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2012年6月8日金曜日

豪徳寺の墓に井伊直弼埋葬されず? 地下3㍍に石室なく

 東京都世田谷区の豪徳寺にある彦根藩十三代藩主・井伊直弼の墓に、石室などの埋葬施設が地下3㍍以内になかったことが、区教委などの調査で明らかになった。
 同寺は嘉永10年(1633)に二代藩主・直孝が井伊家の菩提寺とし、直弼ら江戸で亡くなった藩主やその家族、藩士らが葬られているとされる。清凉寺(古沢町)と永源寺(東近江市)と合わせ、彦根藩井伊家墓所として平成20年3月に国史跡に指定されている。
 区教委は直弼の墓石の傾きを直すため、平成21年から翌年に改修した際、地表から約1・5㍍までに石室がないことを確認。その後、東京工業大が行ったレーダー調査でも地下3㍍以内に石室は見つからなかったという。
 これまでは、直弼が安政7年(1860)3月3日に桜田門外で水戸藩士らに暗殺された後、その首を預けられていた遠藤家から井伊家家来が取り返しに行き、江戸藩邸で胴体と縫い合わせられ、喪が秘された後の4月10日に豪徳寺に葬られた―というのが通説になっている。また直弼が流した血がしみ込んだ土は天寧寺(彦根市里根町)に運ばれたとされる。
 豪徳寺に直弼の遺骨がないとした場合、天寧寺など彦根に埋葬された可能性も浮上するが、彦根市教委文化財部の谷口徹部長は「その可能性はないだろう。当時はまだ水戸藩などの不穏な動きもあったため、むしろ豪徳寺のほかの場所に埋葬されているのかもしれない」と分析する。
 真相の解明について、世田谷区教委文化財係は「直弼の墓は国の重要文化財に指定されているため、3㍍より下の発掘はできない。今のところ、どこにあるのか解明する予定はない」としている。

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