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2014年2月27日木曜日

絶滅危機のハマエンドウとハマゴウ 新海浜に保護区指定へ

 滋賀県は、絶滅の危機にあるハマエンドウ(写真上)とハマゴウを守るため、彦根市新海浜に生育する1・6㌶を保護区に3月31日付けで指定する。ハマエンドウの保護区は県内初で、ハマゴウは2カ所目となる。
 ハマエンドウはマメ科のつる性の多年草で、県の絶滅危惧種に指定。新海浜では5月半ばから10日ほどだけ濃い紫色の花を咲かせる。ハマゴウはクマツヅラ科に属し、県の絶滅危機増大種に指定。新海浜では7月下旬から9月にかけて低木に青紫色の花をつける。
 いずれも海辺に生育する海浜植物で、内陸部で生育するのは珍しい。しかし、湖岸の開発やレジャー客の踏みつけなどで生育地が減っており、県内ではハマエンドウが新海浜のみ、ハマゴウが新海浜とすでに保護区になっている佐波江浜(近江八幡市)の2カ所のみとなっている。
 ハマエンドウとハマゴウは新海浜の浜辺約500㍍の地に隣接する形で生育。地元では新海浜町の宇野道雄さん(79)が十数年前から、ほかの草を間引いたり、周囲にロープを張ったりしてきた。3年前からはほかの住民らと結成したボランティア団体「ネイチャーズ新海浜」のメンバーも保護に取り組んでいる。
 保護区に指定されることで、建物を建設したり、コンクリートで地面を固めたりの開発ができなくなる。宇野さんは「保護区の指定は長年、望んできたことで非常にうれしい。多くの人が知るきっかけにもなればいい」と話していた。

福祉重視の予算案に 馬屋改築、がん検診ワンコイン化

 彦根市の平成26年度当初予算案は、大久保市長が主張する「全国一の福祉モデル都市」に沿った内容となり、障害者・高齢者福祉や保育関連に重点的に予算が配分された。
 市長は予算案について、市長選時の公約に掲げた「強い彦根」をつくるため、「温もりある福祉政策」「人間性豊かな教育政策」「住めるまち・働けるまちへの産業経済政策」の3本柱を重点化したと強調。
 予算案では、成年後見サポートセンターの開設準備、民間保育所の処遇改善、母子家庭の自立支援員の配置、重度障害者の支援員配置、医療福祉の専門職向け相談窓口設置、いじめ対応のため専門員などを学校に派遣―を組み込んだ。
 ほかの主な事業としては、昭和40年代以降、修理が行われていない馬屋=重要文化財=のこけら葺き屋根約663平方㍍分のふき替えと床材の修理を行う(6800万円)。
 選挙の投票率が県下で毎回、最下位争いとなっているため、今年7月に予定されている県知事選から、ビバシティ彦根内に期日前の投票所を設置し、投票率のアップにつなげる(191万円)。
 がん検診の受診時の自己負担を500円のワンコイン化にするなど、がんの早期発見・早期治療のための施策を実施する(6850万円)。

2014年2月26日水曜日

彦根市の平成26年度当初予算案 過去最大の384億7000万円

 彦根市は24日、平成26年度当初予算案を発表。一般会計は民間保育所への措置費、紫雲苑の改築、JR稲枝駅整備、中学校給食の準備費などが増加したことで、前年度比5・3%増の384億7000万円と、過去最大の予算規模になった。国の消費税対策による簡素な給付措置(臨時福祉給付金)を除いても過去最大になる。
 一般会計の歳入は、自主財源の大半を占める市税のうち、所得が回復基調にあることから個人市民税が増加するほか、大手企業の増益により法人市民税の増収も見込まれ、また家屋の新増築や企業の設備投資増で固定資産税も増える見込み。
 国や県からの交付金など依存財源は、地方交付税が減少するものの、投資的経費の増加に伴う市債や国庫支出金が増加したことから、全体では増えるが、税収増などにより自主財源比率は前年度から改善し54・3%に。
 なお、特別会計(6会計)は介護保険事業や後期高齢者医療事業などの予算が増えたことで前年度比3・1%増の249億8600万円、企業会計(2会計)は病院・水道とも増加し同16・9%増の166億5700万円、一般会計を含めた総合計は同6・8%増の801億1300万円だった。
 借金にあたる市債は、前年度より16・4%増の36億3780万円の発行となったが、特別・企業会計を含めた26年度末の残高見込み(臨時財政対策債を含む)では前年度より約9億円少ない、約1027億円になる見込み。
 貯金にあたる基金は、総額で約15億6000円を取り崩す予定で、26年度の残高見込みは前年度より約16億円少ない70億円を予想。財政課は「基金がもつ本来の機能が発揮できなくなる」としている。
1万分の1で例えると・・・
 平成26年度一般会計予算案(表面で詳細)の総額約385億円を、1万分の1の年収385万円の家計に例えると次の通りになる(以下、単位はいずれも万円)。
 【収入】▽給料(市税、交付税など)=240▽補助金(国・県からの支出金)=85▽銀行からの借金(市債)=36▽定期預金の解約(繰入金)=15▽そのほか(財産収入など)=9。
 【支出】▽生活費(人件費、扶助費など)=250▽仕送り(繰出金)=57▽ローンの返済(公債費)=35▽家の増改築など(投資的経費)=42▽貯金(積立金)=1。

2014年2月25日火曜日

三成の戦2 彦根・米原・長浜で三成会議 3市長宣言へ

 戦国武将・石田三成の魅力を全国に発信するイベント「三成の戦2」が、3月15日に彦根市古沢町の清凉寺で開かれる。
 湖東湖北の行政や団体によるびわ湖・近江路観光圏協議会主催のイベントで、当日は午前9時半~三成ゆかりの彦根、米原、長浜の3市の団体などが集結し「三成会議」を開催。3市長による「石田三成に逢えるまちづくり宣言」が行われ、全国の三成ゆかりの地に参加を呼びかける予定。
 近江猿楽多賀座の出陣太鼓の後、映画プロデューサー・鍋島壽夫さんや日本の歴史好きのラジオDJのクリス・グレンさん、佐和山城研究会代表の田附清子さんによるてい談「石田三成に恋しよう」、午後1時半~は歴史作家・桐野作人さんの「石田三成・出頭人の素顔と自負」についての講演、鍋島さん・桐野さん・クリスさんの「石田三成と歩いていこう」がある。
 参加無料。定員200人。昼食として千成亭の「三成牛飯」の販売も(1000円)。問い合わせは三成の戦実行委員会☎(27)5501。
関連イベントも
 「三成の戦2」の関連イベントが3月15日から30日まで彦根市内で行われる。石田三成サイクリング、三成の戦・宿泊パック、龍潭寺で三成肖像画・安国寺恵瓊の板絵の特別公開、「大一大万大吉」の合い言葉でグッズが進呈される夢京橋あかり館と戦国丸でフェアなどがある。
 また30日までの土日・祝日には彦根駅東口から佐和山城の本丸・西の丸・大手門跡などをボランティアガイドと一緒に無料で巡ることができるサービスも。ガイドの申し込みは3日前までに彦根ボランティアガイド協会☎(22)6849。

2014年2月24日月曜日

しゅららぼん映画公開記念のカロム大会、近江鉄道の関連企画も

 3月8日公開の映画「偉大なる、しゅららぼん」を記念し、その翌日の9日午前10時から彦根市立西中学校武道場でカロム大会が開かれる。
 映画では主演の濱田岳さんと岡田将生さんがカロムをするシーンもある。大会は映画で登場する「日出」家と「棗(なつめ)」家のブロックに分かれて、ダブルス48組による総当たり戦で行われる。午前10時半~予選リーグ、午後1時~決勝トーナメント。
 参加無料。特製グッズの参加賞あり。上位5組10人には、当日夕方以降~彦根ビバシティシネマで開催される濱田さんと水落豊監督が登壇する予定の舞台あいさつへの映画鑑賞券付き招待券をプレゼント。
 申し込みはLLPひこね街の駅・戦國丸☎(27)5058へ。
 映画「偉大なる、しゅららぼん」の公開を記念し、近江鉄道グループは特別企画を行っている。
タクシーでロケ地巡り
 近江タクシーではロケ地を巡るコースを設定。普通車1台で彦根市内コースが1万2900円、滋賀のロケ地巡りが1万7200円、滋賀のロケ地巡りとスタンプラリーが2万7950円。4月7日まで。
 近江トラベルでは、3月21・22・29・4月5・6・12日に滋賀のロケ地ツアーを実施する。JR大津駅を午前8時半に出発し、草津、近江八幡、彦根などを散策し、午後6時半に大津駅に戻る。3月が7800円、4月が8000円。
 ほかに彦根港・竹生島間の記念乗船券(3月1日~)と八幡山ロープウェイの記念乗車券(同)が販売、いずれも500枚限定。八幡山の山頂エリアの4カ所に設置された文字を見つけると映画オリジナルの木札が手に入るキャンペーンなども。問い合わせは近江鉄道☎(22)3301。

雨壺山にサツキとイチョウの苗木植える

 彦根市の雨壺山の遊歩道沿いに15日、地元住民によってサツキとイチョウの苗木が植えられた。
 雨壺山の樹木整備と美化活動を平成16年からしている団体「彦根雨壺山・護林会」が活動10周年を記念し、北西部山腹の約50㍍の遊歩道沿いにサツキ40本とイチョウ3本の苗木を植えることした。
 作業には同会会員と地元住民の計23人が参加。スコップなどを使って一定の間隔で植樹した。苗木と肥料は平和堂財団の環境保全活動助成事業「夏原グラント」の助成を受けて購入された。
 同会はこれまで、荒廃した竹林や林間歩道の整備、児童による木への名札取り付けなどの活動をしてきた。今後もコナラなどブナ系樹木の再生を中心に進めるという。

2014年2月22日土曜日

副市長に帝京大学教授の山根裕子氏、ユネスコ職員など歴任

 彦根市の大久保市長は19日の市議会の全員協議会で、副市長に帝京大学教授の山根裕子(ひろこ)氏(68)を登用する意向を示した。山根氏は東京大学教養学科卒業後、パリ大学法学部大学院で博士号を取得。立命館大学教授、政策研究大学大学院教授などを歴任した。国際法、競争法などを専門としている。国連教育文化科学専門機関(ユネスコ)職員、欧州復興開発銀行(本部ロンドン)の総裁アドバイザー、世界保健機関(WHO)国際委員会委員を務めた。
 ユネスコやWHOで活躍してきた山根氏を起用することで、彦根城の世界遺産登録や福祉・教育の分野の推進を図りたい狙いがある。

滋賀県知事選 自民党が官僚の小鑓隆史氏を擁立へ

 今年7月の滋賀県知事選に向けて、自民党滋賀県連は内閣官房日本経済再生総合事務局参事官の小鑓隆史(こやりたかし)氏(47)を擁立する方針を固めた。
 党関係者によると、22日の県連大会での公表を目指し、先週までに滋賀出身の40歳代の現役官僚2人に絞り、水面下で調整を図る中で、最終的に小鑓氏にする方針を固めたという。
 小鑓氏は大津出身。膳所高、京都大学を卒業し、英国ロンドンのインペリアル・カレッジの留学を経て通産省(現・経済産業省)に入省。横浜在住。
 一方で現職の嘉田由紀子知事はこれまでのところ再選への意向は示していない。共産党は候補者擁立の方向で調整しているが、他党は目立った動きはない。

2014年2月20日木曜日

「日本の城・再発見―彦根城、松本城、犬山城を世界遺産に」発刊

 彦根城などの世界遺産の登録推進を目指した本「日本の城・再発見―彦根城、松本城、犬山城を世界遺産に」が刊行された。
 彦根市は彦根城とその周辺での「単独」案での登録を目指しているほか、すでに世界遺産になっている姫路城と、未登録で国宝の松本城、犬山城との「共同」案を進めている。
 共同案では姫路を除く松本・犬山の2市と平成19年から協議をしており、昨年10月21日には東京都内で日本イコモス国内委員会委員長の西村幸夫氏や元ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏らによる「逞(つよ)い文化を創る会」のメンバーが「彦根城、松本城、犬山城の世界遺産登録に向けて」をテーマに座談会を実施。
 今月22日に松本市内で世界遺産フォーラムが開催されるのに合わせて本も刊行した。本では昨年の座談会の内容をまとめているほか、城の専門家や各城の担当者が執筆した文章を掲載。
 彦根城のページでは彦根城世界遺産登録推進室の専門員・谷口徹さんが彦根城の歴史や井伊家についてのほか、単独案と四城案で世界遺産登録を目指していることを紹介している。
 本はA5判・166ページ、巻頭カラー。1冊1890円。彦根城博物館と開国記念館で17日から販売する。

西山美香受刑者の再審求め報告会「事件の真相を」

 湖東記念病院(東近江市)で看護助手として勤務していた際、入院患者を殺害した殺人罪で拘留されている西山美香受刑者(34)の再審を求めて活動している「西山美佳さんを支える会」が16日、彦根市民会館で報告会を開いた。
 事件は平成15年5月22日午前4時半ごろに発生し、当直の一人だった西山受刑者が患者の人工呼吸器のチューブを外したなどとして7月6日に逮捕、その3週間後に起訴され、裁判では懲役12年の判決を受けた。平成19年5月21日に最高裁で上告が棄却された後、再審請求を行ったが、却下。平成24年9月28日には第二次の再審請求を行った。
 支える会は西山受刑者の中学時代の教師を中心に結成。発足から1年が経過することから報告会を開いた。報告会には約50人が参加し、弁護団の弁護士3人から医学的観点や自白の疑問点が説明された。
 支える会では「彼女の無実の訴えに耳を傾け、少しでも事件の真相に近づけることができたら」としており、大津地裁に対して「速やかに新証拠開示の命令・勧告を求める署名」の活動をしている。

バレンタインのひこにゃんプレゼント過去最多更新

 バレンタインデーに合わせて、ひこにゃんへのプレゼントが14日までに305個(発表時は285個)届き、ひこにゃんは山積みのプレゼントを前に大喜びだった。17日時点では318個となり、昨年の最終数値の309個を超えて過去最多を更新した。
 14日時点の都道府県別では大阪の33個を筆頭に、東京32個、兵庫25個、滋賀19個などと続き、海外は昨年に続きドイツからの1個だった。中には「チョコの食べ過ぎで虫歯に気をつけてもらうため、歯磨き粉を送ります」とのメッセージと一緒に布製の歯磨き粉もあった。
 14日の発表時のひこにゃんへのプレゼントは、最初の平成20年が43個、21年196個、22年224個、23年200個、24年163個で、公表された21年以降で今年は最多だった。
 ホワイトデーに合わせての返事は一昨年から始めており、市は「今年もひこにゃんのメッセージ付きのポストカードを送るよう前向きに検討したい」としている。
 なお年賀状は最終的に1万4303通で、こちらも過去最多を更新している。

2014年2月19日水曜日

7月の滋賀県知事選 自民党の候補者選び最終段階に

 7月の滋賀県知事選への候補者擁立を模索している自民党滋賀県連は22日の同党県連大会での発表を目指し、若手の現役官僚ら2、3人に絞った。近く公表される予定。
 同党の党員などによると、彦根東高や膳所高のOBを含む滋賀ゆかりの若手の現役官僚2人を中心に選考を進めており、県連会長の上野賢一郎衆院議員らが党本部に報告。公表できる最終段階まで来ているという。
 一方で現職の嘉田知事は今月9日の支援者らとの集まりで明言は避けており、その動向は不透明だ。
 民主党は川端達夫元衆院議員を推す動きがあるが、同党への支持不足から擁立は見送られる見通し。共産党は候補者を擁立する方向で調整しているが、他党は目立った動きはない。

英国王室から ひこにゃんのぬいぐるみ贈った返事届く、長浜の開伸

 プラスチックケース製造業の「開伸」=長浜市西上坂町=の従業員が昨年、イギリス王室のウィリアム王子とキャサリン妃の間に誕生したジョージ王子に、ひこにゃんのぬいぐるみを贈ったところ、先日、王室からお礼の手紙が届いた。
 同社は昨年9月、「妃殿下、王子ともにお元気と海を越えて聞き及び、大変嬉しく思っております」との手紙に、「日本では有名なキャラクター」としてひこにゃんを添えて送った。手紙には「外装のパッケージは私たちの会社で作ったものです」と記していた。
 今月、英王室から届いた手紙は、侍女の執筆で「お祝いのお手紙をいただき、ありがとうございます。ねこのぬいぐるみの贈り物を添えてくださったご親切にも、御礼申し上げます」と記されていた。
 同社の橋本久司さん(41)は「まさか返事が来るとは思わず、従業員一同、感激しています。今後も、おめでたいことがあれば、日本を代表するひこにゃんを贈りたい」と話している。

2014年2月17日月曜日

彦根出身・瀬戸香好美さん2枚目アルバム完成

 彦根市西沼波町出身のシンガーソングライター・瀬戸香好美(かずみ)さん(27)=東京都在住=が、2枚目となるアルバム「眠れぬイチゴはどこへゆく」をリリースした。
 瀬戸さんは旭森小、彦根東中の卒業生。子どものころから歌うのが好きで、高校卒業後、ボイストレーニングの教室に通い、22歳の時に上京。作詞・作曲とも自身で手がけ、2年前には1枚目のアルバムをリリースした。
 2枚目のアルバムは、自身の恋愛や自分との葛藤(かっとう)をイメージした計5曲をロック調に製作。瀬戸さんは「実体験を語ったリアルな曲が多く、特に同世代の人たちに聞いて欲しい」と話す。
 将来の夢については「30歳までにはメジャーデビューを果たし、同じ滋賀出身のTMレボリューションさんと同じ舞台に立ちたい」と語った。年内には彦根でのがい旋コンサートも予定。「彦根出身を誇りに思っているので、皆さん応援をよろしくお願いします」と述べていた。
 アルバムは1枚1200円。主なCDショップで販売している。

2014年2月15日土曜日

忍者姿でギネス記録リベンジならず

 忍者姿になってギネス記録に挑戦する2度目のイベントが11日に、ひこね燦ぱれすで開かれたが、再び失敗した。
 市内で8つのギネス記録を樹立している寺村邦子さん(58)=尾末町=が企画。昨年11月14日に彦根城の二の丸駐車場で最初の挑戦をし、達成基準の250人を超える287人が集まったが、覆面が完全でなかったり、武器を持っていなかったりした参加者が31人おり、規定の失格者5%を超えたため不認可となった。
 「リベンジ」となった今回は衣装や武器など万全の準備でのぞみ、失格者もいなかったが、205人しか集まらずに再びギネス達成にはならなかった。
 寺村さんによると、インフルエンザなどで50人ほどのキャンセルがあったといい「再びこのような結果に終わり、本当に申し訳ない。人を集める挑戦はもうしません。また何か考えた時にはよろしくお願いします」と話していた。
 ミシガン州立大学の学生仲間と参加したマレー・モニカさん(21)は「忍者の格好ができ、強くなった感じがして良かった」と笑顔で語っていた。

滋賀県が平成26年度当初予算案発表 国体主会場整備・産科医派遣など

 滋賀県は10日、平成26年度当初予算案を発表。一般会計は前年度比4%増の5153億1000万円で、7年ぶりに5000億台になった。
 一般会計のうち歳入は、給与所得者の所得が前年度を上回ることや、円安の持続による輸出関連企業を中心にした企業の収益回復が見込まれることなどから個人県民税と法人二税の県税が前年度比7・7%増の1411億円になる。また地方交付税が前年度比7・6%増の1160億円と、3年ぶりに増加する見込み。
 県債は前年度比5・7%減の808億円で、そのうち地方交付税の振り替えとして発行している臨時財政対策債を除く県債は358億円。県債残高は平成26年度末に1兆0799億円になる見込みだが、臨時財政対策債を除いた額は6621億円となり減少傾向に。財源不足への対応としての基金は46億円を取り崩し、残高は172億円となる見込み。
 歳出のうち、人件費や扶助費、公債費の義務的経費は全体の57・5%を占める2965億円。施設整備など投資的経費は危機管理センターの整備や子育て支援環境緊急整備事業費、県立学校耐震対策、県立高校再編事業などにより、前年度比18・1%増の771億円となる。
彦犬地区関連は?
 県が発表した平成26年度当初予算案のうち、県立彦根総合運動場が主会場の候補地の一つになっている10年後の国体について、施設整備費8200万円が計上された。
 主会場は今年度内に選定される予定で、来年度予算では環境アセスメント(影響評価)や地形調査など主会場整備費7000万円のほか、県立社会体育施設として最適に管理するための調査研究費1200万円を盛り込んでいる。
 また滋賀医科大学から県内病院の産婦人科へ医師20人(平成23年度は13人)を派遣するため、学内に周産期医療の寄付講座を設置する費用(2250万円)も入った。産科医不足で分べんの制限が続いている彦根市立病院へも派遣が期待されるが、県医務薬務課は「県内ではほかにも産科医が不足している病院があり、県全体での産科の充実を図りたい。指導医がいない病院に若い医師が派遣されるのは難しいのでは」としている。
 彦犬地区関連ではほかに、県立高校再編に基づいて彦根翔陽高で新規工事を行うなど5校の施設整備・設計費(6億7019万円)、芹川などダム関連の3河川の治水対策を行うための調査・設計・工事費(7億円)なども。

2014年2月12日水曜日

花しょうぶ通りマップ完成、23日にまち歩き

 彦根市の花しょうぶ通りとその一帯をまとめたマップが完成した。作った市民団体・まち遺産ネットひこねは完成を記念し、23日にまち歩きイベントを行う。
 同団体は市の地域創造事業を活用し、平成24年11月に屋根瓦にある鍾馗(しょうき)をまとめた地図と、昨年1月に旧外堀界わいを紹介したマップを作った。今年度は花しょうぶ通りと七曲り通りのを作製。
 花しょうぶ通りのマップ作りに向け、昨年7月15日にはまち歩きを開催。完成したマップにはその時に撮影された写真も載る。
 マップはA3判の二つ折りで、ハナショウブにちなんだ紫色を基調にしている。中ページでは江戸時代の古絵図・御城下惣絵図に旧町名や現在の主な建物の名称を掲載。街の駅になっている逓信舎や寺子屋力石、戦國丸のほか、滋賀中央信用金庫銀座支店、宇水理髪店、旧石橋家住宅など文化財に指定されている建物など計19件を写真と説明文入りで紹介している。
 また周囲に残る彦根藩重臣の下屋敷跡や足軽組屋敷などについての「Q&A」もある。同団体のメンバー・鈴木達也さん(27)=彦根市大東町=は「当時の重臣、足軽、町人のバラエティー豊かな建物が残っており、作製したマップに掲載している古地図を見ながらまち歩きを楽しんでもらえるのでは」と話している。マップは23日以降に彦根観光協会や彦根市観光案内所などに置かれる。
 23日のまち歩きイベントは午前10時までに河原2丁目のとばや旅館前に集合し、マップに掲載されている19件を中心に散策。途中、国登録有形文化財の旧石橋家住宅では建物内部も特別に公開される。参加無料。定員30人。申し込みは同団体代表の尾田さん☎090(3465)0910。

2014年2月10日月曜日

滋賀を世界へ発信、近江地域学会 滋賀県立大学が設立、22日に記念シンポジウム

 滋賀県立大学(彦根市八坂町)が、滋賀の魅力を世界に発信するための団体「近江地域学会」を設立する。22日午後1時半~学内の交流センターで設立記念シンポジウムを開催する。
 県立大は今年度、文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」に採択。「びわ湖ナレッジ・コモンズ―地と知の共育・共創自立圏の形成―」と題して、自治体と連携しながら少子高齢化や若者人口の減少など各地域の課題解決を進めている。
 同学会はその事業の一環として設立。「近江(滋賀)は世界に貢献できる力を備えた地域であり、その近江の価値を高めることは世界に貢献することにもつながる」をコンセプトに、滋賀の自然、文化、技などに磨きをかけるための研究・交流の場とする。
 学術的な学会とは異なり、市民や事業者、行政職員、学生など誰でも参加できる。会員は来年度以降、同学会が開く勉強会や交流会などに参加するほか、企画や論文発表もできる。
 22日の設立記念シンポジウムでは、島根県隠岐郡海士(あま)町の山内道雄町長が「ないものはない―地域再生への挑戦」をテーマに講演するほか、大久保市長やたねやの山本昌仁社長らによる「共育・共創―人が育つ地域づくり」についてパネルディスカッションも。参加無料。申し込みは県立大学地域共生センター☎(28)9851。

2014年2月8日土曜日

日本語版・マンガ彦根の歴史発刊へ

 日本語版の「マンガ彦根の歴史」が10日に発刊される。
 市教委文化財課は平成24年5月に外国人向けの英語版を発行したが、日本語版の要望もあったため制作。外国版と同様に、京都精華大学卒で漫画家の小島瑛由(えいゆ)さん(31)が作画を担当。
 漫画のあらすじは、米国人の母をもつ大学生のジョンが、彦根市のホームステイ先の小学6年生・はなちゃんと一緒に彦根城や町中を散策中、1匹の猫に出会い、突然の落雷に見舞われる。そのショックから目覚めた2人は時間旅行を始め、戦国時代の彦根や井伊直弼の活躍、彦根の文化などを知る―という設定。
 第1章で「現代の彦根」、第2章で「過去へタイムスリップ」、第3章で「彦根の文化」を紹介しているほか、朝鮮人街道や彦根城の世界遺産登録、ひこにゃん、姉妹都市についてのコラム、市内の文化財を掲載している。表紙カラー、本文モノクロで全72ページ、A5判。制作費は約64万円。3000部作成。1冊500円。
 彦根市開国記念館、彦根城博物館、市史編さん室、市教委文化財課ホームページで販売する。

2014年2月6日木曜日

ドン・カマー彦根公演大入り、子どもたちも舞台に登場

 ショートミュージカル「ドン・カマー」の公演が2日、ひこね燦ぱれすで行われ、約140人が来場した。
 東京を拠点に活動しているミュージックカンパニー イッツフォーリーズが、プロの役者から演劇指導を受けた子どもたちをそのまま本番に出演させるというユニークなスタイルで全国公演を展開。湖東・湖北の市民有志が子どもたちに演劇への関心をもってもらおうと彦根と長浜(1日)での開催を企画し、県内初のステージを実現させた。
 井上一馬さん演じるカメの「ドン」と、大塚庸介さんのカマキリ「カマー」が旅をしながら、互いの性格の違いを乗り越えて友情を育んでいくというストーリー。彦根公演には幼児から76歳までの市民ら39人が「役者」として出演し、プロと一緒に舞台上で演じて会場の笑いを誘っていた。

2014年2月5日水曜日

中井貴一さん彦根市役所を電撃訪問 映画・柘榴坂の仇討の撮影合間に

 俳優の中井貴一さんが先月末、彦根市内での映画ロケに合わせて市役所を表敬訪問した。
 映画は、井伊直弼公の側近にあたる近習(きんじゅ)を務めた彦根藩士・金吾と、桜田門外の変で襲撃した水戸浪士・直吉の13年後のあだ討ちをえがいた「柘榴坂(ざくろざか)の仇討」。今秋公開の予定で、中井さんは金吾役を演じる。
 市内で撮影が行われているため、中井さんや若松節朗監督らが先月27日に市役所を訪問。来庁前に庁内にアナウンスされたため、1階ロビーには市職員や市民ら約50人が集まり、撮影衣装のままで登場した中井さんは、職員の代表からひこにゃんのぬいぐるみを受け取ると「これがひこにゃんですね」と笑顔で話し、職員らへの握手にも応じていた。
 この日は市長が不在だったため、市役所では議長応接室で谷口典隆議長や安藤博副議長、前川恒廣教育長ら10人が応対。谷口議長の「これまでの映画では直弼が良い描かれ方をしている作品が少ないので、中井さんの役割は重要です」との話に、中井さんは「井伊直弼を思い、生涯をかけます。お客様に伝われば、直弼の印象が変わるのではないかと思います」と回答。「『花の生涯』に父が長野主善役で出ていることもあり、彦根とはご縁があると感じています」と述べた。
 (※映画化の発表に合わせて、情報の解禁が5日午前0時となっていたため、本日付での掲載となりました)

多賀大社で節分祭、島根の因原神楽団も

 多賀大社で3日、節分祭が営まれ、境内は約6000人(多賀大社発表)の参拝者で賑わっていた。
 多賀大社での節分祭は昭和27年から行われている。今年は県内外から選ばれた還暦の年男と年女計252人(うち女性18人)が、裃(かみしも)と千早姿となり、赤ずきんをかぶって午前と午後の部に分かれて参加。
 本殿での祭典後、境内に設けられた長さ約200㍍の特設の舞台で、島根県の因原(いんばら)神楽団が「鬼の舞」を奉納した後、年男と年女が舞台に登場。
 多賀大社の木村光伸宮司が射る白羽の矢を合図に、巫女さんの「鬼は外、福は内」の掛け声に合わせて、年男と年女が福豆と福もちをまくと、境内では福を求める参拝者らが我先にと手を伸ばしていた。
 今年は福豆約130㌔、福もち約270㌔がまかれた。

2014年2月4日火曜日

井伊直弼の一会流の茶道教える 師範の川嶌順次郎さん

 彦根藩十三代藩主・井伊直弼公の茶道を体験する授業が1月28日に市立平田小学校で行われた。
 平田小の6年生は総合的な学習の時間で直弼公について学んでおり、昨年末には湖東焼の茶碗作りを体験。この日は児童60人がクラスごとに分かれて参加し、直弼公の流派・一会流師範の川嶌順次郎さん(78)=小泉町=の指導を受けながら作法などを習った。
 児童たちは、菓子の置き方や茶の点て方を習う班と、自作の茶碗に入れられた茶をいただく班に分かれ、一会流の茶道を体験した。
 大西智基君(11)は「茶の点て方を学んだほか、集中力の大切さも知った。一期一会の精神について勉強になった」と話していた。

平和堂中国室長が滋賀県立大で講義 中国進出の経緯や反日デモの裏側話す

 「平和堂の中国湖南省進出」をテーマにした公開セミナーが1月29日に滋賀県立大学であり、同社中国室長の古川幸一さん(65)=長浜市=が講義をした。
 古川さんは中国へ進出した経緯について、湖南省の政府から強い要請があったことをあげながら「幹部社員はみんな反対したが、当時の夏原平次郎社長の強い意向で進出を決意した」と説明。「自己主張が強く、人に頭を下げることを嫌う中国人に『お客様第一』の考えを浸透させることに苦労した」と述べた。
 2012年9月15日に発生した反日デモについては、3店舗でテナントを含めて35億円以上の被害が出たことや、現地ではほとんど報道されなかったことを紹介しながら「一時は撤退することも考えたが、中国人の社員から『もう一度、店を開こう』と言われたため、再開を決意した」と語った。
 同社は昨年4月に4店舗目をオープン。今後について、古川さんは現地のインフラ整備が進んでいることにふれながら「人材の教育の問題もあるが、2、3年で1店舗のペースで、現在の店から近い場所に出店していきたい」と話した。

2014年2月1日土曜日

新海町の食料品店・のだそう 地元密着で57年目

 彦根市新海町の食料品店「のだそう」は今年で創立57年目を迎え、地元密着の店舗として愛されている。
 野田惣次郎さん(83)が昭和32年10月に開業し、最初は行商だけだったが、3年目には店舗を設け、高度経済成長の波に乗って売り上げを順調に伸ばし、昭和43年には売り場を拡大して新築オープン。町外の市民からも好評を得ていた。バブル崩壊による景気の低迷と大型店の出店で縮小を余儀なくされたが、これまで地元の商店として貢献している。
 4年ほど前に次男の耕(たがやす)さん(55)に経営を譲った。野田さんは「私なりに完全燃焼したつもり。お客さんあっての商売という初心を忘れずに、がんばってほしい」と励ます。耕さんも「地元の皆さまに必要な店と思われるよう、これからも続けたいと思います」と笑顔で話していた。
 同店は野菜や果物、魚、パン、冷凍品、惣菜、菓子など多数の飲食品をそろえている。営業時間は午前8時から午後7時まで、月曜午前のみ休み。問い合わせは同店☎(43)2363。
児童文庫「自転舎」も
 耕さんは「のだそう」に隣接する建物を児童文庫として改装し、平成8年8月に「自転舎(じてんしゃ)」と名付けてオープン。以来、子どもから大人までが集う交流の場として活用している。
 建物は大正時代に建てられた木造2階建てで、1階と2階に耕さん所有の本をはじめ、これまでの寄付で総数は8000冊以上あり、マンガや絵本、児童書、小説、啓発本、文庫などがそろっている。
 地元に限らず、誰でも借りることができる。耕さんは「買い物だけでなく、地域の人同士が顔を合わす場、憩いの場として活用していただければ」と話している。利用希望者は「のだそう」まで。

彦根翔西館か彦根芹川で調整 翔陽・西高の統合後の新校名

 彦根翔陽高校と彦根西高校の統合について話し合う今年度最後(5回目)の懇話会が1月29日に翔陽高内で開かれ、新校の名称を「彦根翔西館(しょうせいかん)」と「彦根芹川(せりかわ)」の2候補から選ぶことが決まった。今年度中に新校名が発表される予定。
 新校は平成28年度に翔陽高内に設立される予定。懇話会では前回の会議で絞られた「翔陽」「彦根旭」「彦根清翔」など計9候補について話し合われ、両校の名前が残ることや「館」が付く公立校が県内に無いこと、両校の近くに芹川があることから、彦根翔西館と彦根芹川に絞られた。
 彦根芹川について、委員からは「彦根市外の人は芹川を知らず、わかりにくい」「芹川はダムや河川改修などの問題で政治的に取り上げられる恐れがある」などマイナス面のほか、「地元の子どもにはなじみがある」「芹川をアピールすることができる」などプラス意見も。
 一方で、彦根翔西館については「翔陽と西高の伝統を引き継ぐことが表れている」「東から昇り、西に向かう太陽のように、目標に向かって羽ばたこうという意味が魅力」など、好印象の声が目立っていた。
 今後は2月上旬に開かれる県教委の会議に報告され、年度内に新校名が決定する予定。なお懇話会は来年度も計4回の会議が行われる。