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2010年7月14日水曜日

日下部鳴鶴の筆談書など寄贈 孫の日下部暘さんに感謝状、彦根城博物館で展示

 明治の三筆の一人として知られる書家の日下部鳴鶴(本名・東作)の筆談書など関連資料51点が、鳴鶴の孫にあたる暘(あきら)さん(81)=神奈川県平塚市=から彦根城博物館に寄贈された。13日には暘さんが彦根を訪れ、市長から感謝状が贈られた。
 鳴鶴は天保9年(1838)に彦根藩士・田中惣右衛門の次男として生まれ、その後、同じく彦根藩士の日下部家の養子になった。明治時代には太政官大書記官を務めたが、大久保利通暗殺後の明治12年(1879)には退官し、書の道へ。以降、鳴鶴は清国で六朝時代を中心にした書体や書法を学ぶなど見聞を広め、一家を成して近代の書道界の第一人者にまで上りつめた。
 寄贈された資料には、鳴鶴が明治24年に書の研究のため清国へ渡り、上海や南京などで現地の書家と交流した際に交わした筆談書や、大正6年(1917)5月13日に東京・日本橋倶楽部で開かれた鳴鶴80歳の祝宴会場に掛けられた、鳴鶴揮ごうの漢詩など、貴重な作品もある。
 筆談書や漢詩、鳴鶴82歳のころの写真など数点は、26日まで彦根城博物館で展示されている。

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