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2016年12月31日土曜日

元日はじめ祝日には国旗掲揚を

 天皇陛下の誕生日の23日は今年最後の祝日だったが、国旗を掲揚していた家庭はほとんどなかった。次の祝日になる新年の元日には掲揚する家庭が増えることを願い、元日や祝日、国旗について簡単に説明する。
 元日といえば、「年の始めの例(ためし)とて」で始まる唱歌「一月一日」が有名で、一般的に日本では太陽暦(新暦)を使い始めた明治元年以降、「年の始め」として元日を指す。昭和23年7月に成立した祝日法では「年のはじめを祝う」と記され、元日は祝日になっている。
 また明治元年には「日の丸」が国旗として内外に公表され、明治6年の元日ごろから祝日などには各家庭に国旗を掲揚する風習が広まった。戦後の数年間は連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の占領下により掲揚が抑制されたが、祝日法の制定に伴って緩和され、昭和27年4月28日のサンフランシスコ平和条約の発効により、「祝日の国旗掲揚」が固定化していった。
 しかし国旗や国歌に対して、戦後から現在にかけて式典などでの掲揚や斉唱に反発する者が一部におり、それらに影響されてか、祝日に国旗を掲揚する家庭も少なくなっている。海の日や山の日ならまだしも、国民全体で祝うべき建国記念日や天皇陛下の誕生日などでも掲揚しなくなったのは極めて残念だ。住宅業界の知人によると、新築住宅では掲揚するための場所も設置しないのが大半だという。
 来年こそ、祝日には国旗を掲揚している家庭が少しでも増えることを願いながら、年の瀬のあいさつにしたい。それでは皆さま、よいお年をお迎えください・・・。
      【山田貴之】

2016年12月28日水曜日

不登校や引きこもりの若者向けの交流の場「逓信サロン」河原2丁目の逓信舎にオープン

 不登校や引きこもりの若者向けの交流の場「逓信サロン」がこのほど、彦根市河原2丁目の逓信舎にオープンした。
 内閣府の今年9月の「若者の生活に関する調査」によると、引きこもりの15歳~39歳の若者は54万1000人いるとされる。彦根市子ども・若者課では、そのような若者たちが社会に入り込むためには自信と、他者や社会への安心感と信頼感を持つことが不可欠だとしている。
 市では今年10月に市福祉センター2階に市子ども・若者総合相談センターを開所し、不登校や引きこもりの若者の支援にあたっているが、気軽に若者たちが集って交流する場を提供しようと、滋賀県立大学の「地(知)の拠点整備事業」の課題研究と連携する形で11月10日に逓信サロンを開設した。
 サロンの開所時間は毎週火曜と木曜の午前11時~午後4時。NPO芹川のスタッフの田中由美子さん(54)が常駐し、掃除や料理など「日常生活でプラスになる活動」、会話や卓上ゲーム、カロムなど「コミュニケーション」、工作や映画鑑賞など「ものづくり・文化的経験」、「ボランティア・地域行事への参加」を若者たちと一緒にする。
 市子ども・若者課の担当者は「まずは家から出てもらうことが大切で、その『一歩』になればと思う。そして、自信をつけて、将来的には社会の担い手になってもらえれば」と話している。開設期間は来年3月31日までだが、来年度以降も市の事業として目指したいとしている。見学や体験自由。問い合わせは同課☎(49)2251。

肥田町で収穫された米(日本晴)を使った純米酒「肥田城」が完成

 彦根市肥田町で収穫された米(日本晴)を使った純米酒「肥田城」が完成した。
 肥田町では平成23年12月に田畑が整備されたのに合わせ、「1集落1農場」方式で各農家が出資して農業組合法人ファーム肥田を設立。現在は47人の出資者がおり、31㌶の農場で米や麦、大豆などを生産している。
 今年で4年目となった純米酒「肥田城」は豊郷町の岡村本家が醸造しており、まろやかで飲みやすいのが特徴。ファーム肥田代表理事の成宮一郎さん(68)は「一度飲んだら、もうこのお酒しか飲めません」と話していた。「肥田城」は今年11月に彦根市のふるさと納税の返礼品にも採用されている。
 720㍉㍑と1・8㍑があり、生原酒(1296円と2592円)が岡村本家と肥田町の薩摩酒店で、火入れした純米酒(1029円と2057円)が2店舗とパリヤで販売している。

尾末町の遊歩道でイノシシに襲われ男性4人が重軽傷

 25日午前9時50分ごろ、彦根市尾末町の市弓道場北側の遊歩道で、イノシシに市民や観光客ら男性4人が襲われて重軽傷を負った。イノシシは全長140㌢、推定体重100㌔㌘で、午前11時34分に現場から約500㍍東の川にいたところを猟友会の会員によって射殺された。市によると、イノシシによる人的被害は確認できるここ20年以内では初めてだという=写真は彦根署提供。
 彦根署によると、イノシシは背後から突進し、かみつくなどして、市内の男性(78)が左手薬指を壊死する重傷を負い、市内の男性(54)と岐阜県の男性(38)、愛知県の男性(74)が軽傷を負った。
 110番通報を受け、署員ら約30人が捜索し、船町の猿ケ瀬川にいるのを発見。彦根署は付近の約50戸に外出しないよう呼びかけ、猟友会に射殺を要請した。
 彦根署によると、この日午前9時半過ぎから長曽根や松原でもイノシシの目撃情報があり、同じ個体だという。琵琶湖から泳いで来たとみられる。
 ※(解説)=市内の市街地にイノシシが現れ、人的被害まで出るという大惨事に至った。これまで荒神山などで農作物がイノシシによって被害にあっているが、市街地ではイノシシの出現さえ近年報告されていない。
 現場は市立図書館の裏手で、金亀公園に近い上、釣りをしに訪れる人も多く、被害にあった男性のうち1人は釣りをしている最中だったという。
 市の担当者によると、イノシシは自分より大きい存在に対しては逃げる習性があり、今回は突然出くわしたため、防衛本能から必死の覚悟で攻撃したのだという。被害にあわない対策として「イノシシを発見しても、決して興味本位で近づかず、その場から離れることが大切だ」としている。

2016年12月27日火曜日

彦根城築城410年祭のプロモーションムービー公式のウェブサイトに公開

 彦根城築城410年祭のプロモーションムービーが21日から公式のウェブサイトに公開された。
 仮想世界の彦根城を舞台に、築城410年祭に向けて意気込む殿様や家臣の様子をラップ調で仕上げており、彦根城天守や彦根城博物館の能舞台、楽々園などが撮影に使われている。出演は滋賀県住みます芸人のファミリーレストラン、即興フリースタイルラップの日本チャンピオンの鎮座ドープネスさん、シンガーのKeycoさん。映像にはアニメーションやラップミュージックも入っており、築城410年祭推進委は「エンターテイメント性の高い新感覚の動画にした」としている。映像は3分。公式サイトのアドレスは(http://hikone-410th.com/)。

2016年12月26日月曜日

子育て世代の支援団体「HotHot~ほどほど」小中学校用品や制服のリユースなど活動の輪広げる

 子育て世代の支援団体「HotHot~ほどほど」が、小中学校用品や制服のリユース(再利用)などの活動の輪を彦根市内で広げている。
 親子の交流の機会を増やしていこうと、彦根市内の主婦4人が昨年6月に結成。今年3月からは不要になった学校のランドセルや体操服、帽子、制服などをリユースする活動を金城学区と中央中学区で展開しており、10月には譲り受けた用品のクリーニング代や修理費用などに使う「ほどほど基金」を設置した。ほかの学区でもPTAなどから相談があれば、協力していく。
 また今月3日には市社協と共催で、不要になったベビー用品や乳幼児の衣服、おもちゃを進呈するイベント「無料交換会~かえっこ」を市福祉センター別館で実施。進呈品を持参する親を含めて約200人が来場し、会場では基金への募金活動も行った。
 ほかにもクリスマス会などのイベントを開催しており、副代表の國嶋理恵さん(46)=八坂町=は「子育て世代の皆さんが気さくにつながってもらえるような場所作りをこれからも目指していきたい」と話している。来年以降はリユース活動と「かえっこ」イベントを年に3回開催していく。問い合わせは「ほどほど」のフェイスブックか國嶋さん☎090(1509)1357。

東野真美(まなみ)さん国際協力機構の青年海外協力隊(JICA)の一員としてセネガルに派遣

 彦根市小泉町の東野真美(まなみ)さん(27)が来月から国際協力機構の青年海外協力隊(JICA)の一員としてセネガルに派遣されることになり、19日に大久保貴市長を表敬訪問した。
 東野さんは彦根東高、大阪大学外国語学部を卒業後、製薬会社で営業職に就いている。以前から商品開発に関心があり、「外国の地で商品開発の支援をしたい」と思い、会社のボランティア休職制度を使ってJICAの隊員として派遣されることになった。
 派遣先はセネガルのサンルイ州にあるサンルイ手工業組合。現地では革を使った民芸品の生産者グループや事業者を巡回し、マーケティング活動や新商品の開発、組織力強化の支援などを行う。東野さんは「セネガルの人たちのお役に立てられるよう、全力でがんばりたい」と話していた=写真。来月10日から2年間派遣される。

2016年12月22日木曜日

彦根商工会議所が書籍「井伊家十四代と直虎」を発刊

 来年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」に合わせて、彦根商工会議所は書籍「井伊家十四代と直虎」を発刊し、21日から発売する。
 本では、著名な歴史研究家らが直虎や井伊家などについて解説した文章と、彦根城博物館の学芸員らが彦根藩井伊家について紹介し彦根商議所の月刊誌「不易流行」に連載していた論文を掲載している。
 前半では、「おんな城主 直虎」の時代考証を務める小和田哲男・静岡大名誉教授による「井伊谷の直虎」、著書「井伊直虎」などがある作家の梓澤要さんの「直虎と直政」、テレビでおなじみの河合敦・多摩大学客員教授の「彦根のラストエンペラー」など著名な研究家の論文が登場。ほかに中近世の城郭研究が専門の中井均・滋賀県立大学教授による「彦根城の魅力」や「井伊家にとっての佐和山城」、元市教委文化財部長の谷口徹さんの「井伊家と庭園」、長浜曳山博物館長の中島誠一さんの「近江の『オコナイ』と遠江の『おくない』」なども。
 後半では、彦根城博物館の学芸員が初代・直政から十四代・直憲までを1人ずつ説明した文章や、「近江の戦国時代と直虎」の年表、彦根藩井伊家系譜を載せている。
 発売元はサンライズ出版。A5判、347ページ。1800円(税抜き)。2000部発行し、21日から県内の書店、今月末から全国の書店で販売。

2016年12月20日火曜日

滋賀飲料が炭酸飲料「直虎」「直政」を彦根市内の土産店や飲食店で販売

 大河ドラマ「おんな城主 直虎」に合わせて、彦根市本町1丁目の滋賀飲料は井伊直虎と直政をイメージした炭酸飲料「直虎」「直政」を、20日から彦根市内の土産店や飲食店で販売している。
 「直虎」はりんごの花言葉「もっとも優しき女性に」からりんごテイストに、「直政」は井伊家の家紋の橘からオレンジテイストにした。子どもから高齢者まで幅広く味わってもらおうと、ビール瓶形式にし、グラスに注ぐとビールの様に泡立つのが特徴。ラベルには直虎、直政の紹介文も書かれている。
 広報担当の瀧紀美子さん(37)は「彦根のPRになればと思い、考案しました。宴会やパーティーなどの乾杯の際に幅広い年代の方に飲んで欲しい」と話している。1本330㍉㌘、230円。販売場所は滋賀飲料のホームページに。問い合わせは滋賀飲料☎(22)6499。

滋賀大学と県立彦根東高、虎姫高校との高大連携協定の締結式

 滋賀大学と県立彦根東高、虎姫高校との高大連携協定の締結式が12日、滋賀大で行われた。
 来年4月にデータサイエンス(DS)学部を新設する滋大と、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている彦根東、虎姫の両校が、教育や研究分野で交流と連携を深めていくことを目的に、彦根東高が経済学部とDS学部、虎姫高がDS学部と協定を締結。
 滋大と彦根東高は、滋大の両学部の教員が文系、理系のさまざまな課題や研究方法を紹介し、生徒たちの探究活動を支援するプログラムを今年度からすでに進めている。虎姫高では理系の2年生の科目でDSをテーマにした学習プログラムを開発し、滋大のDS学部の教員が授業カリキュラムの設定やデータ解析の指導法への助言などの協力を予定している。
 協定の締結式で位田隆一学長は「滋賀大としては優秀な生徒の入学を期待している。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなど世界をリードできる経済人、データサイエンティストを輩出していきたい」とあいさつ。
 彦根東高の青木靖夫校長は「統計学の専門的な指導をお願いし、(グループワークなど主体的に課題を解決する力を養う)アクティブラーニングの充実に向けた連携を期待したい」、虎姫高の藤居毅校長は「アクティブラーニングの取り組みを発展させるためのお力添えを頂きたい」と述べた。

2016年12月17日土曜日

稲枝駅舎の橋上化と自由通路の工事が完成し供用を開始。記念式典に400人が参加

 稲枝駅舎の橋上化と自由通路の工事が完成し、11日に供用を開始。同日、駅東口で記念式典が開かれ、国会議員や知事、彦犬の首長、県議、市議ら来賓約100人と市民ら計約400人が参加した。
 式典で大久保貴市長は「稲枝駅を核とした魅力あるまちにしていきたい。市南部の発展のために今後も支援を頂きたい」とあいさつ。JR西日本京都支社長の岩崎悟志さんは「稲枝駅は1日約5000人が利用しているが、高齢者らにとっては不便だった。バリアフリー化を実現して頂き、安心して利用して頂けることをうれしく思っている」と述べた。
 稲枝地区連合自治会長の柴田秀司さんは「稲枝駅を中心にしたまちづくりにまい進しなければならない。市南部の玄関口として、駅西口の開発や公共施設の誘致も進めてほしい」と語った。市立稲枝中学校生徒会長の川村美雨さん(14)=2年生=は「私たちだけでなく、誰にとっても利用しやすい駅になったと思います。この駅を多くの人が利用することで、稲枝の発展につながればと思います。また稲枝の街の温かさもずっと受け継がれていってほしい」と話した=写真。最後にはくす玉割りもあり、式典後には漫談などのイベントが行われた。
 【稲枝駅舎】大正9年に開設して以来、96年が経過していたため老朽化が著しく、段差も多かったため、平成19年3月に稲枝駅改築整備促進期成同盟会が設立され、同25年4月から施工開始。完成した橋上駅舎は延べ床面積約400平方㍍で、上下線にエレベーター1基ずつと待合室が1カ所ずつ、駅事務所、券売機などが整備。自由通路は延べ床面積約740平方㍍で、東西口にエスカレーターとエレベーターが1基ずつ、トイレ、授乳室、防犯カメラ、太陽光パネルなどがある。事業費は橋上駅舎が8億3748万円、自由通路が12億2154万円、付帯設備が8371万円の計21億4274万円で、うち市の負担額が20億6974万円。なお東西駅前広場の整備は平成30年度末の完成予定。

2016年12月14日水曜日

大久保貴市長が来年4月23日の市長選に再選を目指して出馬すると表明

 大久保貴市長(53)は12日の市議会一般質問で、来年4月23日に予定されている市長選に再選を目指して出馬すると表明した=写真。安藤博議員の質問に答えた。
 安藤議員の未達成の公約の問いに、市長は彦根市立病院の医師不足や空きベッドへの対応、新しい図書館の整備、小学校の空調設備をあげ「『強い彦根』の実現のため、さまざまな取り組みについて検討を重ね、一定の道筋はつけた。できるだけ多くの取り組みを早期に実現できるよう、今後もより一層努力を重ねたい」と説明。「道半ばで立ち止まることなく、これを実現することが責務であると考えています」と述べ、出馬をするのかの問いに「出馬をさせて頂きたい」と語った。
 市長選にはこれまでに、元毎日放送社員の田原達雄氏(67)=元岡町、前市教育長の前川恒廣氏(61)=池州町=が出馬を表明している。

日本貿易振興機構・ジェトロ東京本部に彦根市内への滋賀貿易情報センターの設置を求める要望書

 滋賀県の産業の海外展開を拡大させるため、三日月大造知事らが5日、日本貿易振興機構(ジェトロ)東京本部を訪れ、彦根市内への滋賀貿易情報センターの設置を求める要望書を提出した。
 要望書では、「人口減少による国内市場が縮小し、貿易の自由化の動きが活発化している」「県内産業の海外への販路と県内への投資の拡大を図るには、海外ネットワークを生かした専門的な支援ができる体制の整備が有益」などとし、平成29年度中の開設を求めている。すでに彦根市内には彦根商工会議所内に今年10月、海外展開を目指す県内企業を支援するための「新輸出大国コンソーシアム滋賀」の窓口が設置。ジェトロの大阪本部から派遣された専門家1人が毎週火曜と木曜に駐在し、海外展開に関する相談に応じている。
 全国の都道府県では滋賀をはじめ、奈良、和歌山、埼玉、群馬の5県にジェトロの事務所がない。滋賀貿易情報センターを設置することで▽海外情報が入手し易くなる▽企業のニーズに対してスムーズで細やかに支援できる▽海外展開の可能性がある有望企業を掘り起こせる―などの利点がある。
 設置費用はジェトロが負担し、ランニングコストは年間約4000万円のうち、半分を県や滋賀経済団体連合会、JA関連団体が負担する予定。設置場所は未定。

時間外手当を不正受給で30歳代の男性職員を停職1カ月の懲戒処分に

 彦根市は8日、時間外勤務手当を不正に受給したなどとして、市民環境部に所属する30歳代の男性職員を同日から停職1カ月の懲戒処分にしたと発表。この男性職員は昨年10月にも不正受給で減給処分を受けている。
 市によると、男性職員は今年8月から10月まで、勤務していないのに時間外勤務を申請し、計6日間・7時間分の1万6684円を不正に受給した上、10月の時間外勤務については実際に働いた時間よりも計6日間・10時間分(2万3732円相当)を過大に申請していた。所属する担当課の課長からの報告を受けた人事課が庁舎内の防犯カメラなどから不正が判明したという。
 ほかにもこの男性職員は10月22日に、派遣業務として午後1時半から同5時まで勤務する必要があったものの、10分ほどでその場から無断で離れ勤務していなかったという。男性職員は不正に受給した分を今月2日に返金。市は担当課長に文書による訓告を行った。
 この男性職員は時間外勤務手当を平成26年から翌年7月までに127時間分、計27万円を不正に受給していたとして、昨年10月22日にも減給10分の1・1カ月の懲戒処分を受けていた。その後、市は時間外勤務手当の申請方法を変更。担当課長も注意をしていた中での今回の不正受給に対し、会見では記者から解雇に該当しないのかとの質問も出たが、市人事課は「当初は減給3~6カ月を考えたが、加重して解雇の次に重い停職処分にした」と答えた。
 大久保貴市長は「このような事態を招いたことを重く受けとめ、心からお詫びします。このような不祥事が二度と起こらないよう、再発防止を徹底したい」と述べた。

33歳の若さで亡くなった米田愛さんのイラスト展ギャラリー喫茶おとくらで

 33歳の若さで亡くなった米田愛さんのイラスト展が彦根市高宮町のギャラリー喫茶おとくらで3日から開かれている。母親で高宮出身の眞由美さん(63)=東近江市能登川=は「娘の作品を見てほっこりして頂ければ」と来場を呼びかけている。
 愛さんは約5年前に脳炎を発症し、手足が不自由になった中、リハビリをしながら入院先の病院などでイラストを描き始めた。眞由美さんによると、子どものころから絵を描くのが好きだったという。
 平成25年5月には眞由美さんが長年の夢だった喫茶店(「おこじょ」)を東近江市内の自宅前にオープン。愛さんも店を手伝っていたが、翌年夏に再び体調を崩し、9月12日に亡くなった。
 作品は色鉛筆やサインペン、シャープペンシルを使って、笑顔の女の子たちが一緒に買い物をしたり、雪遊びをしたりしている様子が明るい表情で描かれている。亡くなるまでに1000点以上描いたという。
 今年3月には愛さんの作品をまとめた画集を自費出版し、リハビリ中だった病院の看護師らが愛さんに名付けた3つのペンネーム「花が咲く」「ハチミツ」「君と共に」のフランス語「Fleurir・miel・avec_toi(フルリール・ミエール・アヴェクトイ)」をタイトルに採用。初の個展となった高宮での展示会でも同じタイトルをテーマに使い、愛さんの作品30点と画集を展示している。
 眞由美さんは「娘は深い悩みを抱いていたはずですが、それを感じさせない明るく軽快なタッチの作品を見てほしい」と話している。開館は今月25日までの土日の午前10時~午後5時。おとくらの場所は高宮神社前。駐車場あり。

2016年12月9日金曜日

彦根市から東近江市までの国道8号線バイパスの早期整備を目指した意見交換会

 彦根市から東近江市までの国道8号線バイパスの早期整備を目指した意見交換会が5日、彦根商工会議所で開かれ、彦愛犬や東近江市の経済団体らから約150人が参加した。国道8号線の彦根・東近江間約20㌔㍍は慢性的に交通渋滞しているため、彦根商工会議所が彦愛犬と東近江の各商議所・商工会に呼びかける形で、民間が主体となって早期の8号線バイパス整備を進めていこうと企画した。
 意見交換会では彦根商議所の小出英樹会頭があいさつした後、滋賀2区選出の上野賢一郎衆院議員=自民党=が、彦根以南には主要な企業が多くあることにふれた上で「8号線バイパスを整備することで経済活動が格段に良くなる。民間が行政と一緒に動くことは事業を進める上で効果がある。現在進めている多賀のスマートインターチェンジ(IC)とセットで実現できれば、観光振興にもつながる」と述べた。
 国交省近畿地方整備局滋賀国道事務所の山田雅義所長は、彦根・東近江間の状況について▽総生産における第2次産業(ものづくり)の割合が全国1位の滋賀県の41%を上回る49%▽対象区間の中心地から彦根ICへの所要時間が混雑時に約1・5倍になる▽交通手段は84%が自動車を使っている▽御幸橋北を筆頭に、高宮町、外町などで渋滞による損失時間が県内平均より高い▽渋滞による損失時間の高い場所で事故が多発している―ことなどを報告。「このエリアはものづくりを牽引している地域であり、生活用の交通と物流の交通が一緒になっていることが渋滞の最大の要因になっている」と語った。
 会の最後では国道8号線バイパスの早期整備に向けた「連絡会」のような組織を立ち上げるため、彦愛犬と東近江の商議所・商工会の8団体の会頭・会長による準備会の発足が確認された。事務局の彦根商議所では連絡会を年内に立ち上げ、来年以降は国への要望活動や勉強会の開催などをしていく予定だ。

彦根シャトーワイズメンズクラブ ヤエザクラ5本を寄付し金亀公園で植樹式

 彦根シャトーワイズメンズクラブはヤエザクラ5本を市に寄付し、27日に金亀公園で植樹式が開かれた。
 同クラブは市民団体のひこね桜守と一緒に、彦根城内の桜の養生作業に尽力しており、クラブ35周年の記念事業の一環でヤエザクラを寄付。カリヨンベルの隣で行われた植樹式には大久保市長やクラブ会員、市職員ら約30人が参加し、高さ2㍍ほどに成長した2年木を植えた。
 同クラブの山内勉会長は「彦根城内のソメイヨシノは植えられてから長い年月が経過しており、若い木を植える必要があると考えた」と話していた。

三日月大造知事と県内市町の首長が協議する「県首長会議」文化プラザで特別支援教育や平成36年の滋賀国体など話し合う

 三日月大造知事と県内市町の首長が協議する「県首長会議」が11月30日に文化プラザで開かれ、特別支援教育や平成36年の滋賀国体などについて話し合いが行われた。
 県と市町の適切な連携の構築を目的に三日月知事の就任以降に開催されており、6回目の今回は三日月知事と15市町の首長が出席し、大久保貴市長が進行役を務めた。事前のアンケート調査により、特別支援教育、滋賀国体、農地転用の順番で協議を行った。
 特別支援教育については、野洲市の山仲善彰市長や湖南市の谷畑英吾市長ら複数の首長から学習支援員やスクールソーシャルワーカーら人員の配置拡充を求める意見が相次ぎ、谷畑市長は「福祉と教育の現場を融合させるなど思い切った取り組みが必要だ」と要請。三日月知事は「特別支援に関しては地域ごとに偏在がある。人員の拡充もしているが、更なる対応をしていきたい」と答えた。
 滋賀国体については谷畑市長が「総事業費が不明のままでは現在の東京五輪と同じように混乱しかねない」、山仲市長が「主会場の彦根で陸上競技しかできないままで良いのか。200億円をかけるのにサッカー(Jリーグ)はできないのか。用地買収は進んでいるのか。今年中に総事業費を公表しないと、県内市町は予算を組めない」と求めた。
 これに対し三日月知事や県の担当者は「総事業費はできるだけ早く出したい。彦根の主会場の周辺には今年中に説明会を行い、年度末から次年度に用地買収を進めたい」と述べた。
 また彦根市松原町の県立スイミングセンターの代替え場所について、県が大津市と協議を行うと説明したことに対し、長浜市の藤井勇治市長が長浜への誘致を求める意見もあった。
 なお、大久保市長は特に発言をしなかった。

2016年12月7日水曜日

金亀公園の整備費24億円

 金亀公園の再整備基本計画の策定に向けた検討委員会が25日開かれ、整備スケジュールと概算の工事費が公表された。
 基本計画のたたき台では、▽金亀球場をソフトボールも利用できる多目的広場にし、荒神山公園野球場に夜間用の照明を整備し、金亀球場の代替え施設にする▽テニスコートの数を確保したうえで、景観に配慮した位置にする▽車の彦根城からの進入を止めて、市立図書館側に現状台数で駐車場を整備する▽駐車場の管理がし易い位置に管理棟を設けることなどが提案されている。
 スケジュールは平成36年の滋賀国体に向けて、来年度から2年間で設計を行い、平成31年度からわんぱく広場、野球場、多目的競技場などを解体し、並行する形で遊具広場や駐車場、多目的広場などを整備していく。テニスコートなどの再整備は国体後に順次行う。
 概算の工事費は解体費が1億7000万円、施設整備が22億6000万円で、合計24億3000万円。施設整備費の半分は国費になる予定。今後は来年1月半ばに再度、検討委員会を開き、2月上旬から1カ月間のパブリックコメントを経て3月末に基本計画を公表し、提言を受けた市は年度内に基本計画を策定する予定。

2016年12月2日金曜日

交通渋滞緩和で彦根インターチェンジ付近に新設する駐車場からバスを運行させるパークアンドバスライド導入へ

 彦根市は交通渋滞を緩和させるため、彦根インターチェンジ(IC)付近に新設する駐車場からバスを運行させる「パークアンドバスライド」の導入に向けて調整している。実現すれば、滋賀県内で初めてとなる。
 彦根ICから彦根城にかけての道路は土日祝日を中心に渋滞が目立ち、長年の懸案事項になっている。彦根市は渋滞の緩和と城内に進入する車の減少を目的に、整備中の原・松原バイパスの開通や平成36年の国体開催の時期までに「パークアンドバスライド」を導入したい考え。
 民有地を駐車場として整備し、その駐車場からシャトルバスを運行する計画で、来年秋にも社会実験を行う予定。特別史跡の城内に整備されている駐車場もあるため、将来的には駐車場を減らして史跡の発掘や復元をする目的もある。
 滋賀県内では大津市が電車に乗り換えてもらう方式を導入しているが、バスの方式は初めてだという。市の担当者は「社会実験と利用した観光客へのアンケート調査などを経て実現に向けて調整していきたい」としている。

データサイエンス学部を新設する滋賀大学で小学生を招いたプログラミング教室

 来年4月にデータサイエンス学部を新設する滋賀大学は23日、彦根キャンパスで小学生を招いた「子どもプログラミング教室」を開いた。
 統計について子どもたちに身近に感じてもらおうと、総務省と滋賀大が東京以外で初めて実施。ソフトウェア開発会社「jig.jp」(東京都渋谷区)の福野泰介社長(38)を講師に招き、彦根市内の小学校から応募があった50人以上のうち、抽選で選ばれた30人が午前と午後に分かれて受講した。
 教室はjig.jpが開発したソフト「IchigoJam」を使って行われ、子どもたちは小型の液晶モニターにキーボードで福野社長が指示した英語や数字を打ち込んで、基板につながったLEDを点滅させた後、ゲームを作ったり、日本の人口統計を算出したりする体験をしていた。
 若葉小6年生の川島伝華(よしか)さん(12)は「プログラミングに関心があり参加しました。打ち込むのが難しかったけれど、打ち込み終わると達成感があり楽しかったです」と話していた。