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2016年4月25日月曜日

荒神山神社の社務所や遥拝殿など彦根市指定文化財に

 彦根市はこのほど、清崎町の荒神山神社の社務所や遥拝殿などを市指定文化財にした。
 新たに指定したのは荒神山神社の社務所、書院、書院中門、遥拝殿。荒神山神社は飛鳥時代の天智天皇の時に近江国四カ所の祓殿が設けられた祭祀場の一つが起源。奈良時代以降は仏教が加わり、神仏習合の地として奥山寺など寺院が複数あったとされる。大坂の陣では井伊直孝の戦勝を祈願し、その礼として護摩殿や書院などが建立された。明治時代の神仏分離令により奥山寺が廃止され、荒神山神社と改称された。明治9年10月以降、本殿、拝殿、神楽殿、神饌所などが落成。同12年4月28日に上棟式竣工報告祭が行われた。
 社務所は境内東側にあり、桁行19・6㍍×梁行11・8㍍、主屋が桟瓦葺き。棟札に「天保十年(1839)九月十八日」、南端の鬼瓦に「天保十二年」と記されている。
 書院は社務所に接しており、畳廊下とつながっている。奥の座敷、次の座敷とも8畳の造り。19世紀前期から社務所の建築時期にかけて建てられたとされる。書院中門は木材の輪郭線が17世紀後半の模様だが、様式から19世紀前期に改修されているという。
 遥拝殿は天寧寺(里根町)にあった井伊家の祖霊社の建物。昭和34年、廃社となっていた荒神山神社の再興を願った有志一同によって移築された。文政8年(1825)に天寧寺に建立された観徳殿で、拝殿と本殿が一帯となっている。今回の4棟の指定で市指定文化財は建造物29件など86件となった。国(23)と県(13)を合わせると122件。

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