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2016年8月29日月曜日

彦根城の白鳥が長浜まで逃げ出す、原因は親鳥の「いじめ」?→湖北野鳥センター「しつけ」

 彦根城の内堀で飼われている白鳥が長浜市内の川まで逃げ出していたことがわかった。彦根城管理事務所によると、これまでにも旧港湾など近くに逃げ出す白鳥はいたが、市外は珍しいという。
 同事務所によると、今月8日午前10時ごろ「松原町の矢倉川に白鳥がいる」との報告を受けた作業員が駆けつけると、彦根港の近くを泳いでいる白鳥を発見。これまでにも逃げ出すことがあり、餌の時間になると戻ってきたため、そのままにしていたが、その後も戻らず、心配していたところ、12日に「長浜市内の米川で水草を食べている」との通報があった。
 同事務所では作業員8人が2㌧ダンプカー、乗用車、軽トラックに乗り込んで出動。約1時間かけて捕獲し、飛び立ち防止のために風切り羽を切って内堀に戻した。ほかの白鳥を含めて年に1、2回、風切り羽を切っているが、生えてくると羽ばたけるようになるという。
 彦根城には内堀に白鳥3羽・黒鳥2羽、中堀に白鳥2羽・黒鳥1羽の計8羽が生息。逃げ出したのは内堀で昨年9月に生まれた子どもで、親鳥2羽と一緒に黒門付近を中心に過ごしているが、最近は親鳥からくちばしで突かれたり、餌を盗られたりする光景が頻繁に見られるといい、これまでにも何度か逃げ出していた。
 同事務所では「巣の管理面など制約があり、難しいが、親鳥と離す方向で調整していきたい」としている。
 ※(解説)
 長浜市の湖北野鳥センターによると、彦根城の白鳥はヨーロッパや中央アジアに生息するコブハクチョウと呼ばれる種類で、ロシアから日本に飛来するコハクチョウと違い、くちばし付近にコブがあるのが特徴。
 市教委文化財課によると、彦根城へは昭和36年に日本白鳥を守る会から寄付されたのが始まり。今回、逃げ出した白鳥はまだ1歳足らずだが、親鳥から度々「いじめ」を受けていたといい、小生が撮影のため訪れた際も親鳥が羽を広げて脅したり、くちばしで突いたりしていた。
 このような白鳥の習性について、同センターの専門家に聞くと、「親鳥の行為は『いじめ』ではなく、自分たちから早く離れて独り立ちしてほしい」という愛情表現の一つだという。
 白鳥たちが過ごしやすい環境作りに向けて、飼育場所を移すなど対処を願いたいと思う今日この頃だ。(山田)

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