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2011年11月17日木曜日

復興ピアノ提供した井上晃雄さんの妹・太田良子さん、スミス記念堂の演奏体験に感動

 東日本大震災で宮城県石巻市の海に沈んだものの、引き上げられて修理された楽器店経営・井上晃雄(てるお)さん(82)のピアノの演奏体験会が13日、彦根市本町のスミス記念堂で開かれた。会には井上さんの妹・太田良子さん(80)=写真=も東京から駆けつけ、ピアノの音色を聴いていた。
 このピアノは、彦根市尾末町のピアノ教室講師・寺村邦子さん(56)が井上さんから譲り受けたもの。震災後の4月初め、寺村さんがテレビで被災地の海にピアノなどが沈んでいる映像を見、「1台でも救いたい」との思いにかられ、連絡がついた井上さんの店から寺村さんに届けられることになった。
 井上さんの店はピアノを初め、50種類前後の珍しい民俗楽器が流された。ピアノはその後、ボランティアなどの手によって海から引き上げられ、修理後には「復興ピアノ第1号」として石巻市内で開かれた祭典に登場。9月末の台風15号で一部が浸水する被害にもあい、再修理を経た10月9日に寺村さん宅に届いた。
 寺村さんは、「復興ピアノ」を多くの人に弾いてもらおうと演奏体験会を企画。当日は小学生から高齢者まで約50人がピアノを演奏した。多賀小5年の堀川紗也華さん(11)は「海に沈んでいたピアノがここにあるのはすごいと思う。演奏は恥ずかしかったけれど、うまく弾けた」と話していた。
 井上さんの代わりに訪れた太田さんは、「温かみのある音に感動した。彦根の皆さんに愛されていることを兄が知れば、涙を流して喜ぶと思う」と感慨深げに話していた。
 寺村さんは来年3月に、復興ピアノを使ってギネス記録に挑戦する。

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