸国に向けて日本文化を紹介する著書を多く発刊し、日本の怪談話を英語で表現したことでも知られる。八雲の名は出雲国にかかる枕詞の「八雲と立つ」から名付けられたとされる。明治37年9月26日に54歳で死去。

2017年2月17日金曜日

彦根翔陽高校3年生の鶴田瞳さんが、簿記実務や会計実務など9種目の1級の検定試験に合格

 滋賀県立彦根翔陽高校3年生の鶴田瞳さん(18)=平田町=が、簿記実務や会計実務など全国商業高等学校協会が主催する全9種目の1級の検定試験に合格。9種目の合格は県内高校の総合学科で初めてだという。
 鶴田さんは小学3年生の時からソロバンを習い、中学生時代にはパソコンの操作に関心があったため、彦根翔陽高総合学科の流通経営系列に進学した。2年生の6月に簿記実務の1級を合格したのを皮切りに、2年生時に珠算・電卓実務のそろばんと電卓、英語、商業経済、3年生時にビジネス文書実務(ワープロ実務)、会計実務の財務諸表分析・財務会計・管理会計の3分野、情報処理のプログラミング部門とビジネス情報部門の各検定試験1級に合格した。全国の9種目の合格達成者は前年度で20校28人のみ(今年度は集計中)。
 担当教員の金子又広さん(58)=愛荘町=によると、鶴田さんは朝早くに登校したり、部活の練習後の午後9時ごろまで実習室に通ったりして学習。「目標に向けて一生懸命に学ぶのを習慣化していたのがすばらしい成果につながったのだろう」と話していた。
 2月1日に9種目目の情報処理検定試験の合格通知があった時について鶴田さんは「とてもうれしかった。先生や母親、友だちに支えられたから合格できたと思います」と話していた。
 鶴田さんは日本商工会議所主催の簿記検定2級、金融財政事情研究会主催のファイナンシャル・プランニング技能検定試験2級も合格。滋賀大経済学部への入学が決まっており、「大学では公認会計士と税理士の資格も獲得して、将来は政府系金融機関に入って、資金の融資に関わって地域の発展に貢献したい」と語っていた。
 なお鶴田さんの母親・千春さん(49)も金子先生の教え子で珠算部の部長を務めていたといい、鶴田さんは「母も喜んでくれています」と笑顔で述べていた。

2017年2月16日木曜日

彦根市社会福祉協議会と滋賀中央信用金庫は「地域見守り合い活動に関する協定」を締結

 高齢者世帯などの見守り活動を進めていくため、彦根市社会福祉協議会と滋賀中央信用金庫は「地域見守り合い活動に関する協定」を締結。協定締結に伴い、滋賀中信は地域住民の送迎用車両を1台贈呈し、7日に市福祉センター別館で締結式と贈呈式が開かれた。社協と金融機関の協定締結は県内初。
 少子高齢化が進む中で、孤立死や振り込め詐欺、虐待などの被害者になる高齢者や子どもが増えていることから、未然に防止するため一人暮らしの高齢者世帯などへの見守りが必要な状況になっている。滋賀中信には市内10店に25人の営業職員がおり、高齢者世帯などに訪問する機会がある。協定の締結で、市社協は▽郵便物や新聞が溜まっていないか▽子どもが1人で外にいる機会が多くないかなどのチェックリストを作成し、滋賀中信はそのチェックリストに基づいて高齢者世帯で異変を感じた際には市社協などに連絡する。
 締結式で滋賀中信の沼尾護理事長(64)は「見守り合い活動が市内全体に広がっていき、安心安全のまちをつくっていきたい」、市社協の圓城治男会長は「市内でも孤立死が20件ほどあるほか、子どもの貧困も問題になっている。課題の解決に向けて一歩を踏み出せたことを心強く感じている」とあいさつした。
 滋賀中信から寄贈された車両はトヨタのノアで、自動で乗り降りができるサイドリフトアップシートが装着された7人乗り。市社協の活動理念「おたがいさんの心でつくる温かいまち彦根」から「おたがいさんさん号」と命名された。地域住民がサロン、宅老所、子ども食堂などに送迎する際や、市社協の職員が施設訪問、人・荷物搬送などの時に利用されるほか、将来的にはボランティアが高齢者らを送迎する際にも使用していくという。
見守り合いサポーター養成講座
 彦根市社協は22日と26日の午後1時半~平田町の市福祉センター別館で「見守り合いサポーター」養成講座を開く。龍谷大学社会学部の岡野英一特任教授が高齢者世帯などを見守るための基礎知識を教える。2日とも同じ講座。対象は市内在住在勤在学者。受講者には訪問時に使えるネームプレートを進呈。申し込みは市社協☎(22)2821。

袋町内で飲食店主や住民たちが共同で除雪作業、除雪機の購入 半額を市が補助

 大雪が降った11日、彦根市の袋町内で飲食店主や住民たちが共同で除雪作業を行った。
 袋町内はスナックやバー、ラウンジなどの飲食店が約80店あるほか、住居が36軒ある。住居のうち半数以上が高齢世帯で、先月23日から25日にかけての大雪の際は積雪で外出できない状態だったという。高齢者同士では除雪ができず、飲食店にとっても商売に影響が出ることから、飲食店主が加盟する県社交飲食業生活衛生同業組合彦根支部と河原2丁目3部自治会が話し合いを行い、自治会側で除雪機を購入し、除雪機を使っての作業を飲食店で行うことで合意。
 自治会では市から半額の補助を受けて25万円で除雪機を購入。同組合彦根支部の支部長でバー貴園のオーナー・戸田守建さん(56)が11日午前3時から試運転を兼ねて除雪機を動かした後、再び降り積もった同10時から戸田さんら飲食店主2人と地元住民6人が参加して、袋町一帯の除雪作業を行った。
 戸田さんは「先月末の大雪時には行政側には市民からの苦情があったと聞いていますが、一つのモデルケースになればいいと思います」と話していた。
 同自治会会長の深尾淑子さん(68)は「住民の中にはあきらめていた人もいましたが、除雪をして頂けることはありがたいです」と語っていた。
 今後は、朝が住民、昼が飲食店、夜が「ケースバイケース」で除雪作業をしていくという。
補助率 最高40万円
 彦根市は自治会などが除雪用の機械を購入する際、その半額を補助する制度を設けている。
 対象は除雪用の排雪板か自走式の除雪機で、駆動するトラクターや自動車などは対象外。1自治会1台とし、除雪用の機械の導入後5年間は再申請できない。
 補助率は50%以内で、最高限度額は40万円。希望の自治会などは申請書に必要事項を記入し、市建設管理課まで。問い合わせは同課☎(30)6121。

2017年2月13日月曜日

滋賀県の平成29年度当初予算案 平成36年の国体関連では彦根総合運動公園(仮称)の整備費として11億2200万円

 滋賀県が9日に発表した平成29年度の当初予算案のうち、平成36年の国体関連では彦根総合運動公園(仮称)の整備費として11億2200万円が計上された。
 彦根総合運動公園の整備施設のうち、第1種陸上競技場は延べ床面積約2万3000平方㍍で、トラック・フィールドが400㍍×9レーン、収容人員1万5000人以上(うちスタンドの固定席7000席)、メインスタンドとバックスタンドに屋根、両スタンドの屋根に照明が設置される。ほかに、トラック・フィールド400㍍×8レーンの第3種陸上競技場、砂入り人工芝コート12面の庭球場、約1100台分の駐車場が整備。野球場は既存の建物のまま活用される。
 平成29年度は今年度に引き続いて実施設計と第1種陸上競技場の建築設計を進めると共に、第1種陸上競技場の建築実施設計に着手。また公園整備に必要な用地確保、野球場以外の施設の解体などを行う。
 全体の概算事業費としては200億円程度を見込んでいる。
 このほか重点事業・新規事業は次のとおり。
 ▽彦根城世界遺産登録推進事業40万円▽平成32年に県立近代美術館(大津市)の隣にオープン予定の新生美術館の整備6億8900万円▽自転車で琵琶湖を1周する「ビワイチ」観光推進のためのサポートステーションの増設、ガイド養成など1713万円▽東京五輪の事前合宿誘致やホストタウン登録に向けた交流事業1680万円▽若者の出会いの場を応援するネットワークづくり1000万円▽琵琶湖の水草除去6億6900万円▽侵略的外来水生植物(オオバナミズキンバイ)の除去3億6000万円。
一般会計は前年度当初比1・9%減の5343億円
 県は9日、平成29年度の当初予算案を発表。一般会計の総額は前年度当初比1・9%減の5343億円。財政運営の安定性の指標となるプライマリーバランス(基礎的財政収支)は4年連続の黒字を達成したものの、彦根総合運動公園の整備工事などで新たな県債を発行するため、県債残高は前年度比22億円増の1兆0980億円となる見通しとなった。
 歳入の3割を占める県税は、法人税の回復を見込む反面、地方消費税が減収することで総額は前年度比0・3%減となる1550億円。5年ぶりに減少に転じた。借金である県債は新しい新生美術館や彦根総合運動公園の整備などで前年度比7・1%増の791億円を発行する。
 歳出は人件費1718億円(前年度比0・2%減)、扶助費542億円(4・3%増)、公債費793億円(0・9%減)を計上し、これら「義務的経費」が歳出全体の57・2%を占めた。県は「国民健康保険や介護保険など社会保障関係の法令に基づく県負担金が年々増加傾向にある。この結果、投資的経費をはじめとする政策的経費が圧迫され、財政が硬直化した状況が続いている」と指摘している。
 プライマリーバランスはかろうじて2億円の黒字を計上した。

平和堂は本部を小泉町から西今町に完成させた新社屋に移転

 平和堂は本部を小泉町から西今町に完成させた新社屋に移転し、13日から新社屋での業務を開始する。
 小泉町の旧社屋は昭和47年6月に竣工されたが、建物の老朽化や耐震化の問題があった。平和堂は旧社屋から南西方向へ約300㍍離れた場所に昨年1月から新社屋の建設を開始し、約2万9889平方㍍の敷地に鉄骨3階建て延べ約1万4319平方㍍の建物を完成させた。
 新社屋に入る本部の愛称は、HeadOffice(本部)And Training(トレーニング)Omotenashi(おもてなし)Communication(コミュニケーション)の意味と、ハトのマークにちなんで「HATOC(ハトック)。平和堂広報課では「単なる本部ではなく、研修の場であり、お客様や店舗の要望をしっかり聞いて、情報や意志を伝える場であるという意味を込めた」としている。
 1階と2階にはオフィスフロアや商談室、会議室、関連会社のオフィスなどがあり、3階には社員食堂、宿泊室、研修室のほか、650人以上の座席がある「HATOCホール」、創業者の歴史や理念などを学ぶ展示室を設けている。屋上には太陽光発電の設備も設置している。

外来魚のリリース禁止などを啓発する看板「バスメーター」彦根旧港湾に設置

 外来魚のリリース禁止などを啓発するための看板「バスメーター」が4日、彦根旧港湾に設置された=写真。
 県は外来魚のリリース禁止をはじめ、ワームなどの放置、ごみのポイ捨てなど釣り人のマナー向上を呼びかけるため、釣り人が多く訪れる時期に合わせて旧港湾の4カ所に設置している外来魚の回収ボックスに看板を設置。
 看板は80㌢四方で、1月から3月までにそれぞれの回収ボックスに入れられた外来魚の重さを記入できる項目を掲載。県の担当者は「回収量を表示することで、見える化を図りたい」としている。設置期間は4月30日まで。
 看板にはマナー向上を呼びかける文章も書かれており、この日は釣り人のボランティアや県職員ら21人が啓発用のティッシュも配布していた。