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2016年11月16日水曜日

元滋賀県知事でびわこ成蹊スポーツ大学学長の嘉田由紀子さん河瀬中学校で自然を活用しながらの昔の暮らしを説明

 元滋賀県知事でびわこ成蹊スポーツ大学学長の嘉田由紀子さん(66)が4日、県立河瀬中学校で講義を行い、自然を活用しながらの昔の暮らしを説明した。
 講義は本庄町の安仏久仁男さん(89)と田口みわさん(85)をゲストに迎えて「自然環境を巧みに生かした暮らしの学びから未来を考える」をテーマに行われ、2年生80人が受講した。
 嘉田さんは高度経済成長以前の昭和30年代、琵琶湖岸の集落の22%が湖水や川の水、山水を飲み水として飲み、食器や鍋なども湖水で洗っていたとし「これらの『近い水』が生きていた時代は、水を汚さないという意識と信頼が集落にあり、水の使い回し文化があった」と説明。
 安仏さんと田口さんは、稲わらなどを燃料にして五右衛門風呂に入り、その排水を小便と一緒に野菜畑に流していたことや台風後には多くの人たちが浜辺に打ち寄せられた流木を取りに行っていたことなどを紹介。嘉田さんは「知事時代は流木の処理に数億円の経費を使っていたが、昔は住民が燃料に使うため拾いに行っていた。行政の税金を使わず、地域の人もお金を出さない暮らしをしていた」と話した。
 講義の最後で嘉田さんは「自然と近い暮らしはその気になれば再生できる。近代的な技術と自然とが寄り添った社会を皆さんの世代で実現していってほしい」と述べた。
 生徒の野﨑琴音さん(14)は「お風呂や飲み水など昔の暮らしが今と違っていて勉強になりました。川を汚さないなど気をつかいながら生活したい」と語っていた。
 嘉田さんの講義は河瀬中学校による科学、言語、環境の各分野の学者を招いての授業「スタープログラム」の中で実施。今年中に宇宙や日本語の専門家を招いた残り計4回の講義がある。

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